踊場伝説 日記
アヤカさんの「踊場伝説」を、最終日に駆け込みで観るために、東京から出向いた。久々の京都は、もうかなり肌寒くなっていた。
出町柳駅を降りたとき、土砂降りの雨が降りつけていて傘も意味なさず。これアヤカさん、大丈夫なのか…と考えながら、あっという間に浸水した靴で、会場に向かった。
豪雨の空き地の真ん中に、木の板でできた巨大なT字の舞台。「T」の横棒部分は高さ3mほどの高台になっていて、縦棒の方はゆるやかな坂となって地面へ降りている。合羽を着た観客たちが舞台の周囲を取り巻いていて、彼らも何かの役のひとつを演じているみたいにも見えた。大阪で見た維新派や、KKKの信者の写真を思い出した。
本番が始まる3分前くらいに、ぱたりと雨がやんだ。
雲の隙間から光が差し込んで、さっきまでの雨で濡れた舞台に強く反射して、目を細めるほど眩しくひかった。アヤカさんが現れた。
「風のダンス」は、神様的で女性的な感じ。「マージナル・ダンス」のほうは、私の見たことあるアヤカさんの体の動かし方だな、という感じだった。
ダンスに詳しくなく。アヤカさんっぽい、と思わせるこれは、なんなんだろうか?系譜とか、あるのかな。それとも、アヤカさんがそういう独自性を意識して振り付けしているのか。アヤカさんの身体の「クセ」とか「気持ちいい動かし方」みたいなものの、結晶なんだろうか。
ひとりの人からあんなにたくさんの動きのパターンが出てくることが、ふつうにすごいなと思う。そんな動かし方があったか、と思う。そのひとつひとつが生まれたと思ったら消えていく。踊りの横を、ときおり電車が通りすぎていく。
最後、舞台をユンボで壊していくのを、のんびり眺めて、ぜんぶ終わった。
今回のパフォーマンスのワンシーンで、アヤカさんが過去の公演で着た衣装を一枚ずつ脱いでいった場面が印象的だったので、絵にした。いろいろうろ覚えだけど、伝説ってそんなもんだよね、ということで。(miuro)
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