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毒親育ちと親になること


このnoteは、毒親育ちの明日に希望を届けるためのnoteです。




今回は、毒親育ちと「親になること」
について取り上げたいと思います。



毒親育ちの皆さんの中には、
子どもをもつことについて、
悩んでいらっしゃる方が多いと思います。


その中で多いと思われる悩みについて、
私自身の経験やそこから得た考え等を紹介しながら、
考えていきたいと思います。



1 子どもを考えた時、毒親育ちが悩むポイント


子どもをもつことについて毒親育ちが悩むポイントとしては、
以下の点があるのではないかと思います。


①自分が親になったら、自分の親と同じことを子どもにしてしまうのではないか?自分も虐待親になってしまうのでは?という不安


②自分は子ども時代を失った。
すでに何十年も親に人生を乗っ取られて失ったのに、
子どもが出来たら自分の人生は子どもに捧げることになるのではないか、
やりたいことができるのだろうかという不安


③まだ親との交流をもっている場合、
自分が親になったら、また妊娠・出産・孫の子育てを乗っ取られるのではないか?という不安


だいたいこの3点に集約されるように思います。
以下、詳しく取り上げていきたいと思います。



2 自分も虐待親になるのでは?という不安


私もとても不安だったのですが、
やはり不安になる一番大きな原因は、
虐待は連鎖する、
機能不全家族は連鎖する、という考え方なのではないかと思います。


実際、虐待は連鎖する傾向にありますし、
機能不全家族は連鎖する傾向にあります。
だから、おそらく毒親育ちの皆さんは、
親から聞いた親の子ども時代や、さらに祖父母の子ども時代も、
機能不全家族のエピソードだった、ということは
よくあることだと思います。


ただ、これは、すでに自分は毒親育ちだと気づいて、
その上で、自分も虐待親になってしまったらどうしよう…
と不安になっている場面においては、
該当しないのではないかと考えています。



なぜなら、
自分は機能不全家族で育った人間である、
だから、
子育てにおいては注意して子どもに接する必要がある、
少なくとも、自分の親と同じように子どもの心身を傷つけるような接し方はしないようにしたい、
という認識があって行動することができれば、
まず、親と同じようにはならないだろうと思うからです。



以前、「自分『も』毒親にならないか不安な人へ」と題する記事で書きましたが、
自分と親は、別の人間です。
確かに一番身をもって知っている子育てが、
自分が親から育てられた方法であることは確かです。
でも、人間は、変わりたいと願って行動すれば、
必ず自分を変えることができます。


ですから、自分も親と同じように子どもに接してしまうのではないか、
という不安は、
努力することで解消していくことのできる不安ではないか、
と思っています。



なお、毒親にならないためアイデアは、
「自分『も』毒親にならないか不安な人へ」と題する記事で取り上げていますので、よろしければご覧ください。





なお、私は、毒親にならないための一番のポイントは、
子どもに対して、常に謙虚であり続けることだと思っています。
謙虚であれば、
自分が間違ったら謝ることができますし、
子どもに対して、「親」というだけで偉そうな態度に出ることもありません。
自分もまだまだ発展途上の不完全な人間であるけど、
縁あってその「子」の親になったから、
愛と責任をもって一生懸命育てる、
そして大人になったら社会に送り出す
という気持ちでいられるとよいのではないかと思います。




3 自分の人生をまた他人にとられてしまうという不安


これは毒親育ちの皆さん、あまり認めたくないところかもしれません。
やはり、子どもをもつにあたって、特に日本社会では、
いかに親が子どものために犠牲になれるか、
犠牲になれる人こそ良い親という風潮が根強いからです。
だから、子どもをもつにあたって親が自分の人生を犠牲にするのは当然ではないか、自分の人生なんて言っているうちは親になれない、親失格等といわれてしまいかねません。


しかし、いくら目を背けても、
一人では何もできない赤ちゃんの状態から、
社会で一人で生きていける状態になるまで育て上げる人間の育児は、
自分の人生の貴重な時間を大幅にその子どもに対して割くことになるのは
事実です。


