短時間で研修やプレゼンを作るために、私がやっていること

先日、はじめて高校生にお話するという機会をいただきました。

高校生へ大学の授業の一部を20分ほどで体験していただく、といった趣旨でした。

この講座の実施が決まったのが、ゴールデンウィークの1週間前で、大学の授業を体験しつつ、後続のワークショップへのアイスブレイクを兼ねてという依頼でした。

というお仕事があったと人にお話すると「複数の目的があり、かつ短時間で達成するために、どういうふうに構成を考えているんですか?」と質問をいただきました。

自分ではあたりまえにやっていたことなのですが、お話するとちょっとあまりあたりまえじゃないようなところもあるようで、考え方のプロセスをまとめてみます。

3日前には作り終わる前提で、逆算してスケジュールを考える

往々にして開催が近づくに連れ、会場の様子、参加者の情報、当日の天気が明確になっていきます。

そのため開催直前に変更ができるように、検討に”あそび”の時間を持たせておく必要があります。

今回のように1週間前に決まったら、その3日前までには作り上げておくようにします。もう少し時間に余裕がある仕事の場合、例えば2ヶ月先に研修講師を行うといったときは、1ヶ月前までにはコンテンツを作り上げておくようにします。

さて、3日前に作り上げることをゴールとすると、そこから逆算して、いつまでになにをする?を考えます。

4日前までにはスライドが概ねできていて、5日前までにはスライドスケルトンができていて、6日前までには構成の見直しを終えていて、7日前すなわち今日行うべきはおおよその構成ができあがっている必要がある、と。

スケジュールは現在を起点に山積みで考えることが一般的かもしれません。だけど、この方法だと今の能力という視点で考えることになります。そうすると、どうしても「間に合わない」か「無理をする」かになります。

逆算して考えると、やることを削ぎ落とし、「達成するためにどうする?」という考えになります。意外と無理っぽいかもということも、実現できるので、目標をストレッチしたいときにもオススメです。

スライドをいきなり作らない。構成を作ってから。

とっかかりは「構成を作る」です。

このときスライドをはじめとした資料をいきなり作り始めないことが大切と考えています。

理由はいくつかあります。

  1. 全体像が見えないままにスライドを作り始めても、手戻りが多くなるだけだから。

  2. スライドをつくるアプリを立ち上げると、なにも進まなくても仕事をやってる感だけ感じて時間の無駄だから。

  3. 構成を考え抜いてからじゃないと、それを表現するための図表やメインメッセージは浮かんでこないから。

まとめると、構成がない状態でスライドを作り始めても時間の無駄、ということになります。

では構成の作り方についてお話します。

私の場合は、まず手書きでおおまかな構成を考えて、そしてGoogle DocumentやWordといったテキストエディタに書き起こしています。

一つずつお話します。

まずは手書きで構成を考える

手書きで始める理由は、自由度が高く、手戻りがしやすいからです。最近ではiPadのフリーボードを使っています。フリーボードは書いた文字を囲んで移動できます。
そのため構成を考えながら「あ、順番違う」とか「この説明もいれたい」といったときに、躊躇することなく構造を変えていけます。便利です。

手書きしたことをテキストエディタで文字情報にする

そしてある程度フリーボードで構成ができたなあと、これ以上はフリーボードではなくて、少しドキュメント化していこうとなったら、Google DocumentやWordを使い始めます。

この目的はフリーボードや手書きで「いける!」と考えた構成が、文字主体のテキストエディタに落とし込んでみると、意外とイケてなかったり、練りが甘かったりするところが出てくるからです。

手書きは気持ちが乗ってくると楽しいので「なんとなくいけそうな気がする」気持ちになりがちです。

だけどテキストに落とし込み、文字となった情報を客観的に見ると、考えの粗いところや、つながりに無理があるとか、目的に沿っていない私の思いとかが見えてきます。

そうした情報を見ながら、今度はテキストエディタ上で構成をさらに練り上げていきます。

こうして構成の練り上げを終えてからはじめてスライドづくりに入っていきます。

ここまで練り上げているとスライドづくりは作業なので、とんとん進んでいきます。むしろここまでの構成の練り上げがないと、まったく進まず、時間だけが過ぎて焦りだけが募ります。

ということで、逆算してスケジュールを立て、手書きやテキストエディタで構成を練り上げてからスライドに取り掛かるといいですよ、というお話でした。


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