古い巾着袋
今日は、私が今まで人から聞いた怖い話の中でも、ダントツに怖かった話を披露したいと思います。
私自身、今でもその話を思い出すと背筋が凍るのですが、心臓の弱い方はくれぐれも注意をしてください。
これは、大学時代に同じクラスだった吉川さん(仮名)から聞いた話になります。
吉川さんが小学生の時、家の押し入れの上の棚にダンボールが置いてあるのを見つけたそうです。
彼女はそれまでに何度か引っ越しをしており、そのときの家は数年前に引っ越してきたばかりで、そのダンボールは引っ越したときにまだ開封していないダンボールのようでした。
吉川さんは興味本位でダンボールを床に下ろして中を開けると、そこには幼稚園の時に使っていた巾着袋が入っていたそうです。
それは彼女がお気に入りだった少し大きめの巾着袋で、久しぶりに巾着袋を見て思わず懐かしさが込み上げてきたそうです。
吉川さんは、今度はその巾着袋を開けたそうです。
暗くてよく見えなかったようですが、中にはたくさんの甘納豆が入っていたようです。
「幼稚園の給食の甘納豆でも入れて、そのまま忘れてたのかな?」
お気に入りの巾着袋に甘納豆を入れた記憶はなかったようですが、彼女は特にそのことを深く考えることはありませんでした。
そして、同じく深く考えずに、甘納豆を一粒だけ摘まもうと巾着袋に右腕を入れたそうです。
当然、いつのものかわからない甘納豆なので、食べられないことはわかっていたそうですが、なぜか指で摘まもうとしたのでした。
そして、右手を巾着袋に入れた瞬間、手首から腕にかけて何かが触れる感触があったそうです。
巾着袋に入れた右腕にサワサワとした くすぐったい感触があり、
腕を見ると・・・
数匹のゴキブリが自分の腕を這っていて、巾着袋の中には更に大量のゴキブリがうごめいていたのです。
~Fin~
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