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日本、COP26にて「化石賞」を連続受賞

COP26での岸田首相の演説が一因となり、地球温暖化対策に後ろ向きの国におくられる「化石賞」に、再度日本が選ばれたと報じられています。
「化石賞」は、国際的な環境NGOグループである「気候行動ネットワーク」が、温暖化対策に消極的だと判断した国をCOPの会期中に毎日選び発表しているものです。2日の「化石賞」に日本とノルウェー、それにオーストラリアを選んだと発表しました。

日本の受賞理由として、①引き続き化石燃料に頼る見通しである ②石炭火力発電の廃止などに言及しなかった ③GHGの排出を抑制できるとされるアンモニアや水素技術は未成熟で高コストであるなどを挙げているということです。

日本のメディアも、御多分に漏れず、一大事のように報じましたが、環境NGOが自分たちの基準で、勝手に決定し発表したものですから、まったく気にする必要はありません

岸田首相の演説の内容についてはこの通りでしょう。日本の現在の立場を表した内容です。あくまでも、最適なエネルギー・ミックスを探りつつ米国やアジア諸国との関係、エネルギーや資源などが経済や社会に及ぼす影響を総合的に勘案しながら進めていただければと思います。

③としてアンモニアや水素のことが触れられています。我が国は、アンモニアや水素を有望なエネルギーキャリアとして捉え、化石燃料(石炭、重油、天然ガスなど)を代替するものとして、利用促進を図っています。

例えば、アンモニアですが、火力発電に20%まで混ぜて使えることが実証されています。その分化石燃料を減らすことが出来、アンモニアを燃やしてもCO2は出ません。窒素酸化物の対策は必要ですが、一般に普及している技術です。

③で未熟な技術といっているのは、CO2をまったく出さないアンモニアや水素はという意味でしょうか?これまでは天然ガスや石炭を使って水素を生成し、アンモニアについては、その水素に空気分離後の窒素を反応させていました。これは確立された技術です。

しかし、「これではCO2を大量に排出するので良くない」というのが、温暖化推進者の意見だと思われます。彼らの言い分は、風力や太陽光などの再生可能エネルギーを使って、水を電気分解して水素を生成してなどとなるわけです。これをグリーン水素グリーンアンモニアと言っています。

水の電気分解については主要国で技術開発が行われています。日本でも行われていますが、電気代が高いのがネックとなっており、発生する水素の製造コストが高くなります。豪州や中東などから水素を輸送して来るというプロジェクトが動いていますが、液化や輸送コストなどを入れると、Nm3当たり30数円かかると計算されています。普及させるには、20円/Nm3以下と言われているので、これでは高いのです。

四方を海に囲まわれている我が国ですから、水を利用して水素が製造できれば一番良いのですがね...

グリーン水素、グリーンアンモニアなどと云っても、トータルシステムを考えれば、どこかで追加のエネルギーが必要となり、化石燃料の出番が必ずあるわけです。机上の空論にこれ以上惑わされることはありませんよね。

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