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レントゲンを撮影することで、診断クオリティが下がっている?(2)

前回の続き
ロールプレイにおける問題点

③レントゲンの結果が説明されていない

最も重要なポイントです。
経験豊かな担当医は「問題ない」の一言で済ませてしまいました。
確かに、結果は異常なかったのでしょう。しかし、あなたは
・なぜレントゲンを撮影したか(目的)
・どういった所見を元に異常なしと判断したか(根拠)
・どんな所見があると異常なのか(判断)
といった情報が何も得られていません。
ほんの少量とは言え放射線被曝を起こし、お金を払って受けた検査です。なんの説明もないということこそが「異常」です。

この場合、レントゲンを撮影したからこそ、必要な診察のステップが大幅に削減されたと考えることも出来ます。
これは決して極端な考えではありません。
もしレントゲンのない施設で診察する場合、主治医はあなたとの会話から診断の糸口を見出し、丹念に触診することで有効な診察所見を発見しようとするはずだからです。

私はレントゲンが全く不要な検査だとは思いません。然るべき状況では、非常に有用な検査であると感じています。
ただ、思考停止で習慣的に撮影しているケースがあまりに多く見られ、結果として診療クオリティを下げているようか気がしてならないのです。

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