忘れる頃

 数年の月日を経た頃、彼の事はきっと皆の記憶から消えているのだろう。少なくとも、記憶に鮮明と残る一頭、ではないことは確か。それもそのはず、GⅠ勝利はない上、それどころか、3歳以降の勝利もない。主な勝ち鞍、京王杯2歳。今日はそんな一頭について紹介する。初めて僕の惚れた馬、ファンタジスト。







 申し訳ない。まだ書けない。まだ彼について、競走馬としての馬生を終えた馬として何か書ける段階ではないみたいだ。なら何も残さなきゃいい?そうじゃない。今は、未だ書けないということを、遺しておく必要がある。今は未だ、書けない。この続きは、またいつか、彼はもういない、という事実を受け入れ、乗り越えられた時に。

 









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