【カナダ】ネットで拾ったニュースの”屑籠” その4
決してメインのニュースにはならないけれど、なんか人間くさい、ホッコリっていうんですか、心惹かれる話、面白い話題ってカナダにもあるんです。そんなトピックを折に触れて紹介していくコーナーです。
■窃盗未遂の男、積み上げた雪に逃走車が突っ込みお縄頂戴
「ニュースの屑籠(その2)」で玄関先に配達された小荷物を盗んでいく輩に”復讐“してやった女性の話を紹介しましたが、1月4日の真っ昼間に玄関先に配達された小荷物を盗もうとして未遂に終わった男のニュースが流れました。このニュースの面白いところといっては何ですが、この男の犯行の一部始終が全部、ビデオで撮影されていて、しかもこのビデオがソーシャルメディアで全世界に流れてしまったのです。
なぜこの被害に遭った(というか遭おうとした)家の主と思われる男性が、小荷物を盗もうとした男が玄関先に近づき、小荷物をかっさらおうとした瞬間にパッと玄関を開け、同時にビデオ撮影を開始し、男に向かって「もうお前はおしまいだ!」みたいなことを叫んだのか。その理由はよくわかりません。何度も被害に遭っていて「今度こそとっ捕まえてやろう」とおとりの箱を玄関先に置いておいて待ち構えていたのでしょうか。。。。
盗もうとした若い男もいきなりドアが開いて、主(あるじ)みたいな男性がスマホかなんかを構えて飛び出してきたので腰を抜かすほど驚いたに違いありません。「ソリ―」とか言って逃げ出したそうです。
実はビデオが“面白い”のはここからで、慌てた男は家の前にとめておいた小型乗用車に飛び込んでギアをリバースに入れて急発進しようとしたのです。ところがその家の玄関前のドライブウエーの両側には雪掻きしたあとの雪が30センチぐらいの高さで積もっていて、男の車はその雪の山の中でエンコしてしまい、いくらエンジンを吹かしても前後に少し揺れるだけで出られません。
男は車から飛び出してきて両手を使って必死に後輪の周囲の雪を掻いて再び運転席に飛び乗りエンジンを吹かしますが、まだ雪の塊から脱出できません。家の主が「シャベルを貸してやろうか」とか「その車は前輪駆動だから前のタイヤの周りの雪を掻かなきゃ出られないよ」などとふざけてアドバイスします。
男はアドバイスに従って懸命に前輪部分の雪を両手で掻いてまた運転席に飛び込み、脱出しようとしてできず、モタモタしているうちに複数のポリスカーが現場に到着、5~6人の警官に取り囲まれ、男は警官たちに荒っぽく車から引きずり出され、たちまち後ろ手錠をかけられてしまいました。
トロント市の西郊にあるミシサウガ市という所の住宅街で新春早々起きた出来事でした。一見、悪者のようには見えない若い男がこの窃盗未遂行為で脱兎のごとく逃げ、必死になって手で雪掻きして車で脱走しようとしてあえなく捕まってしまう一部始終がビデオ画像で全世界に流れてしまう。もしかしたらそれが彼の人生の一大汚点になってしまうかもしれない。と思うとちょっとかわいそうな気持ちにもなってしまいました。
■マスク着用拒否の泥酔客乗せたタクシー運転手、警察に直行
2020年の大晦日の夜にカナダ西部のブリティッシュコロンビア州の州都ビクトリアで起きたニュースです。相当酔っぱらった男性客を乗せたタクシー運転手が、マスクを付けていないその客に「Covid-19 の防疫対策のためすべてのお客さんにマスクを着用するようにお願いすることになっています」と最初は丁寧に促したようなんです。
しかし、その酔っ払い男性、喧嘩腰の態度で運転手の警告に耳を貸さないばかりか、まるで運転手をからかうようにして故意に運転手の顔に手で触れたりしたんだそうです。再三、マスクを付けるようにお願いしたけれども拒否し続ける客に業を煮やした運転手は、客の言った行先を無視してタクシーで警察に直行しました。警察官に経緯を説明し、警察官が客に向かって「タクシーから降りなさい」と命じましたが、男は降りようとしなかったために警察官に強制的に降ろされ逮捕される羽目となってしまいました。
結局、酔っ払い男性は計3件のCovid-19関連法違反のチケットを渡され、計690ドル(約5万4000円)の罰金を科せられたそうです。酒に酔って理性を失うと、このようなレッスン代を払わされることにもなりかねないという一例でした。
それと、この男性、よっぽど泥酔していたみたいで「酔いが覚めるまで警察署の留置場にいなさい」とも命じられ留置場に一泊したそうです。
■6回も迷惑911コールかけた女性、逮捕される
前回の「ニュースの屑籠(その3)」で2020年度お笑い911コール特集というのをやりましたが、その続編ともいうべきトピックが同年の大晦日、カナダ東部ノバスコシア州キングス郡ケンブリッジという町で起こりました。
911コールというのは、日本の110番、119番通話と同じで警察関連、消防関連などの緊急事態用の特別な番号です。46歳の女性が「どうでもいいようなくだらない用件」で2回、911コールをかけたという案件でノバスコシア州の連邦警察(RCMP)から違反チケットを渡されました。チケットを渡された時、「また同じようなことで911に電話をかけたらさらにチケットが増え、罰金額が増えることを忘れないように」と警告されたにもかかわらず、この女性はさらに911コールを繰り返したというのです。
報道によるとこの女性はしたたかに酔っぱらっていたそうですが、ついに6回目の迷惑コールをした時に連邦警察も堪忍袋の緒が切れたと見え、ポリスカーが彼女の自宅に急行、女性を逮捕したそうです。例年、大晦日から元日にかけては911コールが一番多くかかってくる可能性が高いというのに、彼女の電話のような緊急性の全くない無駄話に時間を割いているヒマはないということでしょう。
その後、女性がどうなったか何も知らされていませんが、前述のビクトリアのタクシーの酔っ払い男性客と同様に酔いが覚めるまで留置場に入れられた可能性は高いと想像します。その上、彼女は少なくとも約700ドル(約5万4600円)の罰金刑を科せられたようだと伝えられています。
好き勝手にやっていますので、金銭的、経済的サポートは辞退させていただきます。ただ、スキ、コメントは大歓迎させていただきますので、よろしかったらお願いいたします。望外の喜びです!