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407. LGBTQ+の社会運動や、いわゆる「アクティビスト」と言われる人たちが使う「連帯」とはどういう意味ですか?
まずは辞書で意味を確認しておきましょう。
【連帯】
1 二つ以上のものが結びついていること。「―感」「奥山の話は榛野 (はんの) という男の事に―して出るのが」〈鴎外・ヰタ‐セクスアリス〉2 二人以上の者が共同である行為または結果に対して責任を負うこと。「―して事に当たる」
これだけではあまりはっきりしませんね。
これに補足説明を加えます:
「連帯」とは、個人やグループが共通の目的や利益、価値観を持ち、互いに支え合い、協力し合う関係性や絆を指す言葉です。
社会運動やアクティビストの文脈では、特定の課題や問題に対する共感や共有の立場からの行動を促進するための強力な原動力として「連帯」が重視されます。
以下は「連帯」の特徴や関連する考え方になります:
共通の目的や価値観:連帯は、特定の目的や価値観を共有する集団や個人間で形成されます。これには、人権の促進、環境問題への対応、労働者の権利の保護などが含まれることが多いです。
相互の支援:連帯の中心には、互いの助け合いや支援があります。これには、情報の共有、リソースの提供、共同での行動などが含まれます。
力の均衡:連帯は、しばしば力の不均衡な状況におけるマイノリティーや弱者の権利を守るために行われることが多い。そのため、連帯を通じて声を上げ、社会的な変革を求めることが重要視されます。
跨越的な結びつき:異なるバックグラウンドや経験を持つグループや個人が、共通の目的や課題を共有することで連帯を形成することもあります。例えば、異なる民族や宗教の人々が、共通の社会的な問題に対して一緒に行動を起こすことが挙げられます。
社会運動やアクティビストが「連帯」を強調するのは、個人や小さなグループの努力だけでは難しい大きな変革や目標を達成するために、より多くの人々との協力や結束が必要とされるためです。
ここまで読んでいらした方の中には、ピンときたかたもいらっしゃるかもしれません。
例えば、性的マイノリティのことで言えば、ゲイの人たちが単独で行動したり、レズビアンの人たちだけでまとまりを作って何かを訴えたりするというのではなかなか達成できない目標があります。その1つに同性婚があります。
同性婚を実現させよう!とビラを配ったり、あちらこちらで講演を行ったり、メディアに取り上げてもらったりなどさまざまなことを行うわけですが、当事者であるレズビアンやゲイだけではやはり限界があります。
そこで、「同じ性的マイノリティ」という括りで、バイセクシュアルやトランスジェンダー、ノンバイナリー、Xジェンダー、アセクシュアルなどの人々にも呼びかけて運動を進めていくことになります。
NHKの福祉情報サイト「ハートネット」には「LGBTQ+」の説明の中に「連帯」という言葉が使われています:
LGBTQ+とは、レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(生まれたときに法律的/社会的に割り当てられた性別とは異なる性別を生きる人)、クエスチョニング/クィア(自らの性のあり方を定めていない人、規範的な性のあり方に属さない人)の頭文字を取ったもので、性的マイノリティーの人々を指す言葉です。当事者が自分たちのことをポジティブに語る呼称として、また、さまざまな性的マイノリティーが社会に向けて活動する際の“連帯”を表す言葉として、北米やヨーロッパで使われ始めました。
参考資料
ウィキペディア 「連帯」
NHK福祉情報サイト ハートネット「LGBTQ+」
井上智史 「多様な性的マイノリティの連帯可能性」