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19世紀の欧米諸国の文化


文学

古典主義

→ギリシアやローマの古典に範をとり、調和や中庸と言った市民的価値観を表明する文学上の潮流。次に台頭してくるロマン主義に対しては保守的な傾向と捉えられる。

ゲーテ(1749~1832) 独
『若きウェルテルの悩み』『ファウスト』
フリードリヒ=シラー(1759~1805) 独
『群盗』、『ヴィルヘルム=テル』

ロマン主義

→形式や理性、古典的な構図や色彩にとらわれず、感情や情熱をそのまま画面に露わに表現する

グリム兄弟(兄弟ともに言語学者) 独
ドイツ語辞典
→グリム童話は言語学研究のために集めた説話集

ハインリヒ・ハイネ(1797~1856) ユダヤ系
歌の本
→七月革命を目の当たりにして、人々が自由を求めて戦うことの素晴らしさを感じた

ヴィクトル=ユゴー(1802~1885) 仏
レ=ミゼラブル
→フランスの貧困層の悲劇を描く。

バイロン(1788~1824)
チャイルド=ハロルドの巡礼
→ギリシア独立戦争を支援・参戦したが現地で客死。

写実主義

スタンダール(1783~1842)
『赤と黒』
バルザック(1799~1850)
『人間喜劇』
トルストイ(1828~1910)
『戦争と平和』
ドストエフスキー(1821~1881)
『罪と罰』
ディケンズ(1812~1870)
『二都物語』
→イギリスの下級社会を題材に生活苦を描いた。

自然主義

→写実主義に加えて社会の矛盾や人間の欲望を直視し、問題を提起

エミール=ゾラ(1840~1902)
『居酒屋』
→ドレフュス事件を糾弾した。

イプセン(1828~1906)
『人形の家』
→女性差別を明らかにする

モーパッサン(1850~1893)
『女の一生』

芸術

絵画

古典主義絵画
ジャック=ルイ・ダヴィド(1748~1825)

『ナポレオンの戴冠式』

ロマン主義絵画
ウジェーヌ・ドラクロワ(1798~1863)

『民衆を導く自由の女神』

写実主義絵画
ギュスターヴ・クールベ(1819~1877)

『絶望』

自然主義絵画
ジャン=フランソワ・ミレー(1814~1875)

『晩鐘』

印象派
→小さく薄い場合であっても目に見える筆のストローク、戸外制作、空間と時間による光の質の変化の正確な描写、描く対象の日常性、人間の知覚や体験に欠かせない要素としての動きの包摂、斬新な描画アングルなどが特徴。

エドゥアール・マネ(1832~1883)

『フォリー・ベルジェールのバー』

クロード・モネ(1840~1926)

『印象・日の出』

後期印象派

ポール・セザンヌ(1839~1906)

『サン=ヴィクトワール山』

フィンセント・ファン・ゴッホ(1853~1890)

『星月夜』

音楽

ロマン主義音楽
フランツ・シューベルト(1797~1828)
『美しき水車小屋の乙女』
リヒャルト・ワーグナー(1813~1883)
『ニーベルングの指輪』(楽劇)
→ゲルマン人の神話を題材にした
フレデリック・ショパン(1810~1849)
『革命』
→祖国ポーランドの反乱を音楽で表現

哲学・社会主義思想

哲学

ドイツ観念論
ヘーゲル(1770~1831)
→ドイツ観念論を大成。弁証法哲学

史的唯物論
マルクス(1818~1883)
→ヘーゲルの弁証法哲学を応用。歴史の発展法則を探求。

功利主義
ベンサム(1748~1832)
→「最大多数の最大幸福」多数決の原理。
ジョン=ステュアート=ミル(1806~1873)
→多数決だけではなく幸福の中身についても議論

実証主義
コント(1798~1857)
→社会学の創始。

社会主義

空想的社会主義
ロバート=オーウェン(1771~1858)
→工場法の制定に尽力

科学的社会主義
マルクス(1818~1883) エンゲルス(1820~1895)
→『共産党宣言』資本家から工場を奪うことを肯定
「ヨーロッパに妖怪が出る、共産主義という名の妖怪が」
「今日にいたるまでのすべての歴史は階級闘争の歴史である」
「万国のプロレタリアよ、団結せよ!」

科学・技術

歴史学派経済学

フリードリヒ・リスト(1789~1846)
→保護貿易を主張。自由貿易はイギリスの思う壺だと指摘。
ドイツ関税同盟の結成とドイツの統一に尽力

近代歴史学・法学

ランケ(1795~1886)
→史料批判を通して実証的・科学的に史実を求める。近代歴史学の祖。

サヴィニー(1779~1861)
→ドイツの歴史・民族精神に基づく法律の制定を主張。普遍的な法より地域に根差したものを目指した。

科学

◎物理学
ファラデー(1791~1867)
→電磁誘導の法則・電気分解の法則を発見し、電磁気学の発展に貢献。
マイヤーヘルムホルツ
→エネルギー保存則を発見。内燃機関の発達に貢献。
レントゲン(1845~1923)
→X放射線の発見

◎化学・生物・医学
キュリー夫妻
→共同で放射性物質を研究し、ラジウム・ポロニウムを発見
ダーウィン
→『種の起源』で進化論を発表
パストゥール(1822~1895)
→狂犬病の予防接種に成功
コッホ(1843~1910)
→結核菌・コレラ菌を発見

◎技術と発明
ノーベル(1833~1896)
→ダイナマイトや無煙火薬を発明し特許を取得
モース(モールス,1791~1896)
→リレー式電信機を発明。電信線の敷設に尽力
ベル(1847~1922)
→電話機の発明
マルコーニ(1874~1937)
→無線電話を発明、大西洋横断の交信に成功
エディソン(1847~1931)
蓄音機・白熱電灯・映写機などを発明

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