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★7/二次関数・微分(Ⅱ)京都大学2020第2問(文)


問題

$${x}$$の二次関数でそのグラフが$${y=x^2}$$のグラフと$${2}$$点で直行するものを全て求めよ。

解答

$${y=ax^2+bx+c}$$、$${2}$$つのグラフの交点を$${α,β}$$とする。$${(a≠1,0)}$$

$${y'=2ax+b ,  y'=2x}$$より

$$
\begin{cases}
2α\cdot(2aα+b)=-1\cdots①\\
2β\cdot(2aβ+b)=-1\cdots②\\
\end{cases}
$$

また、$${ax^2+bx+c=x^2}$$より$${(a-1)x^2+bx+c=0}$$
この解は$${α,β}$$なので解と係数の関係より

$$
α+β=-\dfrac{b}{a-1}\cdots③\\
αβ=\dfrac{c}{a-1}\cdots④\\
$$

ここで

$$
①+②=4a(α^2+β^2)+2b(α+β)=-2\cdots⑤\\
①-②=4a(α^2-β^2)+2b(α-β)=0\\
\Leftrightarrow 2a(α+β)+b=0\cdots⑥
$$

⑥に③を代入すると

$$
2a\cdot \Bigl( -\dfrac{b}{a-1}\Bigl)+b=0\\
\Leftrightarrow b\Bigl(1-\dfrac{2a}{1-a}\Bigl)=0\\
$$

よって$${b=0 or a=-1}$$

(Ⅰ)$${b=0}$$のとき
⑤に代入すると

$$
2a(α^2+β^2)=-1\\
\Leftrightarrow 2a\Bigl(-\dfrac{2c}{a-1}\Bigl)=0\\
\Leftrightarrow c=\dfrac{a-1}{4a}
$$

よって$${y=ax^2+\dfrac{a-1}{4a}}$$

また、$${(a-1)x^2+bx+c=0}$$より$${D>0}$$でなければ交点を$${2}$$つ持たないので、
$${D=b^2-4(a-1)c>0}$$
ここでは$${b=0, c=\dfrac{a-1}{4a}}$$なので

$$
D=-4\dfrac{(a-1)^2}{4a}>0\\
\Leftrightarrow \dfrac{(a-1)^2}{a}<0\\
\therefore a<0
$$

以上より$${y=ax^2+\dfrac{a-1}{4a} (a<0)}$$

(Ⅱ)$${a=-1}$$のとき
$${α+β=\dfrac{b}{2},αβ=-\dfrac{c}{2}}$$を踏まえて⑤に代入すると

$$
-2(α^2+β^2)+b(α+β)=-1\\
\Leftrightarrow -2\Bigl(\dfrac{b^2}{4}+c\Bigl)+\dfrac{b^2}{2}=-1\\
\Leftrightarrow c=\dfrac{1}{2}
$$

よって$${y=-x^2+bx+\dfrac{1}{2}}$$
(Ⅰ)と同様に判別式を考えると

$$
D=b^2-4(a-1)c>0\\
\Leftrightarrow b^2+4>0
$$

よって$${b}$$は任意定数であるので、結果をまとめると

$$
\begin{cases}
y=ax^2+\dfrac{a-1}{4a} (a<0)\\
y=-x^2+bx+\dfrac{1}{2}
\end{cases}
$$

総評

 一つ一つの要素は基本レベルですが、踏まなければならないステップが多いのと、設定した文字を減らすのに一苦労することがネックになる問題です。
 意外と大事なのが、最終的に文字がすべて消えない形が解答になることで、「こういった形でもちゃんと解答として成り立つような問題があるんだ」と知っておかないと変に文字を減らそうとして抜け出せない沼にはまる危険性があります。そうならないためにも一度はこういった問題に触れるのは重要です。

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