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古いリールの面白さを知ってしまった話。自分だけのカーディナル33

 最新の道具は素晴らしい。では古い道具はどう?

 古いリールの中でも手に入れやすく、タマ数のあるカーディナル33 復刻版。ラインがプリン巻きになったり、とにかく微妙な性能のリールなんですけど、見た目は良い。きっと釣りをしたことのない若者や女の子でも、カワイイとかお洒落だな言ってくれるんじゃないかと思う。

 しかしながら、使い勝手としては本当に微妙だった。はっきり言って悪い。現代基準からするとポンコツだと思う。初めて使った時に釣り場で「いやー、よく使う気になりますねー、私も買ってみたけど無理でしたよ。」
と言っている人がいた。正直言って無理もない話だ。手にした時には、ハンドルを何回か回さないとベールが戻らなかったし、セッティングが出来てなかった。カリカリ音のみならず、カリカリ感が凄すぎて巻いてることがわからなかった。魚が掛かるまではカリカリさせず、アンチアンチリバースでスルスルと巻いて、魚が掛かったらアンチリバースさせるという試みで何とか使っていた。

 ちょっと部品外して、仕組みを考えて。少しずつ少しずつ仕組みの理解を深めて使ってみる。一年使ってみて、その後休んで、ここのところ復活。オールド縛りで管理釣り場を楽しもうと決めた。

 そして今回、ちょっとバラして掃除しようかなーから始まり全バラししてみた。さらに愛着が高まるイベントだ。

 これが、部品点数が少なくて本当に簡単な作りなのです。専用の工具は必要ですが。

バラバラ!

 そして、このギアをバフ掛けして、スルスルと軽い巻き心地になった。仕組みの中で擦れる部分が多いのだと思う。無駄な擦れを無くすチューン。シャフトなど全ての接触部分を綺麗に磨いて、抵抗をなくす。


 そして全部脱脂して、洗浄して、脱脂して削った鉄粉を取り除き、新たにグリスアップ、オイルアップ。単純だけに手を加えるとレスポンスも良い気がします。かなりスムーズになってしまいました。

 これはね、やっちゃうともう可愛くて仕方がありません。一層カーディナル33が好きになりました。

 ドラグワッシャーもiOSのものに変えまして、性能としても良くなりました。ただ、ドラググリスはうっかり間違ってベイト用を買ってしまった…

ベイト用らしい。

 まぁ、ドラグワッシャー自体が小さいし、大丈夫だろうと思う。そもそも現代のリールとは違うつくりだから大丈夫でしょと。あとは純正のドラグの性能の低さに、これなら何やったって大丈夫だと変な自信が出てくる。
この辺はバフ掛けにも通じます。

まぁ、買った時より悪くはならんなと。

ついでにiOSクイックキャスト。これも純正部品を削って作ってるはずなんじゃないかと…

上がカーディナル44、下が33。ベールの開き方が違う。
この樹脂部品を毛描きラインで削ると…
上がカーディナル33、下が44。開きが一緒になりました!


まぁこんな感じでどんどんいじって変えていけるのは面白いのです。

 カーディナル33は古いけど、私のは新しい復刻版です。情報も部品もたくさんある。リール自体に穴が多いし、それを変える情報もたくさんある。つまり伸びしろがあると思う。そりゃ性能は現代のリールとは比べられないけれど、味はある。古いといっても何十年。釣り具は進歩したけど、魚は進化していない。たぶん昔の魚の方が大きかったんじゃないのかな?だからきっと、古いリールでも十分だと思う。

最新の道具は素晴らしい。では古い道具はどう?

試行錯誤を楽しめる古い道具は遠回りができると思う。遠回りすれば、より長く過程を楽しめる。目的地に着くのが遅くなっても、ゆっくり景色を楽しめると思うんだよね。

古いリールの面白さを知ってしまった話…

楽しもう!


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