その事実を前に、自分の人生をもっと楽しみたいから、
子どもをもつことは控えるという選択は当然にありうることです。


ですから、そのように考えることは恥ずかしいことではないですし、
個人の自由だと思います。


ましてや、毒親育ちの場合、
自分が毒親育ちであると気づいた時、
それまでの貴重な人生を親に乗っ取られてきた、
自分の人生を生きてこられなかったという後悔や喪失感が襲います。
それほどの後悔や喪失がある中で、
これ以上、自分の人生を犠牲にしたくない、
自分の人生をまた誰かのために割くのは避けたい、
と考えるのは無理のないことです。



この点については、本当にそのとおりなので、
私は無理にこの悩みを解消する必要はないと思います。



私もこの点はかなり悩みましたが、
私個人は、
愛があふれる家族への強烈な憧れがあったということもあり、
またパートナーの意向もあったので、
子どもをもつ方に舵を取りました。


愛があふれる家族を作るには、
毒親育ちというハンデを背負った自分は相当大変ということはわかっていたのですが、
どうしても憧れが勝り、
パートナーの支えもあって、そうなったという感じです。


今も育児には日々悩んでいますが、
結果、私は子どもから、
多大な愛を受け取っているので、
自分の選択には後悔していません。


でも、だからといって、
この点について悩む人たちに対し、
子どもは犠牲以上に大きな喜びをもたらしてくれます
といったきれいごとを申し上げるつもりもありません。


私は、毒親育ちが一番にやるべきことは、
「自分を癒して自分が幸せになること」だと思っています。
私の場合は、縁あってラッキーが重なって、
子どもをもつことが自分の癒しや幸せとつながりましたが、
これはたまたまであり、
必ずしもそうなるとは思いません。


ですから無責任はことは言えません。


「自分の幸せ」という観点から、
どうするか考えて選択するのが
一番後悔がないように思います。




4 妊娠・出産・孫の子育てを親に乗っ取られるのでは?という不安


残念ながらこの不安はあたっています。


毒親にとって、孫の誕生というのは一大イベントです。


弊所でも以下のような相談をよく受けます。

・里帰り出産の時、まったく気が休まらず、
結局従前実家で生活していた頃と同じように、
両親の夫婦喧嘩を聞かされただけだった、
母の愚痴聞きをさせられただけだった、
一度苦情を伝えたら、まだ産後すぐなのに追い出された


・元々折り合いが悪いので、
妊娠したことを安定期に入るまで伝えていなかったら、
そのことでトラブルになり、後々までネチネチ言われ、
ママのこと嫌いなのね、と泣きついてくる


・産後少し手伝ってもらっただけなのに、
まるで自分がいなければ何もできない娘のように言われ、
その後も過干渉を継続し、
頼んでもないのに家にきて、孫の世話をしようとする


・産後の一番忙しい時期に、
お祝いをするという名目で、自宅に突撃訪問し、
今はそっとしておいてほしいといったところ、
逆上して、お祝い金を返せと言われた


こういったエピソードをあげるときりがないほどです。


まだまだ産院や役所の保健師さん等からは、
里帰り出産や、
両親の援助を受けること等を勧められるように思いますが、
もしあなたが自分の親は毒親なのでは?と感じているのなら、
妊娠出産という一大事の時には、距離をおくのが間違いなくベストです。



手がないよりある方が助かると思うかもしれませんが、
毒親のサポートを受けるくらいであれば、
夫婦二人だけで協力してやりくりする、
あとは、自治体の産後サービスや、
出費はありますが民間のサービスを使う等した方が、
間違いなく精神衛生上落ち着くと思います。


毒親育ちにとって、
親が近くにいるということは、
どれだけトレーニングしようとも、
どれだけ癒やしを進めようとも、
やはり何らかの心身の不調が生じたり、
行動への影響が出ることを避けられないはずです。


そのような毒親の影響を直接受けながら、
育児をする
というのは、大変すぎます。
ただでさえ大変な育児、
少なくとも、心身ともに健康な状態で取り組めるようにするためにも、
毒親とは距離をおいた方がよいと思います。




以上、「毒親育ちと親になること」でした。

最近、ふとこのような話題について相談されたことがあったため、
記事にしてみました。



毒親育ちにとって、親になるということは、
大きな関門だと思います。
親にならないという選択をすることも、
また苦労を伴うと思います。



これまで長年自分を見失ってきた分、
自分の幸せを大切に決断できると良いのではないかと思います。



今回もお読みいただき、ありがとうございました。











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