テーブル

高千穂への始まり~夕食~

高千穂への始まりは、ある場所での夕食、そこでの出逢い。
その時には、まさか、あんな素晴らしい出逢いが待っているとは思いもしなかった。

毎週一回、コンサルとして訪れていたご自宅。
そこでの夕食で一緒になった方と、仕事に対しての姿勢や考え方について盛り上がり、その流れで僕の活動についても話をした小一時間、普通はそこで“であい”は終わりだ。

けれど、それが実は始まりだったと今になればわかる。

翌日、その方から連絡がきた。

「電話で少しお聞きしたいことがあります。また電話できる時間を教えてください」

時間を伝え、連絡が来るのを待ちながら、何を聞かれるのか不安と期待が入り混じったドキドキを味わっていた。
そして、程なくして、緊張を全身に纏った僕の心臓を直接ノックするようにけたたましく電話が鳴った。

その電話で初めて「高千穂」そして「今村さん」という言葉を聞いた。
その高千穂で、自分の経営する古民家旅館に、動けずに苦しんでいるこどもたちを預かり、農作業や旅館の手伝いをしてもらうことで、生きる力を生み出す手伝いが出来ないかを考えている人がいるから、連絡をとってみませんか、という内容だった。

昔の僕だったら、そこでも繋がらなかったと思う。

今の僕は違う。
大きな悲しみを知って、人の優しさの有難さが本気でわかる自分になれた。

だから僕に興味を持ってくれた上で、その方の大事な方と引き合わせてもいい、と思ってもらえたこと。まずはこれに全力でまっすぐ応える自分でありたいと強く思った。だって、すごいことだ!夕食の間のわずかな時間しか話してない、始めて会ったどんな人間かもよくわからない僕に、そんなきっかけを投げかけてくれるなんて。

連絡先を教えていただいた後のメールでこう伝えてもらった。

「お金や地位や自分のポジショニングではないところに、自分の存在価値を見出す人と一緒に何かするのはとてもワクワクします♬」

なんて僕は人に恵まれているんだろう、と思う。

僕は、今人生のなかで間違いなく、お金もなく、地位もない、今まで築いてきた「吉田祥吾」も“栄枯盛衰”を実感する現在。どれもマイナス要因と捉えれば完全なマイナス要因だ。

それなのに、それが僕を新たな世界へ連れ出してくれるきっかけをくれている。

ひとりで行動出来なかったし、特に行動しないでも問題なかった、ひたすらに守られていた過去の自分。それが永遠に続くと思って謙虚さなんて微塵もなく、わけのわからない傲慢さを持て余して生きていた。
そこまで書くと、過去の自分が少し可哀想になるけれど、そこから離れてみると、それがわかるから、仕方ないね。うん、どうしようもない(笑)

おっと、話が逸れちゃった。

戻します。

それから、すぐ「今村さん」へ連絡をした。
まずは高千穂へ遊びにいきます、と。

ひとりで行動しない僕は、今だに心に居て、今の僕をどこか客観的に見ていたりもする。
「へーひとりで行くんだ。寂しくないの?誰か連れていかないでいいの?っていうか、本当にひとりで大丈夫なん?」

たぶん。

たぶん、大丈夫♪

今は大丈夫。

僕はもう進むしかないから。
進む、を選んでいける人生に連れてきてもらったから。

感謝だ。
僕と家族で居てくれた人のお蔭だ。
全部くれたのは、あの人。
そして、今も信頼して、支え続けてくれる人達のお蔭だ。
感謝出来るのは、その人達のお蔭だ。

進む、を選べた僕は、その後、連絡が上手くとれない状況に焦ることなく、タイミングを待って、心の声に従って、運命の3月7日、高千穂へ向かって進んだのでした。

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