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全体をはかる

こんにちは、よさそう®です。

先日、おともだちのYoutubeLiveでマーケティング分析について少しお話する機会がありました。そのときに分析の手順や対象が話題になったので、あらためて自分の思考整理を兼ねてまとめてみます。

何を知りたいのかを明確にする

あたりまえといえばあたりまえ、だけど意外とできていないのが「何を知りたいの?」という問いを突き詰めきれていないケースが往々にしてあります。

特に昨今のデータ分析や機械学習、AIなどの分析ブームの煽りで、よくわからないけどデータを見たらなにか出てくるでしょう!というノリだけで分析に着手しているなあと思える様子を見かけます。

「この分析により何を知りたいのか?」をはっきりと、そして関係者が理解できる言葉への落とし込みが、なによりも大切です。

たとえば「最近、売上が落ちてきている。お店にいる肌感から20代以下の若いお客様が減ってきているように思う。だから、年代ごとの売上の推移を見てみたい。」といった感じです。

なにが全体なのかを把握する

次に知りたいことに答えられるデータの全体像を把握します。このときに「全部じゃなくても、対象をいくつかみればいいでしょ?」と思ってしまう人がいます。

非常に残念です。

なぜか?分析した先にある関係者への報告で、確実に突っ込まれます。

「それは対象のすべてをもとにしているのか?」

どんなに無作為に統計的に正しい手順を踏んだサンプリングを行っていても、この一言ですべてが無に帰します。そんな現場を体験し、そしていくつもそんな現場を見てきました。

残念ながらあなたが企業に勤めていて、かつ対象としたいすべてのデータにアクセスできるならば、まずは”すべてがなにか?”からアプローチしましょう。

”年代ごとの売上の推移”が今回の分析の主題ならば、たとえば月ごとの売上に、お客様の年代が紐付けられている状態のデータが全体となります。

意地でもデータを集める

月ごとの売上が対象ならば、どこまで過去にさかのぼって集められるか?そしてお客様の年代が紐付けられるのは、いつからか?という情報を集めます。

多くの会社ではデータは情報システム部門が握っていると思います。なので情報システム部門に相談して、データの定義や、欲しいデータがどこまで集められるかといったヒアリングをします。

さてここが難関の一つです。

情報システム部門に協力をあおいでも無碍にされる事が多いと思います。なぜなら彼らは普段のシステム業務だけでも忙しいので。そしてあなたが情報システムやデータベースシステムについて理解していなければ、言葉の翻訳をめんどくさがられることもあるでしょう。私は情報システム部門側とマーケティング部門側の両方で仕事していたので、両方の気持ちが痛いほどわかります。情報システム部門側としては、マーケティング部門からの相談は曖昧だったり非現実的と思える高すぎる理想をいきなりぶつけてこられて困ります。しかも納期が非現実的に短すぎる。。。一方マーケティング部門側としては、次の一手、つまり未来を考えたいので、現実に厳密に囚われたくないという想いと、”情報システムだからなんでもできるでしょう”という期待がないまぜになります。

さて話を戻して、もし情報システム部門が非協力的でも、ここでぐっと踏ん張って、欲しいデータを根こそぎ入手しましょう。難しければ、外部のデータ分析コンサルタントにお願いして、情報システム部門との橋渡しになってもらってもいいと思います。
それでも入手しきれないデータはあると思います。そのときには「入手できないデータとその理由」を記録して報告資料に反映します。これにより収集可能な全データを対象としているという前提を担保できます。

それから加工後のデータをもらうのではなく、ローデータでもらう交渉をすると話が進みやすいと思います。ローデータをもらって、マーケティング部門でデータ定義に従って加工するのが、一番話しが進みやすいと思います。

といいつつ、最近の情報システム部門のかたたちは、昔に比べると協力的だと思うので、これは私の取り越し苦労かもしれません。

シンプルで誰でもわかる切り口でグラフにする

データが集まったら「知りたいこと」に沿ってまとめていきます。

まとめるうえで大切なのはグラフや図にすることです。グラフや図を見ただけで何がいいたいのかわかる、という状態を目指しましょう。

”年代ごとの売上の推移”でしたら、まずは年ごとや月ごとの売上の全体の推移を折れ線グラフで書いてみる。その次に、年代ごとに分けてグラフにまとめてみる。

ときどき分析結果を数表だけでまとめて発表される場面に遭遇します。これで移り変わりを手にとるように分かる人ばかりの組織は、そうとう計数感覚に優れている人たちの集まりなのだと思います。少なくとも私は数字の羅列では、起きていることがさっぱりわかりません。わからないから質問できません。質問できたとして「わからないことがわかりません」となるでしょう。数表ばかりの分析結果を発表して質問がないとしたら、この2択のどちらかです。そしてとんでもなく優秀な人材ばかり組織じゃなければ、おそらく後者です。そして報告会のあとに「さっきの分析報告だけど、こうだと思うんだよね」といった会話がなされ、分析結果が打ち手につながらず、「分析って意味ないね♪」となります。

なので、それを見て、疑問や思ったことを話しやすくする工夫が必要です。それがグラフや図にする目的です。そしてそれはあなた自身のためにもなります。人はグラフや図などになった情報の些細な変化やおかしな点に気づける力があります。たとえばスライドの左右に配置した図形の位置が少しずれていても「ずれている」と気づけます。同様にグラフや図にすると、少しの違いや違和感を感じ取ることができます。
ですが「398473245687」と「398413245687」の違いはなかなか気づきづらいです。
だから適切なグラフで分析対象を表現する、それは分析者であるあなたにとっても、それを共有される関係者にとっても大切になります。

むすび

今回はマーケティングデータ分析で私が大切だと考えている、全体をはかるについて書いてみました。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

少しでもあなたがマーケティングデータ分析を行う際のご参考になれば幸いです。

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