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「ヨッシー・フォト随想」フィッシングに関する考え方がすっかり転換した体験

子供のころ、親父に連れられて多摩川の上流の方にヤマベ釣りのお供をしたり、東京湾・東雲(しののめ)方面のハゼ釣りのお供をした経験が、後年、カナダのトロント周辺に住むようになってからのフィッシング行脚再開の火種になっていたのは確かだ。

トロント周辺で日本人の釣友と巡り合えたことも嬉しかった。30年余前にモントリオールからトロントに引っ越しをして間もなく、Mさんという寡黙なタイプの初老の男性と知り合い、お互いに釣りという趣味があるということで意気投合した。

ある夏の日、2人で初めて、車で東に1時間半ほど行った湖で、エンジン付きのボートを借りて釣りをした。そこで私は今まで釣ったこともないサイズの大きなウオールアイという魚を釣り上げたのだ。重さが6ポンド9オンス。私がなぜこの数字を忘れないかと言うと、これはちょうど私たちの息子、ダニエルが生まれた時の体重とぴったり同じだからだ。(6.9ポンドをキログラムに換算すると約3.13キロになるみたい)

この経験が私をフィッシングの魅力溢れる世界へと引きずり込んだのは間違いない。

その後、Mさんとは近場の陸釣りを共に楽しんだり、たまに車で遠征したりもした。このMさんも昨年、日本に帰国し、今は九州、長崎県の海辺に近い町に住み、長年、待望していた海釣りを楽しんでいる。

私は単独でオンタリオ湖湖畔のダフィン・クリーク河口付近(エージャックス市)まで車で行き、陸釣りを週1回ぐらい、冬以外の季節にやっていた。


ダフィン・クリークがオンタリオ湖に流れ込む河口付近。

私はここで「幻のモンスターフィッシュ」と遭遇した体験はあるが、大方は20~25センチぐらいのキャットフィッシュ(ナマズ)ばかりという釣果であった。


ダフィン・クリーク河口付近でお馴染みのキャットフィッシュ(ナマズ)

陸釣りの限界というか、どうして、こういつまでもキャットフィッシュばかり釣っていていいのかという懊悩と、今まで無料で駐車できていたこの釣り場に近い駐車場が急に有料になったりしたのと、傘寿を過ぎて1時間弱のドライブが少々億劫になってきたりしたのが重なって、最近、急にフィッシング・フィーバーが冷え込み始めた。

そんな私の目に飛び込んできたのが、FBで見た日系カナダ人、タロー・ムラタさんの写真記事だ。彼はプロのフィッシング・ガイドで自分のボートでフィッシング・ツアーも扱っている。

今まで考えてみたこともなかったが、今の私を捉えているマンネリ感を打破するには、多少、金はかかっても思い切って、目の覚めるようなフィッシング体験を味わってみるべきだと思ったのだ。

幸い、タローさんは、私たちの息子の高校時代の友人でもあり、早速、連絡を取り合って先月(6月)の10日、私はタローさんとトロントから北東に約1時間半ドライブの湖に赴いた。


タローさんのトラックとボート

曇り空で風があり、波がやや荒かったが、タローさんは早速、ボートを湖の中心近くに移動させ、彼の指導の下、フィッシングを始めた。開始直後、すごい大物を私が釣り上げた。


ノーザンパイク(カワカマス)の大物! ボートに上げる時は重さと魚が暴れるので苦労した。

そのすぐ後で、ウオールアイの超大物を私が釣り上げた。もうこのころは興奮のるつぼというか、無我夢中の心境だった。


タローさんが持ってはいるが、釣り上げたのは私である。超大物のウオールアイ。

そして、この時の体験で「超大物釣りの魅力にハマった」私は、7月18日、日本人釣友、Sさんを誘って再びタローさんのボートに乗り込んだ。

たまたま同じ湖に行ったが、サイズ的には初回の時のような大物はキャッチできなかったが、代わりに、ものすごいファイトで有名なスモールマウスバス(ヘッダー写真)をSさんも私もかなりの数、釣り上げた。


7月18日のノーザンパイク(カワカマス)。6月のものよりかなりサイズダウン。

この2回のタローさんとの釣行を経験して、私は「こういうフィッシングの醍醐味を味わう世界もあるのだ」ということを得心した。

正直なところ、夫婦とも元気ならば来年、金婚式を迎える私であれば、人生の「終活」というものに取り組んでいい時期である。「思い出創り」の一端として、この多少、贅沢な楽しみも許されるのではないだろうか。

好き勝手にやっていますので、金銭的、経済的サポートは辞退させていただきます。ただ、スキ、コメントは大歓迎させていただきますので、よろしかったらお願いいたします。望外の喜びです!