見出し画像

テキサス州は、ESGを理由に化石燃料資産の売却を実施する金融機関10社と340以上のファンドを標的とする 

 テキサス州もESGからの独立を目指す多くの州のひとつに

世界経済フォーラムや国連が主導している「SDGs」や「ESG」に対して、相変わらず日本は有難がっているようだが、いくつかの国では反対の動きが出ている。

ESGへの戦いが始まっている

テキサス州は8月24日、化石燃料に関わるエネルギー企業をボイコットしているとされる金融企業10社と350近いファンドのリストを公表した。米国の各州において環境・社会・ガバナンス(ESG)運動との戦いがまた一歩前進したことになる。

2021年9月に施行されたテキサス州上院法案13号のおかげで、州会計検査官はこのようなリストを公表しなければならない。同年6月に可決されたこの法案は、多くの州政府機関に対して、ESGを主導する企業やファンドからの融資の引き上げを義務付けている。

8月24日のプレスリリースで、テキサス州会計監査官は、禁止された理由を説明した。「ESG運動は、一部の金融会社が、もはや株主や顧客の最善の利益のために意思決定を行うのではなく、秘密に包まれた社会的・政治的課題を推進するためにその資金力を利用するという、不透明で倒錯したシステムを生み出している。

我々の調査は、ESG運動全体を見直すのではなく、エネルギー企業のボイコットに焦点を当てた。特に、一部の金融機関が、公の場では反石油・ガスの美辞麗句を並べながら、密室では全く異なるストーリーを展開するという二枚舌を使っていることが明らかになった」と。

ここで閲覧できる上場企業10社は、ブラックロック、BNPパリバス、クレジット・スイスグループ、ダンスケ銀行、ジュピター・ファンド・マネジメント、ノルデア銀行、シュローダーズ、スべンスカ・ハンデルスバンケン、スェーデン銀行、そしてUBS グループである。

ブラックロックの広報担当者は、テキサス州の決定を受けて、8月24日にメディア向け声明で、「これは事実に基づく判断ではない。自社がテキサス州のエネルギー企業に投資している顧客の資金は1000億ドル以上である」と付け加えた。

350の上場ファンドには、ESGのパイオニアであるパルナサスの提供するファンドのほか、UBS、バンガード、T・ロウ・プライス、フィデリティ、ナイツ・オブ・コロンブスなどの著名なプレーヤーに関連するファンドが含まれている。

公的な誓約が一つの基準

Net Zero Banking Alliance、Climate Action 100、Net Zero Asset Managers Initiativeへの公約は、会計監査人がボイコット企業を選別するために用いた複数の基準の一つだ。
 
しかし、このような誓約をした企業を自動的にボイコット対象に加えることはしていない。このリストに関する「よくある質問」の文書には、そのような誓約に対する企業の実際の取り組みには大きなばらつきがあると記されている。

テキサス州職員退職金制度、教員退職金制度、テキサス市職員退職金制度など複数の州機関は、リストアップされた基金や企業から手を引かなければならない。

ただし、例外もある。1つは、州政府機関の受託者責任や法的責任に抵触するような事業売却を避けるための免除だ。また、間接的に保有するファンドに適用される免除もある。

ESGは様々な業界に多くの触手を伸ばしている。金融機関だけでなく、保険業界にも影響を与え、農業や食費、生産コストにも影響を与えている。数年間はこの戦いが続くと思うとも言われている。

大きな戦争における一つの戦い

さらに、8月23日には、フロリダ州のデサンティス知事が、同州のファンドマネージャーに対して、ESGの投資を一掃するよう要請した。

また、8月16日には、21州の検事総長が証券取引委員会(SEC)に対し、ESGの開示に関する規則案に反対する書簡を送ったSECが最近発表した炭素の開示を義務付ける規則と類似していることを指摘し、「深い問題がある」とした。

リベラル左派は、議会や裁判所で自分たちの要求を通せなければ、ルールを変えるというゲームをしている。

ウェストバージニア州財務長官は、8月24日付、「我々の連合で2番目の州が、アメリカのエネルギー自立への復帰能力を破壊しようとするESG過激派に反撃する決定的な行動を取った。これを誇りに思う」と述べた。

彼は、2021年11月、「米国の金融機関による伝統的なエネルギー生産産業の経済的ボイコットが進行し拡大している」として、銀行業界へ送った書簡に署名したウエストバージニア州と他の14州を連合体としている。

その14州とは、アラバマ、アリゾナ、アーカンソー、アイダホ、ケンタッキー、ルイジアナ、ミズーリ、ネブラスカ、ノースダコタ、サウスカロライナ、サウスダコタ、テキサス、ユタ、ワイオミングである。

「私は以前、ウェストバージニア州が槍の先端になり、その後ろに軍隊が続くと言ったが、今回、テキサス州がその仲間入りをした。今日は素晴らしい日であり、反米ESGの過激派に反撃するために、もっと多くの州がすぐに我々の後に続くと期待している」とも語った。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?