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漆のこと

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卵殻蒔絵(らんかくまきえ)

卵殻蒔絵(らんかくまきえ)

卵の殻を粉末にして金銀粉同様に蒔絵を描く技術があります。
トップ画像は卵殻粉を漆で塗り固めた状態(左)と、それを木炭で研ぎ出した状態(右)です。

長い工程なので最初のほんの数秒だけ動画にしました。

よく見ると、白い卵殻粉が少しずつ黒漆の下から出てくるのが分かります。
とても時間の掛かる研ぎの作業です。

卵殻は江戸・明治期以降に漆藝材料として用いられるようになったとされる比較的新しい素材です。

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思い出のお椀

思い出のお椀

お椀五客の塗替えです。
乾燥で内側がひび割れ塗りが浮き上がっていました。口縁部は木地から割れています。

亡きご両親の金婚式の引出物だそうで、思い出の品なのでいつか塗替えをと思いながら、長年しまわれていたそうです。

桐箱に秋田の「川連漆器」の文字がありました。

漆は目的の色を作ることがとても難しい為、修繕の際に同じ色を再現するのに時間を要します。

「共漆(ともうるし)」と言って、制作者は制作

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