那智勝浦町昔懐かし話 第32話

第32話『バスターミナル』
 
しばらくぶりでございます。今回の話はその姿が無くなったのはおそらくそんなに昔じゃないと思う物である。たぶん20年もたっていないと思う。でわでわ32話です。
 
勝浦のど真ん中、たけちゃん坊ちゃんの生まれ育った仲の町と魚市場のある築地との境目にバスターミナルがある。字のごとくバスの駐車場で役場の所有物で我が観光協会に管理委託されている駐車場である。勝浦のど真ん中なので、周りにはおみやげ物屋さん、パン屋さん、肉屋さん、酒屋さん、銀行、飲食店がある。今はバスが前後に14台くらい、自家用車が20台くらい停められる駐車場で、一角に事務所とトイレがある。近くには
ホテル浦島と中の島に渡る連絡船乗り場である観光桟橋があり、夕方には観光バスを降りた観光客が海沿いにバスターミナルから桟橋まで歩く姿がよく見られる。
僕はまだ生まれていなかったので知らないが、年輩の方に聞くとここは遠い昔入り江で
埋め立てられ前のバスターミナルが出来たという話である。今回書きたいのは実は今のバスターミナルの話でなく、一つ前のバスターミナルについてである。僕らが生まれてから
今から約15年程前までのバスターミナルである。覚えておられる方も多いと思うが、その当時のバスターミナルは、2階建てで、2階は展望台というかベンチがおいてありゆつたりと座って休憩できるようになっていたのである。天井には朝顔があちこちに咲いているようなラッパ型の屋根が付けられておりその2階からは観光桟橋、ホテル浦島、中の島、もつと右に昔の越の湯、桟橋の所には今は万清楼となつているが、金波というホテルが見えた。またはるか向こうには、カブト島、鶴島などの紀の松島が見えた。それらを見ながらのんびり出来たのである。また、。この2階に続く階段が僕はたぶん生まれて初めて見たと思うモダンな螺旋階段が取り付けられておりなかなかおしゃれであった。この2階で当時の新婚旅行のカップル(表現が古いね~。もっと前はアベックとも言いました。)が
ゆっくり海を眺めていたりしたもんだ。その横で僕ら仲の町3バカトリオは走り回っていたのである。この螺旋階段も絶好の遊び場だった。1階には確か事務所とトイレが合ったと思う。今から思うとなかなかのモダンな建物だったと思う。このバスターミナルでは、遙か昔よりお盆の時期にやぐらが設置され旧勝浦地区の盆踊りが夜中まで行われていた。露天も出ていて炭坑節や勝浦音頭、めはり音頭などに合わせ地元民だけでなく帰省者や観光客も入れ混じり夜中まで踊りまくるのである。そんな盆踊りも何年か前に消えてしまった。時代の流れかな。寂しい気がする。また、勝浦幼稚園の時には、子供たちによる火の用心パレードでこのバスターミナルでも演奏した懐かしい場所でもある。勝浦幼稚園は閉園してしまつた。(現在は他の保育園が引き継いで子供パレードを行っています)ただ、前にも小説に書いたがこのバスターミナルの前の勝浦港では、9月の中頃勝浦八幡神社例大祭の階伝馬や大人の御輿の海中御輿神事が行われる。伝統の祭りだ。いつまでも続いてほしいと思う。バスターミナルたかが、バスターミナル。僕にとっては幼き思い出の建物である。
 
第32話終わり

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