悪戯神様と天の子の冒険聖書62

「はい、少しチクチクしますけどあの時よりだいぶ良くなっています。」

すると、トワクスからスオ様のお声がした。

「おお何と言うことか!避けなければならぬ事態に遭遇してしまうとは。クヨの執念深さと言うか、何度も危機を抜け出したアマの油断かここのトワクスの緊張感の薄れと言うか。いずれにしても過ぎてじったことはどうすることも…わしの力を持っても時を戻すことなど叶わぬ。これ以上魔の手…いやクヨの手に堕ちるようなことのないように。そうなればもう手遅れになる。脅かすつもりではないが、この傷、神の烙印を押された者は例え神なる者であろうと逃れることは不可能。益々クヨの付け入る隙が出来てしまった。だがアマは唯一の希望、絶対にクヨの手に堕ちてしまってはならない!それをアマもトワクスも肝に銘じて旅を続けるんだ。」

「ククク、その通り。」

あ、何処からかクヨ様のお声?

「更に私の烙印は生命を握る。人間や精霊なら命の終わりを胸1つで決められるのだ。しかしお前は幼子の姿になろうとも神であるため命まで奪うことは叶わぬ。その代わり傷口からたっぷりと念を注ぎ込んでおいたから痛みによる苦痛は永遠に与え続けることは出来るし何処まで、次元まで離れていても逃れる術はあるまい。その烙印を消すも私次第、いやお前の出方次第。素直に私の意思に従えばこんなことしなくて済んだし犠牲者も出さなかったのにな。それよりお前はこれから御神木を目指すだろう。それまでお前を大人しく見守る、面白いことになっているぞ。それを見てお前がどう思うか楽しみだ。辛くて投げ出したくなったらいつでも休ませてやるぞ。ククク…。」

クヨ様は最後に甘い声で囁きそれから声は聞こえなくなった。

自分に出来るお礼はノートを充実させることです(^_^)a