【ショートショート】ランドセルからの贈り物
卒業式を終えたその夜、優太はもう背負うことのなくなったランドセルを机の上に乗せた。
友達の中にはボロボロになっている子もいたが、大事に使っていた優太のランドセルはまだまだ綺麗だった。
それでもついてしまっている擦り傷も今となっては当時の思い出を振り返るための印のようなもので、その傷をなぞるようにランドセルを撫でた
「まだまだキレイだね。大事に使ってたもんね」背後から母親がそっと声をかけた。
「実はね」優太の肩に手を置き母親は続けた。
「今日で小学校もランドセルも卒業だけど、こ