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朝三暮四と行動経済

朝三暮四とは

朝三暮四と言う言葉をご存知でしょうか?
「ちょうさんぼし」と読みます。

意味としては、
「目先の違いにとらわれ、
結局は同じ結果になる事に気付かないこと」

であったり、
「目先の利害を強調して口先で人をあざむくこと」
の事を言います。

朝三暮四のサル例

有名な例え話があります。
中国春秋時代のこと。
宋の狙公 (そこう) が、
自分が飼っている猿に「トチの実」を与える
のに、
朝に三つと暮れに四つやる!と言うと…
猿が少ないと怒った為に、
朝に四つと暮れに三つやる!と言うと、
たいそう喜んだ
という

1日に換算すれば、
「トチの実が七つ貰える事」は同じ事です。
目先のモノが多くなったと言うことに、
気付いていないのです。

オマキザルに貨幣を与える

米国コネチカット州にあるイェール大学。
その比較認知科学研究所に、
ローリー・サントス准教授がいらっしゃいます。

サントス教授は「オマキザルに貨幣を与える」
と言うユニークな実験経済学
を実施しました。

オマキザル経済実験①

食べ物と交換可能な12個のコインが入った財布を与えた。
結果・人間と同様の行動が見られた。

研究者がある食べ物の値段を変えたら、
猿たちは自分に最も有利な取引を見付けようとした。

オマキザルらは一度にすべてのコインを使い切ってしまい、
貯蓄しようとはしなかった

オマキザル経済実験②

一番目の研究者は【猿に2個のリンゴを見せて】から、
コイン1枚に付き、
一つのリンゴ
しか渡さなかった。

二番目の研究者は【猿に1個のリンゴを見せて】から、
リンゴをコインと交換した。

猿たちは二番目の研究者との取引を強く選好
2個のリンゴを見せられて、
1個しか得られない取引を嫌った
と言います。

猿の方が人間より合理的

結果的に見て一つの解釈は、
人間の経済行動には、
「文化やメタ意識(客観視する能力)」
といった複雑な要因が絡むのですが、
猿の場合は全くありませんでした。

猿の話…
実は人間で言うと、
【ギャンブル依存症】と似ています

ギャンブル依存症

ギャンブル依存症とは、
パチンコやパチスロ始め公営競技やくじのような、
ギャンブル(賭け事)に対して、
過度にのめりこむことです。

そこから自分をコントロールできなくなり…
結果として「家族や周囲の人たち」を傷つけてしまい、
真っ当な社会生活が送れなくなってしまう状態の事です。

朝三暮四と行動経済まとめ

経済学において、
「人間は合理的に行動するもの」
とされて来ました。

しかし!
人間は常に本来非合理的であり、
それを踏まえて経済や制作も考えるべき
だとするのが
行動経済学です。

朝三暮四から見てわかるように…
普段は冷静な人でも、
ある精神状態にスイッチが入れば、
冷静な判断が出来なくなる場合があるのです。

オマキザルの実験ではないですが、
オマキザル的な行動を取り締まって排除ではなく、
人間が知らないうちに「オマキザル的領域」に、
踏み込まないようにするための注意喚起
が必要です。

その理由は…
誰もが幸せになる為の考え方が、
行動経済学
だからなのです。

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