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異国の地から聴こえてきた、SCANDALの音楽の話とか

9月の終わりのこと。

ここ数年、毎日の終わりの日課になっているInstagramの投稿をぼーっと眺めていた。
始めた当初は上から下へ流れていく写真だけだったのが、いつからか左から右へ流れていく機能が増えたり、ハッシュタグが増えたり、映えと呼ばれるものが流行ったり。

始めた当初からノンバーバルなコミュニケーションという異質性も相まって、フォローしていたのは外国の人たちばかりで、国内のそれとは無縁のツールとして使っているのだけれど。

ノンバーバルだったはずが、いつの間にか時々メッセージを送りあったりしているのは、不思議だなと思う。

そんなツールでサクッと見られる左から右に流れる投稿を、毎日の終わりにぼーっとしながら眺めていた。

そう、いつものように。

たくさんの投稿が流れていく中で、聞き覚えのある音楽と、見覚えのある人たちが映った映像に目を奪われた。

  • (※海外のライブは割と録画OKな場合多いけど、法的なところは国や会場アーティストによって違ったりしてわからないので、ライブ参戦時はよく確認してください※)

ある時期にたくさん聴いていた、思い出の詰まった、曲。
その投稿をした異国の地の人は、映像と一緒に「私の青春の曲」と文字を打ち込んでいた。
フランス語だから、翻訳が間違っていなければ…だけれど。

思わず、そのままの勢いで、「私も!その曲が大好き。」
と英語でメッセージを送っていた。

異国の地で、同じように曲を聴き、映像を見て、忘れられない記憶の1ページの中にしまい込んでる人がいることにとても嬉しさを覚えた。

そのとき調べたら、WORLD TOURの最終日だったらしい。

その曲は、アニメのエンディンテーマになっていて2010年頃にテレビから聞こえてきた、と思う。

と書いていて、もう12年前にもなるのだと驚きがあるけれど。

アニメが終わった後に流れてくるその曲は、映像とピッタリでカッコよくて、1話が終わる度にどこか落ち着かない心を落ち着かせてくれたし、また1週間後という楽しみを感じさせてくれた。

そんな曲を奏でているバンドのことを知ったのは、ちょうど同じ頃だったように思う。
遠い記憶のことだから確かではないし、今と違って何もかもログが残せるような環境でもなかったから、正しさはないけれど。

某朝の有名なテレビ番組のエンタメコーナーで、海外のフェスで観客もたくさん入って盛り上がって人気だ、というような言葉で取り上げていたと思う。

海外のフェスの映像と、制服でロックを奏でる映像だけははっきりと覚えている。

女子高生のロックバンド、という形は当時では珍しかったし、少し前にはZONEとかWhite Berryとかも活動していたと思うけれど、今と違って女性のバンドというのは珍しかったから割と稀有な存在だったのだと思う。

テレビから流れてきた僅かな時間のフェスの映像はカッコよくて、一緒に流れてきたMV(たぶん少女S)もカッコよかった。
世界は広くて、こんな女子高生でこんなかっこいいことをするバンドもいるんだなぁ、なんてくらいに思っていた。

あの当時はロックとか激しい音楽の曲はあまり聴けなくて、聴いているものも偏っていたし、曲は曲、バンドはバンドで考えていたのかもしれない。
あの曲を演奏しているのはあのバンド、という紐付けができていなかったと思う。

アルバム買いではなく、シングル買いでいろんなものを漁っている感じというか。その頃から、iTunesを使っていたのもあると思うけれど。

ニュースで見聞きしたり、チャートを見たりしたり、テレビの音楽番組を見たりして、活動しているのは知っていたけれど、それくらいの認識だった。

それから、再び触れたのはいつくらいだっただろう。

2015年くらいにSpotifyを使い出してヘビーユーザーになり新譜を見つけた時かもしれないし、YouTubeで動画を身漁っていた頃に偶然流れたきたからかもしれない。

久しぶりに触れた音楽は、やっぱりいつ聴いても思い出の1ページとして記憶されていて、当時のことがぶわーっと流れるようにいろんなことを思い出した。

嬉しかったことや、嫌なこと、楽しかったことや、つらかったことも。

そんな中で聞こえてくる音はやっぱりカッコよくて、適法とはおよそ言い難いけれど、誰かがあげた動画を見て進化し続けるテクニカルな面と、変わらずあるかっこよさをみていいなぁなんて思っていた。

ギターもベースも弾けないけれど。
いつも聴き続ける音楽もあれば、折に触れて聴く音楽もあるんだろうな、とか思う。

Fenderの動画を見たような気もするし、自主レーベルを立ち上げたというニュースも目にしたし、YouTube公式のDiaryであまり見られない姿を見ることができたり、ここ数年はちょっことチョコチョコ目にする機会が多かった。


そんな時に触れた、「アイボリー」は少し、というかとても新鮮な音として聞こえてきた。

どこか良い感じに肩の力が抜けた、ゆったりとした中にある確固たる芯のようなもの。あぁこんな曲もあるんだと、感じた。

活動開始が2006年~、インディーズ・メジャーが2008年。
個人的に知ったのが2010年くらいから。
それなりに年月が経ち、いろんなことを積み重ねてきたと思う。

たくさんのことがあって、それこそ素人目には想像さえできないことばかりだと思うけれど、素敵な年の積み重ねをしているんだろうなと感じた。

MVを観ていたときは、光の入り方やスローモーション、曲調も相まって、過去と現在と未来の映像が頭の中で補完されて、どこか懐かしいような寂しいような感覚になった。
この時間がずっと続いていくと良いなとか、きっとこの先も4人のリズムが混ざり合いながら音楽として奏でられていくんだろうなとか。

なんていうかあの感覚は…

学園祭の終わった放課後のような感じを受けた。

緊張と興奮とが一気に高まった一日が終わって、張り詰めた空気が過ぎ去った夕日が差し込む校舎の中で、ひっそりと静まり返った無機質な建物のなかで、誰かが音を奏で始めたらセッションが始まっていたような感覚というか。
観てはいけないような、でも観てしまったらとても至極な音たちだったあの瞬間というか。

なんて素敵な曲なんだろうと、思う。
本当に。

あの瞬間にこれまで聴いてこなかったことを後悔したし、でも聴かなかった時間があって今こうしてまた出会い聴いたことで見えた世界もあるのかもしれない、とか。

個人的には、MVもだけれど、焚き火の映像も好き。

話は戻って…

最初に聴いてから10年以上くらい経って、好きな音楽も聴けるようになった音楽の幅もずいぶん変わった。

「瞬間センチメンタル」を聴いて、あのアニメを観ていた頃には、海外で流れている音楽がリアルタイムに近い形で聞こえてくるなんて思ってもいなかった。
ましてやその音楽を通じて、異国の地の人と興奮しながら話をすることができるなんて想像さえしていなかった。

本当に。

きっと私にとって、SCANDALの音楽は、今の自分の足元を確かめるように、折に触れて聴く音楽なのかもしれない。

一年一年でいろんなことが変わっていく世界だし、相変わらず時間は過ぎ去って年を重ねていくけれど。
嫌なことも、嬉しいことも楽しいことも、つらいことも本当にたくさん沢山あるけれど。

素敵な音楽を抱えて、身近な誰かと、知らない誰かと、遠い国の誰かと話ができたら良いなと思う。




余談…
海外でATMにクレジットカードが吸い込まれるって怖いね…


 



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