嬉しかった、ウインピクシスの圧勝!

 POGが始まってから、一か月。ここまで、本当に長かった。途轍もなく、長く感じた。指名会議で指名したかった15頭全頭指名でき、100点満点の会議だった。昨年のPOGでは、1勝が中々出来ず、初勝利が9月だった。その勝てなかった期間が、精神的キツかった。だから今年は、デビュー日の決まっていたオルテンシアとサトノアヴァロンを指名した。オルテンシアが6月6日(日)の中京で、サトノアヴァロンが6月20日(日)の阪神でデビューする筈だった。然し、オルテンシアも、サトノアヴァロンも、放牧に出てしまい情報もなかった。16日にやっと、サトノアヴァロンは腰の違和感で放牧に出たことが判明したが、オルテンシアは未だに情報がない。結局、今年のPOGの初出走は、マイシンフォニーになったが、結果は上がり最速も4着。僕以外の他3人のメンバー全員、6月中に初勝利を飾った。僕だけが一人取り残される形となり、そして、ウインピクシスの後にはレースの決まっている馬はおらず、内心、迚も焦っていた。また、初勝利は9月になるのではないか。また、今年も負けてしまうのか。僕は呪われているのでは、なかろうか、と。だから、どうしても、何が何でも、ウインピクシスには勝って欲しかった。母系こそ新馬戦向きだが、父はステイゴールド系のゴールドシップ。ウインピクシスの調教はかなり良かったが、とはいえ、使って良くなるステイゴールド系。半信半疑だった。せめて、最低でも、次走に期待が持てるレースを、と少しは思っていたが、正直、勝ってくれなかったら、無茶苦茶落ち込んでいたと思う。初勝利が、遠い。一体いつ勝てるんだろう、と。
 ファンファーレが鳴り、各馬がゲートに収まっていく。最後の馬が、入る。ゲートが、開いた。ウインピクシスは、好スタートを決めると、宣言通り逃げようとするが、主張する馬が内に一頭いた。掛からないでくれ、というのが、正直な気持ちだった。ウインピクシスは、掛からなかった。しっかりと、折り合った。1000mの通過が、1分4秒台で、ドスロー。スローの切れ味勝負は、分が悪いゴールドシップ産駒も多い。だから、キレるのか?と、心配になった。3コーナーや4コーナーで、手応えがなくなり、ずるずると下がっていくことも弱い馬ならある。然し、ウインピクシスは、そこで垂れることなく2番手で直線へ。直線に入ると、先頭に立ち、残り200mを切ると後続と一気に差をつけた。然し、未だ心配だった。新馬戦には、後のGⅠ馬が混ざっている場合がある。だから、「残り100m」の実況の声を聴き乍ら、後ろから飛んで来る馬がいないか、心配だった。然し、ウインピクシスは、後続と差が詰まるどころか、結局、持ったままで、差を保ったままゴール。強かった。ホッとした。嬉しさが、爆発した。ゴールの瞬間、重賞馬になれることを、確信した。僕には、完全にオークスのスタートラインが見えた。この馬を指名して、本当に良かった。ピクシスなら、必ず、重賞を。そして、GⅠへ。夢は大きく膨らんだ。
 次走は、8/29(日)の新潟2歳ステークスと発表された。直線が長く、切れ味勝負がこの馬に合うかは、正直疑問だ。然し、ステイゴールド系の成長力とこの馬のポテンシャルなら、必ず良い結果を残してくれると、信じている。僕はこの馬と、夢を見る。先ずは、重賞を。そして、GⅠへ。夢への扉は、開かれた。

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