那智勝浦町昔懐かし話 第49話

第49話『マンボウ料理』
 
はい、ちょこっと間が開きましたが、ハイペースの更新であります。今回も前回に続き食べ物のお話ですよ。でわでわ早速いってみよ~。
 
はい、皆さんは、マンボウ知っていますか。「あのつぶらな瞳の図体は大きいが非常にかわいいお魚でしょ。水族館とかで見たことあるわよ。うちのお利口ちゃんの息子といっしょに見たわよ」とお上品な奥様方が答えるでありましょう。そのマンボウのお料理のお話であります。(なんか書きにくいなぁ~。まあええか)。もうひとつ聞きますが、皆さんはマンボウを食べたことがありますか。あまりいないのではないだろうか。実はこのマンボウ、我が那智勝浦町の宇久井(うくい)漁港で行われている大敷網漁法に、たまにかかるのである。大敷網漁法とは、僕のパソコンのアホーで調べると袋網がU字形をしていてその1辺が開いていて魚の入り口になっている定期編み漁である。ブリ、マグロなどの大型魚を目的に発達したが、今は他の漁法が発達してきたのでほとんど残っていない。とある。この大敷網漁が宇久井に残っているのである。それだけでもすごいのだが、この大敷網にマンボウがかかるのである。観光協会の同僚のIさんは宇久井出身なので聞いたところ子供のときから良くマンボウは食べていたそうだ。マンボウは、たまにしかかからないので、僕ら勝浦地区の人間はほとんど食べたことが無く、僕は観光協会の仕事をしていなければ知らなかったであろう。それじゃ何で知ったかと言いますと、テレビ和歌山に「こちら海です」という約25年続いた人気番組があり、ここのプロデューサーがこれ又めずらしい物や隠れた名物を探すのが得意で和歌山のことなら隅から隅まで知っているというようなおもろいおっちゃんで、風貌はこわそうなおっさんなのだが(すいません、敬意をもって書かせていただいております。)この方が宇久井、そしてマンボウ料理が好きで、取材の時に同行したのであります。僕が観光協会に入社してあまり月日の経っていない時である。地元宇久井の民宿兼料理屋の店先で前日に水揚げされたマンボウをさばくところからカメラにおさめる。マンボウはどのようにさばくかご存じでしょうか。実は包丁で横に寝かしたマンボウを、まず真横から包丁を入れてかぱっと真二つに切るのであります。簡単にいうとカスタネットを開いた状態のようにするのであります。この時の下の部分を初めて見たとき僕はびっくらこんしました 。何と、何と、そこにはきれいに内臓がならんだマンボウが横たわっておりました。ここが心臓、これが肝臓と、さばいてくれた店のご主人が教えてくれたのを思い出す。マンボウの身は例えると杏仁豆腐みたいで、固まりを包丁より手でちぎって食べた覚えがある。この身はほとんどが水分である。僕らは、さばきを見てそして店の台所でご主人やその奥さんが、刺身やマンボウの肝あえ(マンボウの身とネギをマンボウの肝を入れて軽く炒める)とかごちそうになった。もちろんどの料理も初めての経験だったが、おいしく特にマンボウの肝あえを口にした時おもわず笑いだしプロデューサーと固い握手をした。人間本当にうまい物を口にしたとき笑ってしまい握手してしまうのである。今、「うんうん、そうそう」 と、うなづいていらっしゃる方も少なくないだろう。
 
 
この後、何回か「こちら海です」を初めいくつかの番組でマンボウ料理を取材したりした。
残念ながら何年か前に「こちら海です」は終わってしまったが。
那智勝浦町のまぐろ祭りでも宇久井漁協の皆さんのご協力によりマンボウの刺身を振る舞っていた時もあったが、前にも書いたがいつも網にかかる物ではなくまぐろ祭りの時に手に入らないときも何回かあった。また外でのイベントへの保健所の規制により配布はなくなった。今勝浦とか新宮でもマンボウ料理を食べられる店はあると思う。
マンボウ料理食べる機会があればぜひ食べてみてください。おいしいですよ。
 
第49話 終わり。
 

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