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自立する歯ブラシ・舌ブラシ、「adelie」の開発話②~フォルムとこだわりのチタン製ハンドル~

「チタン」を使った製品開発 会社の強みを活かせるか

前回の開発話①ではいかに更地の状態から製品開発を行ってきたか、というこれまでの歩みを書かせていただきましたが、地元クリエイターの皆さんの協力もあり、adelieはこのような美しい姿でリリースされることになりました。

製品のコンセプトやデザインはさっぱりでしたが、我々が得意な難削材(取り扱いが難しい素材)の代表格ともいえる「チタン」を加工した製品にしようというのはなんとなくイメージしていました。

航空機にも使われるような素材のチタンですが、そのメリットも世間にもだいぶ広がってきました。簡単にまとめれば「軽い」「錆びに強い」「硬くて丈夫」という点でしょうか。
また「金属アレルギーが出にくい」という体に点も大きな利点の一つです。
逆にデメリットとしては「加工が難しい」ことと「価格が高い」ことがあげられます。
こういった素材の加工にずっと従事してきた我々としては、その強みとノウハウを活かした製品を作ろうと考えていたわけです。

錆びに強く、体に優しいチタンはライフスタイルを変えてくれるのか

検討を繰り返した結果、今回我々は自社開発製品の第1弾として歯ブラシ・舌ブラシを選択しました。理由は明白、「手に持って」「水回り」で使う身近なものを考えた結果です。身の回りのものを一つチタンのものに置き換えたことで気分がすっと変わるような気持ちのいい製品を目指しました。

adelieのプロット。目指すは気持ちのいい生活の1ピースとなる製品です。

歯も空間も美しく。自立する歯ブラシ・舌ブラシ

「自立」はadelieの特に優れているポイントです。
皆さんのご自宅の洗面台はどんな感じでしょうか?
ちなみに私の家はひどいものです;;
歯ブラシ立てに歯ブラシが3本、コップ、石鹸、ドライヤー、櫛、整髪料がごちゃごちゃと広がり、家の中としてはキッチン、子供部屋に次ぐカオスポイントとして存在しています(笑)
さらに気づいた点は歯ブラシ立てが思っていたよりも3倍くらい汚れている点です。(皆さんも是非裏側とかを見てみてください・・・。)
そんな洗面台から歯ブラシ立てを取り除き、adelieに切り替えてみただけで空間は驚くほどすっきりしました。
基本的に動くことのない歯ブラシ立てがなくなっただけで洗面台の清潔感はぐっと良くなることでしょう。

すらっとした歯ブラシがいつもの洗面台をすっきりと見せてくれます。

こだわりのストンとしたソリッドでどこかかわいいフォルム

adelieの立ち姿は空間への「なじみ」を重視しています。
3種類のカラーバリエーションはどれも空間と調和し、洗面台全体を美しく見せるような高級感のある仕上がりを目指しました。
そのまま洗面台に出しておきたくなるような上質なデザインです。
ちなみに「adelie」という名前は、この歯ブラシの自立した姿がどこかペンギンを連想させることからつけられました。そう思うとちょっと歯ブラシがかわいらしく見えてきませんか?

チタンシルバー:チタンの色をそのまま生かしたカラーです。
ブラスゴールド:インテリアへの調和を考え、真鍮のような輝きをイメージしたカラーです。
アイスブルー:ペンギンのいる南極の氷をイメージした清潔感のあるカラーです。

錆びにくいチタン製のハンドル。いつまでも変わらぬ清潔さと美しさを

耐食性が高く錆びに強いチタンは弊社でも手術用の医療精密機器の材料として使う素材です。
清潔さと美しさを保ち続けてくれるこの素材は、水回りで使うオーラルケア製品の素材としては最適だと考えました。
また、このadelieのカラーは色を塗っているわけではなく、陽極酸化という技術を使って色を着けています。そのため、一般の着色料にあるような色落ちや色移りはありません。
手元に届いた時の美しい姿をそのまま残し続けられる製品です。

一日中水にぬれていても、錆びず、色落ちせず、その姿を保ち続けてくれます。


少し長くなってしまいましたが、全体のフォルムデザインと金属加工に携わる我々がこだわったチタン製のハンドル部分に関して書かせていただきました。
デザイナーの皆さんに意見をもらいながら形になっていったこの「adelie」ですが、製品のコンセプトってやっぱり超重要なんだと改めて感じたヨシダ工業の面々でした。

次回は歯ブラシ、舌ブラシで一番重要な交換式のブラシ部分に関するお話を書けたらと思います。
次回もよろしくお願いします。


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