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絶対王政期の文化


科学・哲学

物理学

アイザック・ニュートン(1642〜1727):英
→万有引力の法則を発見、『プリンキピア』を著す。

ニュートン肖像画

化学

アントワーヌ・ラヴォワジェ(1743〜1794):仏
質量保存の法則を発見。酸素・窒素・水素の命名などの業績から「近代化学の父」と呼ばれる。しかし徴税請負人だったことからフランス革命で処刑された。

ロバート・ボイル(1626〜1691):英
→気体の圧力と体積の関係を解明

生物学・医学

エドワード・ジェンナー(1749〜1823):英
種痘法(天然痘の予防接種)を開発。

ジェンナー肖像画

カール・フォン・リンネ(1707〜1778):典
→特に植物分類法の体系化に貢献

ウィリアム・ハーヴェー(1578〜1657)
血液循環説の提唱

経験論(17〜18世紀)

フランシス=ベーコン(1561〜1626):英
→『新オルガヌム』の中で4種類の偏見(イドラ)を紹介。認知や知識は経験から得られるもので、先天的に備わる先入観はいらないと主張。
帰納法
→観察や実験で得られた個々の事例を集め、そこから一般的理論を導き出す。

フランシス=ベーコン肖像画

合理論(17世紀)

ルネ・デカルト(1596〜1650):仏
→「近代哲学の父」。『方法除説』を著し、「われ思う、ゆえにわれあり」の言葉で有名。
人間の理性を認識の基礎とし、世界を論理的に把握することを主張。
演繹法
→前提を立て、そこから論理的に結論を導き出す。

デカルト肖像画

バールーフ・デ・スピノザ(1632〜1677):蘭
汎神論を唱え『エチカ』を著す。

ゴットフリート・ライプニッツ(1646〜1716):独
微積分法を開拓し、哲学では単子論(モナド)を説いた。

ブレーズ・パスカル(1623〜1662):仏
→『パンセ』を著す。中間者としての人間を「考える葦」とした。

ドイツ観念論(18世紀後半〜19世紀初め)

イマヌエル・カント(1724〜1804):独
→『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』などを著す。合理論と経験論を統合し、「認識が対象に従うのではなく、対象が認識に従う」と主張した。

カント肖像画

政治・経済

◎市民階級の急成長と新思想の布教
コーヒーハウス:英
→店内では各種の新聞や雑誌の閲覧が可能
サロン(社交場)
→貴族・上流階級の女性が主催
カフェ:仏
→文化人などの市民が政治・文化などを議論する場。

これらの場で政治の議論が行われ、絶対王政に対する批判もなされた。

自然法

フーゴー・グロティウス(1583〜1645)
→「国際法の父」「近代自然法の父」と呼ばれ、『海洋自由論』『戦争と平和の法』などを著す。
人類が普遍的に守るべき法の存在を説いた。

グロティウス肖像画

社会契約説

トマス・ホッブズ(1588〜1679)
→『リヴァイアサン』を著し、自然状態を「万人の万人に対する闘争」と表現した。

ジョン・ロック(1632〜1704)
→『統治二論』を著し、革命権を主張。政府を市民の財産や幸福を守るために存在するとした。

ジャン=ジャック・ルソー(1712〜1778)
→『人間不平等起源論』『社会契約論』を著し、人民に主権を置くことを主張。

啓蒙思想

ヴォルテール(1694〜1778)
→『哲学書簡』を著す。王権神授説を否定し、理性による政治を説いた。

シャルル=ルイ・ド・モンテスキュー(1689〜1755)
→『法の精神』を著し、その中で三権分立を主張。

ディドロダランベール
→『百科全書』:フランス啓蒙思想家の百科事典

重農主義

フランソワ・ケネー(1694〜1774)
→『経済表』を著し、「富の源泉は農業生産にあり」と言った。そのため、国家が商業活動に専念することはよくないとし、政府による経済への関与を否定。自由放任主義を唱える。

イギリス古典派経済学

アダム=スミス(1723〜1790)
→『諸国民の富』を著し、その中で「神の見えざる手」を提唱。自由経済を説いた。

アダム=スミス肖像画

トマス・ロバート・マルサス(1766〜1834)
→『人口論』を著す。食糧は算術級数的にしか増加しないのに、人口は幾何級数的に増加する傾向をもつので、自然のままでは過剰人口による食糧不足は避けられないとし、人口を制限するためには貧困や悪徳はやむをえないと論じた。

デヴィット・リカード(1772〜1823)
→古典派経済学を確立。比較生産費説を唱える。

芸術・文学

バロック美術(16世紀後半〜18世紀初め)

→王の権力を表すような作風が流行った。宮廷っぽく、派手。

エル=グレコ(1541〜1614)
→近代スペイン画の祖

『悔悛する聖マグダラのマリア』エル=グレコ

ディエゴ・ベラスケス(1599〜1660)
→光線の表現に工夫のある作品

『ラス・メニーナス』ベラスケス

ピーテル・パウル・ルーベンス(1577〜1640)
→宮廷画家として活躍

『キリスト降架』ルーベンス

レンブラント・ファン・レイン(1606〜1669)
→光と影の描写。

『夜警』レンブラント

バロック音楽(16世紀後半〜18世紀初め)

→宮廷好みの壮大な音楽

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685〜1750)
→「近代音楽の父」

バッハ肖像画

ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685〜1759)
→後半生はイギリス宮廷音楽家として活躍

ロココ美術(18世紀初めのフランス)

→バロック美術に対して繊細さを重視。

アントワーヌ・ワトー(1684〜1721)
→田園・宮廷画が中心

『シテール島の巡礼』

ドイツ古典派音楽

フランツ・ヨーゼフ・ハイドン
→「交響曲の父」ドイツ古典派音楽を大成

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
→短い生涯の中で交響曲など多くの傑作を残す

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
→古典派音楽を集大成し、ロマン派音楽への道を拓く。

ベートーベン肖像画

フランス古典主義文学(17世紀)

ピエール・コルネイユ(1606〜1684)
→古典主義悲劇創始

ジャン・ラシーヌ(1639〜1699)
→古典主義悲劇大成

モリエール(1622〜1673)
→古典主義喜劇大成

イギリス市民文学

ジョン・ミルトン(1608〜1674)
→『失楽園』:『旧約聖書』の楽園喪失を題材に

ダニエル・デフォー(1660〜1731)
→『ロビンソン=クルーソー

ジョナサン・スウィフト(1667〜1745)
→『ガリヴァー旅行記

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