暗影

時折目につく全ての物に対してイラッとしてしまう時がある。
手元にある本を投げ捨てて床に叩きつけてしまいたい衝動に駆られる。


小学生じゃないんだからと自分の心に言い聞かせそっと本棚に戻す。

憐れのない行き場の亡くなったこの黒い感情はポトッと床に落として沈静化させる。
ゆっくりホットドリンクを飲んでゆっくり落ち着かせたら玄関を潜って今日を遂行していく。


家につき諸々済ませてベッドに潜る、またも黒い感情が湧き出しそうになったけどこれは夜が悪い事にして、ただじっと落ち着くのを待つ。
幾分たつと落ち着いてきて今朝床に落とした黒い物が何処へ行ったのか分からないがそれでいい気がした。

知らなくて良いことがあると誰かが言っていた事を反芻する。

だったら行き先も発生源も知らなくても気づかなくても誰そ彼咎めないだろうなんて思っていたら、また明日になっていった。

こうやって続けているから明日が、変わらない日々が、待ってくれていて、迎え入れてくれるのだろうか。

まだ大丈夫、これからも、きっと、暗影から抜け出せる。

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