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取材協力した「ふがいないきょうだいに困ってる」、まもなく発売されます。




このnoteは、毒親育ちの明日に希望を届けるためのnoteです。




今回は先日取材協力させていただいた本のご紹介とともに、
本のテーマとかかわる「機能不全家族におけるきょうだい」について、
取り上げたいと思います。



1 本のご紹介


先日、著者の吉田潮様からお声掛けいただいて、取材に協力させていただいた書籍が、まもなく発売されます。
タイトルは、「ふがいないきょうだいに困ってる」です。
副題は、~「距離を置きたい」「縁を切りたい」家族の悩み~



問題を抱えているきょうだいがいて、悩んでいる人たちに、
そっと手を差し伸べてあげるような内容の本です。



平素から毒親に悩んでいる人たちの相談を受けている私のところには、
問題を抱えているきょうだいのことで悩んでいる人の相談もきているのではないか、ということで、今回取材をいただきました。



本は、5月24日に発売されます。
現在、Amazonで、先行予約も受け付けています。



私も本の発売をとても心待ちにしております。
今回、著者の吉田潮様と光文社様の方から許可をいただきましたので、
私のnoteの読者様にもぜひご紹介したいと思い、
記事にしました。
ぜひ、手に取っていただければと思います。




2 機能不全家族におけるきょうだい



併せて、せっかくですので、私が平素から相談を受けている内容をもとに、
「機能不全家族におけるきょうだい」について、
ご紹介してみたいと思います。



私からみると、大きく4つの類型に分けられると考えています。

①積極的加担型

②親の価値観内面型

③疎遠型

④協働型


以下、詳しく紹介していきます。



3 加担型


加担型というのは、機能不全家族において、積極的に毒親の側に加担して、
相談者の方を傷つけてくるタイプです。



小さいころから性的虐待を加えてきた兄、
妹が親に怒られるよういたずらを繰り返す姉
というように、積極的に相談者に虐待を加えてきた加担型もいれば、
小さいころは特段問題のない関係であったものの、
大人になってから、毒親からの経済的サポートなどを独占することを目的として、積極的に親に加担するタイプもいます。



弊所に相談にくるケースでは、以下のようなケースが多いです。

・親と一緒になって相談者へのつきまとい行為を継続している
より具体的には、親と一緒になって勤務先に押しかける、
自宅へ予告なく訪問し、通報するまで居座る、など

・親と一緒になって相談者に対し、法的根拠のない金銭要求を継続する
中には、本人訴訟で訴訟提起を繰り返す人もいます



加担型の場合、弊所では、親に加えて、そのきょうだい自身も相手方とし、
きょうだいとも事実上の絶縁をする方向で案件を進めていくことも多いです。
難しいのは、この手のきょうだいは、親に積極的に加担しているものの、
思惑としては必ずしも親と一枚岩ではないこともあるという点です。
生前贈与や相続の場面で財産を独占するためであったり、
単に自分の人生がうまくいっておらず幸せそうな相談者をねたんでいじわるをしているといったケースもあります。
また、当初は、後述する「疎遠型」であったが、
自分ばかり親の面倒を押し付けられることに疲れ、きょうだいに押し付けようとして加担するケースもあります。
本当に様々です。



4 親の価値観内面型


親の価値観内面型は、そのきょうだい自身が親の価値観を内面化して、
自分は正しいことをしている、正義だ、と思い込んで、
相談者を追い詰めてくるパターンです。



相談者からみれば、受けている被害は、加担型と同様です。
ただ、加担型よりもやっかいなのは、
毒親の価値観を内面化し、それを正義だと信じ込んでいるので、
どこまでも相談者を追い詰めてくること、
さらには、親がいなくなってからも、なお、相談者へのつきまといや金銭要求が継続するリスクがある点です。



きょうだいは縁を切れないんだから、
きょうだいは助け合うのが普通なんだから、
扶養義務があるんだから、
等と言って、
精神的に依存してきたり、
つきまとい行為、金銭要求などをしてきます。


相談者だけではなく、その子、
つまりきょうだいにとっては「甥・姪」にあたる人に対しても、
そのような大義名分を振りかざして迷惑行為をしてくることもあります。



きょうだいは縁を切れない、
きょうだいには扶養義務がある、
といった発言は、
「きょうだい」を「親子」に置き換えれば、
毒親の発言とほとんど重複することにお気づきでしょう。



