「採用ブランディング」を読んで
久しぶりの投稿。
なかなかまとまった時間が作れない中でなんとか一冊「採用ブランディング」を読了。
書いてある内容としてはそこまで目新しいものはないもの。ただ、そうであるということは本質であるということでもある。
一貫して伝えられているのは、母集団形成偏重を避け、理念に共感してもらう採用を行うことの重要性。
筆者の言うとおり、母集団がいかに大きくなっても、数打ちゃ当たる戦法に変わりはなく、総花的で非効率な戦略と言わざるを得ない。
また、理念に共感せずになんとなく獲得した社員の場合、早期退職のリスクも高くなるのも納得。
結局、日本の新卒一括採用&配属は会社一任、という慣例の中では、こうした理念への共感は必要不可欠な要素なのだろう。
企業理念に基づいて一貫した採用活動を行なっているというPlan Do Seeの例は、確かに新卒採用界隈では有名な話だとも感じるため、良いベンチマークになりそう。
以下、読書メモである。
(既知の内容も多かったため、内容スキップしているところも多いのでご容赦いただきたい)
第1章
• 経営者がおかしがちな6つの失敗
①「数打ちゃ当たる」という発想(母集団至上主義)
②「応募者を選ぶ」という上から目線
③「求める人材像」があいまい
④「なんとなく」の採用基準
⑤「社長不在」の採用
⑥「コンセプト」がないまま行われる採用活動
第2章
• 採用の基本は「理念への共感」。企業の理念に共感してくれた人を採用するという発想を根底に有す流のが理念型の採用。
• 企業理念は戦略と違ってそう変わらない。そのため共感した人材はそう簡単にやめない。
目指すべき人材採用
①質の高い母集団形成
• 「MOSEALSモデル」と母集団形成
ここでは、応募者が内定承諾までにどのように心理変容していくかということ。
Meet, Move, Search, Experience, Action, Love, Shareの略。
• 理念、戦略、仕事内容の3点の魅力度が高い場合、内定辞退は起こりにくい。
• 注意しなければいけないのは、採用担当者の魅力だけ高い場合。
②効率的な採用
• 母集団形成から考えるのではなく、辞退率低下(理念への共感)から考えることが肝要
③理念教育を深める内定者フォロー
• 飲み会やリクルーターなど長期化すると効果が下がる。例えば、自社の理念や戦略に則したケーススタディを作成してワークショップを行うだけでも企業の未来を考えるきっかけになる。
• ブランド構築がうまくできている企業は、施策に一貫性があるために、ブランドイメージにも一貫性がある。ただし、それに加えて、現場の社員一人一人の行動も一貫していないといけない。
• ブランド・エクイティ(資産)における4つのポイント
①ブランド・ロイヤリティ:顧客がブランドに対して持つこだわり、忠誠心
②ブランド認知:顧客がブランドを識別するためのコミュニケーション効果
③知覚品質:顧客が購買目的に応じて対象に感じている品質
④ブランド連想:そのブランドに関する記憶やイメージ、思い
第3章
• そもそも「自社の魅力」は何か?自社の理念・価値観を応募者にぶつけよ。
• PlanDoSeeの場合、事業活動のプロモーションはほとんどおこなっていないにも関わらず、人気企業。採用活動全体に理念や強みが浸透し、応募した人たちがファンになり、口コミで知名度が上がってきた。
エントリー者は5〜6万人。説明会は2万人を動員する。エントリーの約5%が同社の顧客になる。
• 理念や価値観を強みとして落とし込み、それを伝えていくことが基本。先鋭化された理念は武器となる。
• 求める人材像=活躍する人材像と定め、ペルソナまで落とし込む。
第4章
• ダイレクト・リクルーティング、リファラル採用、といった単体の施策重視の発想ではなく、全てのフローで一貫性を持たせること。
• 内定者には、最終的に自社のファンになってもらい、自社の魅力を伝えられる存在になってもらうこと。
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