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動画編集者がアフターエフェクトを学べば単価アップするのか?

最近、ツイッターでYoutubeなどの動画編集の単価がとても低くいので、
高単価のアフターエフェクト(以下、Ae)を学ぼう的な発言を目にします。

言ってることは分かるけど、ちょっと違うんだよな〜とモヤモヤした感情を抱きました。Aeを学んでどんな案件を取るのかによりますが、モーショングラフィックスで表現できれば、制作できる幅が広がるので単価が高くなるのも頷けます。

私は2020年4月からAeを学び、現在は企業様案件を制作しています。そこで、動画編集者がAeを学べば単価アップになるのかを考えてみました。

単価に差があるし制作物が大きく違う

主張自体は間違ってなくて、Youtubeの動画編集は10分動画は3,000円〜5,000円/本程度が多く、良い条件でも1本10,000円程度かなと思います。

Ae案件は1本30秒程度ですが、数万円。
仮に50,000円としましょう。

1本   5,000円(10分)
1本 50,000円(30秒)

これだけ見れば、Ae案件は高額だと言えます。
次に実際の作業フローをお見せします。

Ae案件は高報酬だが、時給換算すると・・・

これはインタビュー動画にモーショングラフィックスを付けたお仕事のワークフローです。

・代理店様とお打ち合わせ(オンライン)
・クライアントのHPやSNSの下調べ
・リファレンス探し
・デザインのアイディア出し
・絵コンテ2-3本制作
・クライアントにて絵コンテの確認
・B案で決定
・B案ベースで作りこみ
・納品
・修正 (場合によって複数回やりとりあり)
・完成

初回の打ち合わせから、納品完了まで1ヶ月程度かかります。
作業時間は詳細には覚えていませんが、不慣れなこともあり30時間はかかったと思います。

最初は慣れないこともあり、時間がかかるのも仕方ありませんが、簡単に計算すると時給はこのくらいになります。

報酬 50,000円/本
時間 30時間
時給 1,666円

なぜ時間がかかるのか?

私はリファレンス探しに多くの時間を費やします。多くのリファレンスを見て良さそうなデザインや動きを参考に、ラフ案を作っていくイメージでしょうか。

これをせず自分の感性や直感でデザインを作るとなると、莫大な時間がかかります。ベテランのデザイナーならこれまで積み上げてきた経験からできますが、初心者の方は絶対に無理だと感じるのと、自分で作ったデザインは素人感満載なので、デザインとしてはクオリティは低くなると思います。

大切なのはデザイン

Ae案件で一番重要なのは「デザイン」です。
案件にもよりますが、派手な動き、トランジションは不要です。
それより見やすいデザインで伝えたいことを訴求できているかが大切。

未経験者がデザインをイチから作り、見栄え良くするのってとても大変ですね。デザインのアイディアというか引き出しが無いので、リファレンス探しに時間がかかる理由がこれです。

動きは最低限で大丈夫。
派手なエフェクトやトランジションは不要。大切なのはデザイン。

「時短」や「効率化」という考え方

初心者がAe案件を取ったら時短のために◯◯したり、
効率化を考えると●●するべき
という主張も良く見ます。

否定しませんが、時短や効率化は全て自分のために考えていて、
代理店様やクライアント様のことを全く考えていません。

自分で制作できる力量が付くまでは、時短や効率化は不要だと思います。

まとめ

報酬単価としてはAe案件の方が好条件が多い。
しかし時給計算すると、見方が変わる。

Ae案件はデザイン案を構築し、複数のアイディアを形にして提案することを必要とする。また初回打ち合わせから納品まで1ヶ月程度かかる。

技術も必要ですが、デザイン知識も必要で、リファレンス検索やクライアントのSNS調査など、準備にそれなりに時間がかかります。

以上、動画編集者がアフターエフェクトを学べば、単価アップするのかを考えてみました。参考になれば幸いです。


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