毒親の価値観を内面化し、それを正義と思い、
相談者を追い詰めてくる、
それが価値観内面型です。



5 疎遠型


疎遠型とは、お互いに干渉もしないし、どちらかが親に加担するようなこともないが、
一方で助け合うこともないきょうだいです。



このパターンであれば、害はありませんので、問題はありません。
そもそも機能不全家族で育てられると、きょうだいとの仲もうまくいかないというケースが多いです。
機能不全家族を支配している親は、きょうだい間で差別的取り扱いをします。それは、意図的なものもあれば、そもそも毒親は子どもに対して情緒的関心が薄いため気まぐれを繰り返した結果として差別的扱いになることもあります。
また、家族間で愛情を持ち、お互いを尊重して接し、助け合うという経験をもつこと自体が機能不全家族では難しいですから、
そもそもきょうだいとの間でも愛着関係を築くことが難しいといった事情もあります。



これらの事情から、結果的にきょうだい仲があまりよくない、といったケースが多いです。



それでも、疎遠にしているだけで、お互いに実害がなければよいでしょう。
ただ、気を付けなければならないのが、
疎遠型がうまくいくには、どちらのきょうだいも親と距離を置くことができっているケースに限られるという点です。



たとえば、ある姉妹がいたとして、
姉の方は親と距離を置きたいものの、無理難題を押し付けられたり、
介護の負担が降りかかってきた、
一方で、妹の方は、親と距離を置いて自由に生活している、
となれば、やはり姉の方は快く思わないものです。



そうすると、姉の方が、上述した加担型や価値観内面型にシフトしていってしまうケースもありますので、注意が必要です。



ただ、弊所にご相談にいらっしゃる人たちから、
姉がかわいそうだから、弟がかわいそうだから、
自分も親から逃げずに我慢しなければならないのではないか、
という声をよく聞きますが、
それは違うと思います。



姉や弟が今後親とどういう関係を築いていくかということは、
もはや姉や弟自身の問題です。
きょうだいであるあなたが心配し、そのきょうだいの責任を一緒に背負う必要はありません。
本来は自分が負う必要のない家族の人生の責任を無意識に背負ってしまうことこそ、機能不全家族で身に着けてしまった不健全な習慣です。
大変ではありますが、それを手放し、自分の人生を取り戻した方がよいでしょう。



6 協働型


数はそれほど多くないですが、
機能不全家族での苦労を経ながらも、大人になってから、
一人の人と人としての付き合いや関係を構築できるきょうだいもいらっしゃいます。



子ども時代は色々な葛藤がありながらも、
お互いにあの時は子どもで、あの親の元で苦労した、
その苦労を語り合える同士だし、これからは助け合いたい、
という気持ちで、
大人になってから新たな関係を構築できることがあるのです。



私の経験を踏まえると、
・お互いが経済的に自立していること、
・お互いが相手の人生に不用意に踏み込まない・干渉しないこと、
・お互いを同じ親の元で苦労した同士としてリスペクトし合えること、
このあたりが、協働型になれるきょうだいの特徴だと考えています。



協働型のきょうだいが、親からのつきまといや金銭要求に悩まされたときには、弊所ではきょうだいそろってご依頼いただくこともあります。



協働型になれると、信頼できて相談できる人が身近にいるということになるので、とても心強いと思います。



お互いがきちんと節度をもって接し続けることで、
生涯良い関係を築いていけることもあります。
協働型を続けるうちに、親友のような関係になっていったきょうだいも、
いらっしゃいます。




以上、「機能不全家族におけるきょうだい」についての紹介でした。
概要しかお伝えできませんでしたので、今後必要があればまた深堀していきたいと思います。



まもなく発売される本では、
きょうだいに悩まされる人たちの事例がたくさん出てきます。
大変悩ましい問題ですが、どういう対処ができるのか、
どういう心構えで対処していけばよいのか、
そういったヒントがちりばめられていると思います。
きょうだいや家族に悩んでいる人たちが、
少しでも前を向くきっかけになるのではないかと思います。



よろしくお願いいたします。











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