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【文学部って役に立たない?】自信を無くしているド文系の就活生へ、そして就活で挫折していた7年前の私へ。【長文】

こんな今だから、挫折中の君に伝えたい。

初めてのnoteへの投稿は、どんな内容にしようか悩んでいた。

デザインのこと、音楽のこと、それとも好きな本のことにしようか。

そんな中で、

#いま私にできること

こんなハッシュタグを見つけて、ハッとした。

圧倒的に「敗者」な、私の就職活動

私は大学卒業から転職を2回した。今は、ある企業で社内デザイナー(かっこよく言うと、インハウスデザイナー)、それから通販サイトの運営をやらせてもらっている。

仕事だって、今後どうなっていくのか不安なところはある。だけど、人生の中で一番不安だったのは、間違いなく2013年の春、7年前の春、就活のときだったと思う。

2013年度卒は、リーマンショックと震災のあおりを受けた就職氷河期だった、と言っていいと思う。いわゆる「ゆとり世代」という言葉も流行り、「これだからゆとりは〜」と笑われることも少なくなかった(本当になんだったんだあれは)。

さらに超田舎の超知名度の低い公立大学の文学部文学科という、就活には到底“使えない”進路を選んでしまった(と当時は思っていた)私は、半年以上面接を受け続けた。それでも内定が一社も決まらず、終わりの見えない就職活動に疲れ果てていた。

だからこそ、ハッシュタグを見たとき、今年度の就活生のことが気になった。少し調べてみると、先月から就活自体は解禁されていたようだが、今のご時世では合同説明会は開けない。面接や個別説明会もどうなっているんだろう。私がもし今年度の卒業生だったなら、確実に乗り遅れていたに違いない。

でも、そんな私でもなんとか就職して、やりたかったことを見つけて、そして部署を作るところまでは辿り着いた。

だから、もしあの時の私のような(パッとしない、中途半端な、そして頑固で、就活が上手くいっていない)文学部の人がいれば、ちょっとだけ立ち止まって読んでみてほしい。

ただ、私の周りは一人もいないので、もしかしたら全国で一人もいないかもしれない。想像もできない。それはあまりにさみしいので、過去の自分に向けて書こうと思う。

これは文学部の、文学部による、文学部のためのラブレターだ。

文学部って、けっこう役に立つんだぜ。

まず、この言葉を声を大にして言いたい。

社会人になってわかったのは、世の中、本が読めない人、基本的な文章が書けない人が意外に、いや本当に多いこと。

私が大卒で(なんとか)入ったのは、大手のECモールで和装関係を販売しているネットショップだった。

ネットショップだから、梱包などの発送作業から、買ってくれたお客様へのメールや電話での対応、商品ページの作成など、仕事はいろいろある。

ここで「できる人」と「できない人」が出てきた仕事がある。それはメール・電話と、ページの説明文だ。

書けない人は、本当に書けない。どんな文章にしたらいいのか見当もつかないらしい。商品ページの文章もそう。とにかく、文章を書くということに抵抗を感じる人の多いこと!

フォローすると、文章が苦手な人は、発送業務などの作業系がとても得意だったりする。私は苦手だった。人間って、こうして互いに補い合っているのかもしれない。

ともかく、文学部のあなたは、本が好きで「作者の気持ち」もすぐにピンと来るタイプのはずだ。あんなに勉強しても数学はドベなのに、国語の授業やテストだけは割と楽しく、上から数えた方が早い。

文章が書ける。文章が読める。そんなの当たり前?違う、それはあなたの立派な長所の一つだ。自信を持って欲しい。

気は抜けないけど、力は抜けよ。

就職活動でいちばん憂鬱なのが面接だ。どうして初めて会った人に自分のことを披露しなきゃいけないんだ。推敲できるES(エントリーシート)はまだマシだ。でもぶっつけ本番で、うまいこと返せと。いや、難しいです。

その気持ちを何回味わったかわからないけど、ひとつ言いたいのは、ちょっと力を抜いてみたら、ということ。気は抜いちゃだめ、頭が真っ白になるから。でも、社会人になったらわかったことがある。大学生に求めているのは能力でもない。(たぶん)口の上手さでもない。一緒に働けそうか。その1点だけだ。

なぜか就活の時はわからなかったのだけど、「一緒に働けそう」な人って、よくよく考えると、そんなにハードルは高くない。わからなければ質問して、失敗したら反省することのできるような、素直な人。これに尽きると思う。別に不器用でもかまわない。難しい言い回しができたり、リーダーをしてたり、そんな必要はどこにもないから、その上がりきって疲れている肩の力を抜けよ。

できないことは、恥ずかしくない。

私が最終的に受かったのは、たぶん40数社目だったと思う。通販を選んだ理由は、「直接的な接客は大変そうだけど、電話やネット越しならいけそう」というなんとも消極的なものだったけど、それでも「楽しそうかも」とは思っていたから、たぶんそれが言葉のどこかに滲んで出ていたように思う。あと、12月にスタートした就活も、もう気づけば半袖の時期になっていたから、面接に対して慣れと諦観の両方を持って臨んでいた。

だから、たぶんちょうどいい感じに肩の力が抜けていたんだと思う。いままで「できます」「知ってます」だったのが、「知りませんでした」「入社するまでに勉強しておきます」みたいなニュアンスになっていた。そしたら、その場で「採用だね」と言われた。8ヶ月活動して、最初で最後の出来事だ。

ここまで読める君なら、きっと大丈夫。

ここまで、ちょっと国語が得意だっただけの社会人が書いた文章を読み切った人がいるなら、それはもう「忍耐力」を長所に加えていいレベルだと思う。

だから、決して自分を否定しないで欲しい。あなたは働く資格があるし、お金を貰う資格もある。履歴書やESに書くほどじゃないことほど、ジャブのように活きてくる。ボクシング見ないけど。

あなたがいてくれて良かった、と思う人は、絶対にいる。

あなたは必要とされている。

だから、この歴史的な緊急事態だって、これによって移り変わる世の中だって、ぜんぶぜんぶ飲み込んで、筋肉に変えてしまおう。

今わたしにできる数少ないなかの一つ、あなたへの手紙でした。

これがもし誰かに届けば、嬉しく思います。

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