選択的夫婦別姓への反論へ(その2)

選択的夫婦別姓への反論へ(その2)

青野慶久@サイボウズ

前回のエントリーへの反響が大きく、様々な方から新たな反論をいただきました。また、一つずつ拾っていきたいと思います。


「別姓の夫婦に生まれた子供が、両親が同姓であることを望んだらどうするんだ?」

家族で話し合って決めたらよろしいんじゃないでしょうか。引越しから家族旅行の行き先まで、家族で話し合うことはたくさんあります。率直に話し合える家族は素敵ですね。

今は、逆に「同姓の夫婦に生まれた子供が、両親が別姓であることを望む」ことがあっても、別姓を選ぶことができません。同姓にされて苦しむ両親を見て、心を痛める子供の気持ちを察すると泣けてきます。早く選択できるようにしましょう。


「夫婦同姓は日本の伝統。伝統を守っていかなければならない」

じゃあ、お前、明日からチョンマゲな。 

人間は、すべての伝統を残すわけではありません。もし、服装・食物・住居などを江戸時代に戻されたら困りますよね。私たちは、自分が好む伝統だけを引き継ぎます。今回の提案は選択式夫婦別姓。同姓の伝統を守るもよし、別姓にして新たな伝統を作るもよし。


「やり方が横柄だ」

すみません。選択的夫婦別姓の問題は、何十年も放置されてきたと認識しています。日本は民主主義で法治国家。議論や司法の手段を使い、徹底的に解決を目指す所存です。


「事実婚で何が悪いかわからない」

事実婚はいろいろ不利です。例えば、パートナーの遺産を相続するときに、事実婚だと相続税を取られてしまうそうです。さらに、パートナーの不倫が原因で離婚しても、慰謝料を請求できないそうです。「俺と事実婚をしないか?」なんて誘われたら、疑ってみる方がいいかもしれませんね。
(追記: 事実婚でも慰謝料は請求できるそうです! 他には、離婚時の財産分与に贈与税がかかったり、海外旅行保険の家族セットに入れなかったりするそうです。)


「自分の姓を捨てたいから夫婦別姓には反対」

「選択的」夫婦別姓です。捨てるもよし、残すもよし。


「旧姓の利用範囲を広げればいいだろ」

いいですね。戸籍謄本なんか使わなくても、旧姓のまま職場で働けて、旧姓のまま銀行や証券の口座を使い、各種の契約を行い、様々な資格や免許を旧姓で取得・更新し、パスポートだろうが、マイナンバーカードだろうが、健康保険だろうが、住民票だろうが、論文だろうが、教員だろうが、そして海外に行っても旧姓のまま不自由なく活動できるようにしていただければ、何も言うことはございません。もちろん、戸籍法で旧姓の利用を公式化した方が低コストで済むと思いますが。


「郵便が混乱する」

混乱しません。同じ家に名字が違う人が住んでるのはよくあるケース。むしろ、旧姓を通称として使う方が混乱します。私の周りの人たちは、「青野さんの飛行機を予約するときは、どっちの名前で取るんだっけ?(青野で予約するとマイレージが付かず、国際便だと乗れないリスクも)」とか、「青野さんに年賀状を出すときは、どっちの名前で出せばいいんだろう?(どちらで出しても届きますが、一度宅配便を持ち帰られたことが)」とか、日々、混乱しています。私のことは一生、青野慶久で固定した方が、周りの人たちははるかに楽ですね。


「スウェーデンは別姓を認めて失敗した。轍を踏んではいけない」

日本とスウェーデンと比較すると、出生率・一人当たりGDP・幸福度ランキング・子供の幸福度ランキング・男女平等ランキング、そして政府への信頼度でも日本が下です。日本の失敗の轍を踏まないようにしているのかもしれませんね。


ルールの変更は、現在の問題を解決するとともに、新たな問題を生むでしょう。それを解決するために次の変更をする。社会の進歩は変更の連続です。

先人が変更に変更を重ねて作ってきたこの社会を進歩させるのが、今の時代を生きる私たちの使命だと考えております。


引き続き反論をお待ちしております。 →その1へ →その3へ →訴訟で実現したいこと


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青野慶久@サイボウズ
サイボウズの社長。3児の父。著書「チームのことだけ、考えた。」「会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない」