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YOSAKOI SORAN NEWS_Vol.3

新チーム続報!チーム主催のミニフォーラム開催

先月号のレターで、北海道内で多数の新チームが誕生していることをお伝えしました。これからのYOSAKOIソーラン祭りを担う期待のチームたちですが、新しいチームの立ち上げ・運営には不安や悩み事もつきもの。そういったチームの手助けになろうと、チームが主導して、新チーム向けのミニフォーラムが開催されました。

3月4日(土)、札幌中心部のレンタルスペースに、約20人が集まりました。会を主催したのは、YOSAKOIソーランチーム「北昴」会長で、YOSAKOIソーラン祭り公式メンター・札幌南支部長もつとめる橋本 司さん。北昴は昨年結成8年目でYOSAKOIソーラン大賞を受賞した、もっとも勢いのあるチームです。そんな橋本さんが、なぜこの会を開催しようと考えたのでしょうか。

先輩から受け継いだものを後輩へ

「自分たちがチームを立ち上げた当時、チームの運営をしていくのは本当に大変でしたが、たくさんのYOSAKOIソーランの先輩に教えてもらい、ここまでやってきました。悩みを相談できるような横のつながりが大切だと感じています。しかし、今新しく立ち上げたチームは特に、コロナ禍でそういった機会がつくりづらかっただろうと思い、(自分たちが助けられたように)その助けになれればと、呼びかけました」

真剣に意見交換する参加者たち

参加したのは11チーム・21名。新しく立ち上げたチームのリーダーたちです。初めに、北昴がチームの理念や運営の手法を紹介。その後、参加者がそれぞれに抱える悩みや疑問を共有し、意見交換が行われました。

同志との交流を刺激に

 ディスカッションでは、メンバー集めや資金集め、チーム内のモチベーションの維持などについて多くの議論がなされました。自分たちとは違うやり方を知ることはもちろん、“チームをまとめていかなければ”という責任感で孤独を感じがちなリーダーにとっては、同じ悩みを抱える仲間がいることを実感できたことも大きな収穫。参加者からは「自分より年下の皆さんがすごく頑張っていることに刺激を受けた」(幸輝・三國さん)、「交流の機会がなかなかないためとても貴重な時間になった」(蝦夷YOSAKOI連「倭屋」・阿部さん)、「新たな繋がりを大切にしたいと思った」(海響・大川さん)との声が寄せられました。

お互いに高めあって成長を

「この会をこれからも続けていきたい。若い自分たちが、お互いを高めあってこれからを担っていく。そして、歳をとったときに、この場が引き継ぎの場所となるように、会を続けていくことを大切にしたい」(橋本さん)

 祭りに参加する踊り手たちがチームの垣根を越えて、大きなひとつの“チーム”として一緒になにかを作り出したり、自発的に交流するのは、YOSAKOIソーラン祭りの特徴的な文化と言えるかもしれません。こういった若い世代の皆さんや、これまで祭りをつくり・支えてきた先輩たちと一緒に、これからの新しいYOSAKOIソーラン祭りをつくっていきます。


【再発見👀】祭りを盛り上げる縁の下の力持ち 個性豊かな各会場に注目

YOSAKOIソーラン祭りの会場は、札幌市内各所に広がります。大通公園をはじめ、中心部以外にも、地域の特色を活かした会場がたくさん。意外と知られていないのが、各会場は「自主運営」で実施されているということ。各会場はそれぞれに実行委員会を組織し、費用やスタッフの手配なども含め自主運営で開催しています。

メイン会場を担う学生実行委員会

「YOSAKOIソーラン祭りは学生たちが始めた祭り」ということを知っている人も多いでしょう。1992年に参加10チームからはじまった祭りは、回を重ねるごとに成長を続け規模を拡大してきました。祭りの拡大とともに主催体制は変わってきましたが、祭りの象徴といえるメイン会場・大通の運営は今も学生たちが担っています。

メインステージでは、テレビ生中継される「ファイナルステージ」も学生が司会・進行を担当
パレード会場で地方車の誘導をするスタッフ

札幌近郊の大学生を中心に結成される「学生実行委員会」は、「大通公園西8丁目会場」「大通パレード会場」の企画運営のほか、審査の運営や、協賛活動も行っています。今年から審査に取り入れる「地域貢献点」も、学生実行委員会のメンバーと議論を重ねて決定しました。通年活動している約50名のメンバーのほか、祭り当日は約300名のボランティアが参加。祭りの原点を支えています。

地域に暮らす人が、地域を盛り上げる

 YOSAKOIソーラン祭りにおいて“平岸”“新琴似”という地名を聞くと、何を思い浮かべるでしょうか。
きっと、祭りを代表する2チーム「平岸天神」と「新琴似天舞龍神」が浮かぶ人が多いでしょう。

この2地域は“有名チームの地元”というだけでなく、長く祭りの会場を運営している地域でもあります。「平岸会場」は平岸中央商店街が中心となり、第2回(1993年)から開催しています。唯一、国道を使用したパレード会場でもあります(国道を止めた情熱の秘話はまた別の機会に・・)。「新琴似会場」は第5回(1996年)から開催。こちらは、連合町内会が運営を行っています。

平岸街道沿いを大勢の観客が埋め尽くす
沿道で地元住民が「龍」の旗を振って応援

どちらの会場も、その街で暮らす人々が「自分たちの街を盛り上げたい」と始めた会場。運営に携わる皆さんの努力で、地域に密着・定着してきました。

2023年の会場にもご期待ください!

 今年の開催会場は4月初旬、まもなく発表です。「街は舞台だ!」を合言葉にはじまったYOSAKOIソーラン祭り。今年も札幌の街で、踊り子たちの熱い演舞が繰り広げられます。その舞台をつくる“縁の下の力持ち”にもぜひご注目ください。


チームインタビュー:
人と人をつなぎ、笑顔になれる場所をつないでいく(平取義経なるこ会)

―チーム結成のきっかけを教えてください。

 当時(1995年)はYOSAKOIソーランが大流行だったでしょう。全道にチームをつくろうという時期だった。娘が習っていたジャズダンスの先生が『門別沙乱舞連』の振り付けをしていて、「YOSAKOIって楽しいよ」と教えてもらった。仲間内で地域の祭りで踊ったりね。同時期に、町の社会福祉協議会の行事に『三石なるこ会』が踊りに来て。それを見たある人が平取にもチームを作ろうとなって(平取義経なるこ会が)結成された。私は踊るつもりなかったのに、色々あって、1年目から踊りを教える担当になっちゃった。(数年後に代表に就任し20年以上務める)

―今はどんなメンバーが集まっていますか?

 今は30~60代。高校生もいたけど、この3月で卒業・進学で町をでちゃう。でも、30代のママさんが4人、新メンバーで加入!YOSAKOIやってみたかった、って言ってくれて。まだメンバーは発掘中。60代の新人も2人!でも、進学でやめた人や、結婚・出産、転勤で町やチームを離れてしまう人も多くて、±だとまだマイナスなんだよね。

―立ち上げ当時とは人口全然違う?

 今は4600人、当時は6~7000人はいたんじゃないかな。(1995年・約6900人)

―街の状況が全然全然違いますね。

 そうなの!みんなからほんとによくやってるねと言われるのよ。

町で唯一のチームとして

―町でチームが担っていること、たくさんありますよね。

 札幌で踊るのがスタートで、帰ってきてからが忙しいんだよね。呼ばれたら断らないから。行ったらみんな喜んでくれて、その顔をみるとこっちも楽しくなっちゃうから。年に10回以上は行っているかな。小さい町だけど、地区ごとの祭りもあるし、福祉施設や行事とか。
 ケアハウスから“ひな祭りに合わせて昼食時に踊ってくれないか”と言われたときは、「昼休みならいけるかも」と近所で仕事してるメンバーや農家の人に頼んで、仕事の合間に集まってババっと着替えて、踊って、歌も披露したりして、笑わせてね。みんな自分のごはんは食べずにそういうことしたりもしてる。

―花植えの活動も続けていると聞きました。

 町がやっている「花いっぱい運動」に15年以上参加してます。いろんな団体がそれぞれ受け持ちのエリアに毎年花を植えるの。毎年みんなでやっている。うちのメンバー、ちゃんと集まってくれるんだよね。仕事とかでどうしても来られない人もいるけど、理由もなく来ない人はいない。“あの人こういう時しか来ないよね”みたいな人がいないの。

花植えをするメンバー
平取中学校の3年生に演舞指導

家でも職場でも学校でもない場所

―YOSAKOIソーランのチームが地域で果たす役割ってどんなことだと思いますか。

 やっぱり、人間形成にはすごく役立っていると私は思ってます。親や職場の上司とか、そういうもの以外の場所があるということは、人の幅のプラスになると思う。結成当時から子供たちも参加していて。人との関わりって大事で、うまくできる子もそうでない子もいて、学校以外で成長できる場所だなと。子供たちが私のことを「先生」と呼ぶから、「先生じゃなくて“おやびん”て呼んで」って言ってたの(笑)。そういった子たちが、大人になって、出産などで一度離れても、YOSAKOIに戻ってきてくれる。うちのチームは、イケイケな子たちばかりでなく、けっこうおとなしめの、表現が下手な子が多いの。だけど、踊りをちゃんと練習して、札幌に行く頃にははじけている。YOSAKOIなんて、来ても来なくてもいいのに、来たいから来ているでしょ。そういった子たちに慕ってもらうと、やっていてよかったとおもう。いまチームを支えているのは、そのころ子どもだった30代のメンバーです。

―いまも“おやびん”?

