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「根拠のない罪悪感」を抱えていると、スマホが自分イジメのツールになってしまうという悩ましいお話し

今回は「根拠のない罪悪感」についてのお話です。

ある記事で読んだのですが、私たちが受け取っている情報量は、平安時代の人の一生分、江戸時代の人の1年分だそうで、ここ10年だけでも受け取る情報量はなんと530倍にもなっているとのこと。

職場で、家庭で、出先で…… 否が応でもさまざまな情報に触れ生活してる中、もしも「根拠のない罪悪感」を抱えていたとしら、溢れかえる情報をどのように受け止め、どんな現実を体験するのでしょうか?


罪悪感とは?


罪悪感を辞書で引いてみると……

罪をおかした、悪いことをしたと思う気持ち。

デジタル大辞泉

社会的、道徳的に非難されるべきことを犯したという意識ないしは感情。こうした意識・感情がおきると自尊心を失い、罪滅ぼしをしようという気持ちがおきる。自分を無価値なものとみなす傾向のことをもいう。このときの罪悪感は意識的なものであり、社会的道徳を維持していく力にもなっている。精神分析では、神経症的な無意識の罪悪感が注目され、罰を求める要求が仮定される。

日本大百科全書

とあります。

ですので、「根拠のない罪悪感」とは、社会的、道徳的に非難される謂れが何もないにも関わらず、自分は悪いことをした、罪を犯してしまった、自分には罪を償うための罰を与えなければと思い込み、ときに自尊心を傷つけたり、無価値感を強化したりすることで自分イジメをしてしまう気持ちと言えます。

もしもあなたが、

どうしていつも自分で自分の首を絞めるような選択をしてしまうんだろう?

どうして私は真面目に頑張っているのに何も報われないんだろう?

どうして私だけいつも損な目にあるんだろう?

こうしたことで悩みや生きづらさを抱えているのであれば、もしかしたらそれは根拠のない罪悪感を抱え込んでいるせいなのかもしれません。

情報社会がもたらす根拠のない罪悪感


日常生活の中で罪悪感を感じる場面は色々あります。

例えば、自分のミスによって相手に迷惑をかけてしまった。ズルして仕事をサボった。適当な嘘で何かを誤魔化した。など、たとえはっきり自覚していなかったとしても、薄っすらと罪悪感が生じる場面は意外と身近にあるのです。

こうした「薄っすらとした罪悪感」も、心の中に蓄積していくと、いつしか「根拠のない罪悪感」として現実世界にネガティブな影響を与えるようになります。

例えば、私たちの生活に欠かすことのできない便利なツールにスマホがあります。ですが、根拠のない罪悪感を心の中に抱いていると、スマホという手のなかに収まる便利な情報ツールが、逆に「自分を責めるための材料収集ツール」となってしまい、そのせいでストレスを感じたり、しんどくなったり、些細なことで落ち込んでしまうといった悩みを抱えるケースは少なくないのです。

例えばSNSで自分と同世代の人が楽しく家族旅行している写真を見たとき、「自分は家族を旅行に連れっていないな……」と薄っすらと罪悪感を感じ、それをきっかけに自分を責めてしまう。

都知事選の投票率のニュースを見たとき、「自分は投票にも行ってないな……」と薄っすらと罪悪感を感じ、それをきっかけに自分を責めてしまう。

自分の主張を堂々としている人の動画を見たとき、「自分は言いたいことがあっても、こんなふうには主張できるまで努力していないな……」と薄っすらと罪悪感を感じ、それをきっかけに自分を責めてしまう。

一つひとつは些細で気にもとめないような罪悪感や、自分責めなのかもしれませんが、日々、膨大な量の目にする情報、耳にする情報に無分別に罪悪感を感じては「自分を責める材料」に使っていたら、日常的に鬱々とした気分を味わうことになるのも不思議ではありませんね。


こうしたことが起きてしまうのは、心の中に抱えている「根拠のない罪悪感フィルター」を通して体験する情報を受け取っているからと言えます。

「根拠のない罪悪感フィルター」を通してスマホから得た情報は
・自分をイジメる加害者としての材料
・自分にイジメられる被害者としての材料
の両方に利用してしまうのが「根拠のない罪悪感」を抱えているときの特徴と言えます。

根拠のない罪悪感を手放すエクササイズ


とはいえ、そもそもなんの根拠もないのですから、自分には罰を与えなければと思うのも、もう罰は十分に与えたから許してもいいだろうと思うのも、心構え一つでコントロールできます。

そこで、根拠のない罪悪感を手放していくことに役立つシンプルなエクササイズを最後に紹介したいと思います。

何かにつけて「自分が悪い」「自分のせいだ」と考えては、自分イジメを繰り返しているという方は、これから紹介するエクササイズに取り組んでみられるといいかと思います。

ステップ1

「誰に」「何の件で」といったディテールは考えずに、ただただ「ごめんさない」「申し訳ない」と気持ちを込めて心の中で謝る。

※罪悪感を抱えている場合、謝罪の言葉を何度か唱えているうちに、直感的に「あの件であの人には本当にすまないことをした」と相手の顔や場面を思い出すはずです。

※もし、最初から自覚できている相手がいる場合は、ステップ2から始めてみてください。

ステップ2

相手が特定できたら、その相手に対して心の中で真剣に謝罪してみます。その際、相手に許してもらおうという気持ちではなく、とにかく謝りたい、誠意を伝えたいという気持ちで謝罪をしてみましょう。

※もし、謝罪したい相手が自分自身の場合は、自分に対して「幸せにしてあげられなくてごめんね」「勇気がなくてごめんね」「いつも我慢ばかりさせてごめんね」など、許すかどうかは別にして、ただただ誠実に謝罪してみましょう。

ステップ3

自分なりに誠実に謝罪できたと思えたら、最後に相手の幸せを祈ります。
(例)
「あなたの人生に、素晴らしいことが起きますように」
「あなたが心健やかな毎日を送れますように」

※謝罪の相手が自分自身の場合は「私はあなたの幸せを心から祈ってます」など、自分で自分に言ってきかせましょう。


エクササイズは以上です。


このエクササイズを週一回程度のルーティーンとして取り組んでいくと、日々の生活の中で無自覚なまま蓄積されている薄っすらとした根拠のない罪悪感を手放すことに役立ちます。

それと、罪悪感を抱えている時、自分では問題を解決する方法をスマホで検索しているつもりで、逆に落ち込む材料を一生懸命検索しては、余計にしんどくなっていることは少なくありません。

情報を検索する際には、一旦、立ち止まって「情報を検索した後にどうなりたいのか?」といったゴールをはじめに設定し、そのゴールに近づける情報以外は意識的にシャットアウトすることも、根拠のない罪悪感を蓄積することを防いでくれます。

最後までご覧いただきありがとうございます。何か一つでも参考になれば嬉しいです。


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