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どんな中国観を持っていますか?

先日、新聞記事で、中国事情に詳しいフリージャーナリストの中島恵さんの中国観に関する記事を拝見した。日本は旧来のステレオタイプな「中国観」から脱却すべきだと指摘する内容のものだ。(2021年8月19日 朝日新聞 文化面)

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2020年12月時点での在留中国人のうち、中国人はおよそ3割、約78万人。「福井県の人口よりやや多い人数だという。近年のITの発達で、中国版ラインとも言われるSNS「微信(ウィーチャット)で、中国人は日本社会で、日本人に頼らなくても生活ができ、日本社会と在日中国人のコミュニティーの分断が進んでいるとの指摘もあった。この意見には私も本当に同感だ。

弊社の中国人スタッフもそうだが、有名大学に進学して日本企業に就職したり、専門職のエリートとして日本の社会で様々に活躍している。訪日中国人観光客の「爆買い」「マナーの悪さ」などマスコミ報道の影響などもあり、日本人は中国人に対してあまりいい印象を持っていないまま、在日中国人コミュニティーともそんなに関わる機会がなく、ステレオタイプな中国観を持ったままになっている。

最近、中国のオンラインスクールで学んでいるのだが、そこで出会う同級生たちの優秀さにはびっくりする。授業でのディスカッションも積極的だが、何より個人的に話をする中、経済状況、ライフスタイル、考え方など、話をしていて特に違和感もなく、むしろ進んだ印象を受けている。特に女性はそういった印象を強く受ける。

ある女性は、大手企業の管理職を家庭の事情で辞めたものの、自分のキャリアへの未練と子育て中心の生活の中で葛藤し、お手伝いさんを雇い、自分の時間を作り、新しいキャリアを模索しようと一生懸命勉強したりしている。

また別の女性は、平日を上海の企業で働き、週末には飛行機で広州の家族のもとに戻り、家族団欒を楽しむという、忙しい生活を送っていたりする。そんな中でも、オンラインスクールで学び、自分のキャリアを追求している。

さらに別の女性は、既に起業を果たし、もう一つのキャリアを目指して、オンラインスクールに通っている。彼女の口から飛び出す、株主とか投資者とかなどの言葉から、彼女がいかに重任を背負っているのかが垣間見られる。アグレッシブな印象がある彼女だが、2つのキャリアの間で揺れているナイーブな一面も見せる。

多分、私がスクールで知り合った人たちは、中国の中でも比較的裕福で、エリートの方の部類に属する方なのだと思うが、人口が14億人もいる中国、日本人は、まだ従来のステレオタイプな先入観で、中国人を一括りに見ているのかもしれない。

反日感情についても、スクールに知り合った中国人の方は皆さんいずれも好意的で、特に嫌なことを経験したことはない。むしろ外国人の私には興味を持って受け入れてくれている感じがするし、年上の私に対して、細やかな配慮も伺える。

国籍は違っても、人はぞれぞれ。コロナ禍においては、どうしても小さな世界で自分の尺度でモノを判断しがちであるが、その間にもどんどん世界は動いている。自分も長い中国とのお付き合いの中で、徐々に自分の固定した中国観が構築されてしまい、それに引きづられてしまっていたのではないかと、記事を見て反省。自分の中の先入観をまずはおいて、その時々に向き合う中国の方とまっさらにお付き合いしていきたいと思った。


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