 いまはそんな風に呼ぶ人いないです(笑)もう子どもじゃないし。

人とのつながりを大切に

(この場所を)つないでいきたいけどね。仕事してても気持ちが荒むことってあるけど、YOSAKOIをやって少しでも晴れたらいいなと思っているけど。そういう場所だと思ってる。それでなかったらやっていないわ、こんなに!(笑)踊りと歌が好き、だけじゃこんなにやってられない。YOSAKOIって、そういう場所。見てる人からはわからないと思うけどね。札幌に行って踊ってるのは、ただの結果。そこにいくまでの過程が大事なんだよね。

―これからのYOSAKOIソーラン祭り、どんなふうになっていったらいいと思いますか?

 時代が変わるのに乗り切れないとだめになってしまう。半分新しいこと、半分は古いことを守っていくことがいいんじゃないかな。根っこの部分は残しつつ。YOSAKOIの根っこは、「人とのつながり」。それから、人を楽しませたい、笑顔にしたい、自分も笑顔になりたいということ。(いろいろ言ったけど)YOSAKOIってそんなカタいもんじゃないから。踊りだから。まずは自分たちが楽しんでないと、人も笑顔にできないしね。

〈PROFILE〉
●チーム:平取義経なるこ会(びらとりよしつねなるこかい)
1995年結成、1996年・第5回YOSAKOIソーラン祭りに初参加。地域のチームとして長く活動を続けるアットホームなチーム。現在は日高管内で唯一の本祭参加チームでもある。

●回答者:松澤以久子さん
平取町出身。チーム1年目から参加し、現在は代表を務める。YOSAKOIソーラン祭りでは日高支部長としても祭りの普及振興に尽力。2007年より平取町議会議員。


Pick Up Topics

5/4「FビレッジへGO!GO!祭り」にてスペシャルステージを披露

STVとファイターズがタッグを組み今年のGWに開催されるイベント「FビレッジへGO!GO!祭り」の2日目に、YOSAKOIソーランスペシャルステージを実施することが決定!
祭りを代表するチーム「新琴似天舞龍神」と、北広島の隣町・恵庭の「恵庭紅鴉」に加え、この日限りの総踊りチームも出演!大注目の新球場から、北海道を熱く盛り上げます!

新琴似天舞龍神
恵庭紅鴉

「第70回よさこい祭り」を記念し高知遠征チームを結成!

YOSAKOIソーラン祭り誕生のきっかけとなった、高知県で開催される「よさこい祭り」が今年第70回の節目を迎えます。それを記念し、北海道のYOSAKOIソーランチームで合同チームを結成。8/12の全国大会出場を目指します。
踊る演目はなんと、第1回YOSAKOIソーラン祭りに参加し、多くのチームに多大な影響を与えた「セントラルグループ踊り子隊」(高知市)の当時の作品!
現在、道内チームを対象に参加者を募集中。6月の祭りが終わり次第、練習も始めます。このレターでもレポートしますのでお楽しみに!

1992年・第1回に参加した「セントラルグループ踊り子隊」

3/11「炎-HOMURA-」20周年祭開催

3月11日(土)千歳市民文化センターで、千歳市のチーム「炎-HOMURA-」の20周年感謝祭が開催されました。 当日は、 炎-HOMURA-の歴代のチーム演舞披露のほか、ゲストチームの演舞やプロ楽器奏者・歌い手のステージも。
会場は無料で開放され、訪れたファンや多くの市民が来場。会場がひとつになりチームの節目を祝うとともに、これからのチームへの期待も膨らむ素晴らしい会となりました。


「あつまれ支援よさT」企画が復活

2020年、祭りが初めて中止となった年にチーム発信で実施した、通称「あつよさT」企画。チームロゴを集めてTシャツをつくり、売り上げを祭りに寄付いただきました。今年も企画の実施が決定!札幌市内のチームが中心となり、全国のチームに参加を呼び掛けています。

今後、継続的な企画としてその年の参加チームロゴを集めたTシャツを作成。チームの横のつながりも深める、新しい祭りの支援の形です。

前回の寄付贈呈の様子