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雑談の小径005

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思い出す音楽

近頃の昭和レトロブームで古い映像や流行ったグッズなどがテレビで流されるので、何となく子供の頃をよく思い出すようになってるんだが、なんなの? もうすぐ死ぬの? 年取っただけなの?w

音楽でイメージを定着させるのはメディアの定番で、このテーマ曲やフレーズを聞けばあの番組やあの商品を思い出すという、人間の心理をうまく活用することで視聴率や売り上げを伸ばしてきた。
子供の頃に見て今でも覚えているもの、今も使われているもの、ちょっと思い出すだけでも、連想ゲームのテーマ、クイズダービーのテーマ、大江戸捜査網のテーマ、すばらしき世界旅行のテーマ、8時だよ全員集合のテーマ、きょうの料理のテーマ、
ハウスバーモンドカレー、命の母ホワイト、明治カール、トーハトキャラメルコーン、ロート製薬、ナショナルなどなど、あーはいはいあれね、って反応する人も多いと思う。覚えやすいメロディ、特徴的なリズム、ほんとそういうの考え出す人って凄いよね。まあ、ずっと聞いてりゃ覚えるってのもあるか。

歌好きな長野県民の資質でもあるんだろうか、音やフレーズ、リズムのあるキャッチコピーなんかも本当によく覚えているなーと自分で思う、マッチのマーチがあなたの街にマッチする、とかねw
そんな私が、子供の頃唯一嫌いだったCMがあった。ただし、皆さんを共感させることはできない、なぜならローカルCMだからw

昔、ローカルCMは動かないものが多かった。今も長野駅前にある東急百貨店、当時セール情報やイベントの一覧がアナウンスと共に表示されるCMがあって、バックにはゆったりとしたインストが流されていた。
タイトルも知らないその曲が何故か私に不安を覚えさせ、CMが始まるやいなや耳を塞ぎ、あー!と声を出して聞こえないようにし、冬なら炬燵の中に頭を突っ込みまでしてその曲を聞かないようにした。そんなに頻繁に流れるCMではなかったが、突然の爆弾のように投下されるそれに反応するスピードは異常だった。

いつから怖かったかも覚えてないし、いつまで怖かったのかもわからない。大嫌いで聞かないようにしていたにも関わらずそのメロディはやっぱりきっちりと覚えていて、大人になってから調べてみると、それはアルバート・ハモンドのカリフォルニアの青い空(Albert Hammond : It Never Rains in Southern California)だった。もちろん今は怖くないし、なぜ怖かったのかも全然わからないほど有名かつ普通の曲だ。そして、歌声が入っているわけでもない、その辺のカフェで流しているような邪魔にならないインストだ。でも、そんな曲でも当時の私を簡単に打ちのめしたのだ。なにがあったんだよ、当時の私w

音によって当時の感覚に引き戻される、そんな思い出し方もまた年を取りゆく人間の特権なんだろうか? なんてことを思いながらもうすぐ誕生日を迎える。

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