創作男女成人向けの練習小説

 午後10時半、お酒を飲み交わして睦言を交わすと決めている時間、私たち二人は横に座って、晩酌しながらリラックスする。

「今日もお疲れ様、お酒注ぐね」

 そう言い、御猪口に私お気に入りの日本酒を継ぐ彼は、椿木俊流という。私の婚約者だ。

「ささ、飲んで」
「うん。ありがと」

 私は前のローデスクに置かれた御猪口を両手で取り、少しずつ飲む。フルーティーな匂いと、香りの高い味で口の中が満たされる。その中にもしっかりアルコールの要素が残り、美味しい。もっと、飲みたい。

「いいよ、好きなだけ……でも明日に持ち越さないようにね」
「分かった……」

 注がれて、飲み、注がれて、飲み……、五回繰り返して、ひと段落ついた。

「そろそろさ、椿木くんも飲みたいでしょ?」
「そだね。持ってきてくれる?」
「もちろん」

 冷蔵庫から彼の好きな日本酒を取り出し、前の机に置く。

「御猪口、忘れてない?」

 その言葉に、私はニヤリとする。

「今日は試しにさ、一緒の御猪口で飲まない」
「いいね!」

 椿木くんの目がきらりと光った。早く注いでと言う目だ。
 間接キス。この単語にときめくのは十代の頃と全く変わっていない。

「……どうぞ」
「ありがとう!」

 彼は笑顔で御猪口を口につけた。そうして、じっくりと味わいながら飲んでいった。

「もう四杯欲しいかな」
「私と同じだけってことね」

 さっきと関係が逆転して、私が注ぎ、飲まれて、注ぎ……を繰り返す。そして後の五杯目を飲む前、椿木くんは私の方に寄り、右手で肩を抱き寄せてきた。

「んっ……」
「ちょっと、いいかな」

 顔同士が近くなる。椿木くんはその間に御猪口を持ってきて、半分ほど口に含んむと、そのまま唇を近づけてきた。
 ……いわゆる、口移しキスをしようとしているらしい。喜んで受け入れた。

「んむぁっ……」

 唇が接触すると、舌で抑えられていたお酒が彼から飛び出し、こちらの中へ押し寄せる。私が好むものとは違う、渋く濃厚なお米の味が口内いっぱいに広がる。まったく、悪くはなかった。
 むしろ、興奮してしまう。もうお酒は胃に入り、ディープ・キスに移行している。

「はぁっ!」
「ふぅ……!」

心ゆくまで楽しんで、ようやく唇を離すと、分泌された唾液のブリッジが二人を繋ぐ。

「ベッド、行こうか」
「うんっ……」

 〇

あとがき
願望込みの趣味で書きました。女性に生まれて上記のような体験をしたかったです。とはいっても僕は同性愛者ではなく異性愛者なので、女の子と恋愛したいし、もちろん抱いていいなら抱きたいんですけどね。大学生になったらこういう文をpixivfanboxとかDLsiteで公開したり売ったりしてお小遣いを稼ぎたいですね。その練習です。

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