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“事実”って多面的すぎない?
事実は印象に捻じ曲げられる。
職場で人事があり、私の部署からひとり異動が出た。
異動したのは私の1年先輩で、とても仕事ができる人だ。
受け答えも完璧で的確。彼女が焦ったり目立ったミスをしているところを私は入社以来一度も見たことがない。
この人みたいに仕事ができたらいいのに。
そう思わずにはいられない人だ。
私だけではなく、彼女は他の部署からの評価もすこぶる高かった。彼女を指名して仕事を依頼する人は多かったし、社外からの信頼も同年代のなかでは彼女が一番多く集めていたと思う。
ただ、ひとつだけ問題があるとすれば、彼女は上司ととても折り合いが悪く、とくに直属の上司とは何ヶ月も口を聞いていなかった。
だから上司やその上司から彼女の印象を聞いた人事からの評価は、
・手がつけられないほどに仕事ができない
・仕事をダラダラして残業代を稼いでいる
・勤務態度が悪く、だらしない
こんな感じだった。
上司との折り合いが悪いことが、めちゃくちゃ仕事のできる彼女の評価を最悪なものにしてしまっていた。
周りからどんなに評判が良かろうが、人事と直属の上司から見た彼女は「手のつけようがないほどにだらしなく、問題のある人間」だった。それがまぎれもない事実だった。
私には彼女とは別にもう1人先輩がいる。
仕事が多少適当で遅くても、愛嬌があり上司に可愛がられているその先輩は、残業時間にスマホをいじっていようが納期に間に合わず先方から催促の連絡が来ようが「手のつけられないほどどうしようもない奴」ではない。おおむね「毎日遅くまで仕事を頑張っていてたくさん仕事をかかえる忙しい人」とみんなに思われている。
よく先輩に可愛がられることは大事だ、愛嬌は社会人に必要な要素のひとつだって聞くけど、このように、事実は見る人によってこんなにも違ってくる。(※ここまで極端な例はあまりないかもしれない)
印象は事実を捻じ曲げてしまうくらい強大な力を持っていて、事実から印象が生まれるのではなく、印象から事実が生まれることもあるみたいだ。
世の中には功績ではなく印象がものを言う場合もある。というか、功績に見えるいくつかのものはただの印象でしかないのかもしれない。
私だって、事実ではなく印象から架空の事実を作り上げてしまっている時がたぶんあるだろうし。
事実って必ずしも本当にあったこと、じゃないんだよね。
自分の中で”本当にあったとされること”なの。
事実は人によって違う。
ひとつの出来事から、複数の違う事実が生まれているかもしれないし、他人のつくりだした事実に苦しめられることもあるかもしれない。
真面目にコツコツやって実力をつけたとしても、なかったことにされてしまうかもしれない。
それでも私たちは他人の事実と戦っていかなきゃならんのよね。大変だけど。
「こんなのやってられるか」私がそう言って暴れたとしても、残念ながら他人の事実の生産は止められない。
だからこそ、それに対抗できる自分の事実は持ち続けるべきだし、他人の作り出した事実を聞いても落ち込み過ぎたり、改善しようと躍起になっておかしくなってしまったりしないよう対処していかなきゃならんよね。
相手のもつ印象や事実だけが事実ではない。
ちゃんと自分が持ってるそれだって存在しているんだ、それだけは認めて生きていきたい。
とくに就活生などの自分が品定めされているような気持ちになったり、選ばれなきゃと必死になって努力をしている子たちには、他人から渡された”事実”に押しつぶされずに生きていってほしいなと切に思う。
事実は必ずしも治さなきゃいけないところじゃないからね。
社会をうまく渡っていく方法や何が正解なのかはいまだによくわからん。二十数年生きてても毎日が挑戦と失敗の繰り返しでたまに本当に嫌になる。
でも、もし仮に自分の意にそぐわない印象や事実をだれかに抱かれていたとしても、自分が思う自分の印象や事実を調えたり磨いていく努力だけはたえまなく続けていきたいよね。いつか周りの印象も変わる時が来るかもしれんし。
…とは言っても自己肯定感爆下がり時期は誰しもあるので、そんな時はUVERworldの『一滴の影響』を聞いてTAKUYA∞のエールに抱きしめてもらおうな。
“一番いけないことはさ 自分はダメだと思うこと
誰のせいでもないことを 自分のせいにしないで
立ち止まらないで”
“ずるい奴が笑う世界 そう言いながら物事が ゆっくりでも良い方に進むと信じ
今日も正しく生きようとする君は素敵だよ そんな自分を君も愛してあげてよ”
TAKUYA∞の言葉はどんなメンタルで聞いても明るい方へ連れてってくれるので好きです。いつもありがとう。
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