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書籍紹介『ハロー・ワールド』

こんばんは🌃
uN.所属のIRIAMライバー
古書店店主で幽霊の夜野 廻です。

さて、古書店の店主と名乗るからには、もちろん本が好きでして…
今回はそんな夜野が最近読んで面白かった作品を紹介します!

今回紹介するのはコチラ
『ハロー・ワールド』(藤井 太洋 著)

本のおおまかな内容としては以下の通りです…

エンジニアの文椎(ふづい)が作った広告ブロックアプリがインドネシアで突如売れ始めた。そこに隠された驚愕の事実とは。検閲や盗撮などの問題を描いた表題作「ハロー・ワールド」をはじめ、インターネッ

トの自由を脅かす行為に、知識と技術で立ち向かう文椎の、熱く静かな闘いの物語。第40回吉川英治文学新人賞受賞作。



GoogleカーやAmazonのドローンが次々集まってくる「行き先は特異点」、バンコク出張中にドローンを使った政治運動に巻き込まれてしまう「五色革命」、Twitterが中国に門戸を開いたのを機にTwitterクローン〈オクスペッカー〉をアップデートしてインターネットの自由を守ろうとする「巨象の肩に乗って」、マレーシアのビットコインセミナーに参加中に拉致されてしまう「めぐみの雨が降る」。

単行本刊行時にAmazonランキング1位を獲得した話題作が、これまでKindle版でしか読むことのできなかった「ロストバゲージ」を新たに加え、待望の文庫化!

amazon商品ページから引用

この作品を夜野がとても気に入って理由は以下の2つです。
・ITに関する知識がなくても十分楽しめる!
・社内の何でも屋としての主人公の活躍への共感
と熱くなる展開!!

それぞれ少しお話させてください。

オススメ①:ITに関する知識がなくても十分楽しめる!

本の紹介文に書いてある通り、この作品の主役である文推はIT関連の会社に務めるサラリーマンです。

彼が仕事上で遭遇する様々トラブルとの闘いや、インターネット検閲に対する自由を守りたいという信条で動く彼の行動が引き起こす事件などがそれぞれ短篇で収録されているのが、この作品の特徴です。

そのため、必然的に「広告ブロックアプリ」や「ドローン」「SNS」「仮想通貨」といった現代のITに関連するお話を理解しないと物語を楽しめないのですが…

この専門用語について、物語上でわかりやすく、かつ、くどくない範囲で解説されているのがとてもすごい!
(いや、こういう小説ってたまに設定や専門用語の説明がくどくて飽きちゃうことあるじゃないですか…)

夜野もそういった知識がないのですが、物語を読み進める上で問題ないくらい理解ができたので、とても楽しく読み進めることができました!!

オススメ②:社内の何でも屋としての主人公の活躍への共感と熱くなる展開!!

上記の通り、この作品は主人公の文推が仕事上のアプリ開発やドローンの販売などを通して出会う人々やその中で他の国や企業のインターネット検閲や規制に対抗をするために奔走をするのがメインのお話です。

この文推に業種が全く関係ない夜野が共感をして、のめりこんでしまった部分が、彼が「社内のなんでも屋」であることです。

主役の文推は所謂プログラマーというわけではなく、ベンチャー企業でプログラミングも少しできるけど、その他の販売の交渉など、社内で発生する様々な業務をこなす「なんでも屋」として描かれます。

こういう人を「社内の番頭」と呼んだりするのですが…
実は夜野もこの番頭にあたるのです。

社畜としての夜野についてお話をすると、
弊社は社長をはじめ、皆一芸に秀ですぎている人の集団なので、凡人(幽霊)の夜野は彼らができない部分の全てを何とかカバーし続けるのが主な仕事です。

そのため「なんでも屋」として、物語上で起きる様々な問題の対処

・開発した広告ブロックアプリの政治利用の阻止
・大手企業が配信する位置情報アプリの不具合によるトラブルとその対処
・SNS上でのインターネットの自由を確立するためのアプリ開発
などなど…

このようなことに「色んな業務を経験したからこその対処」を体当たりでしていく主人公の文推の姿に仕事をする人間として共感をして楽しく読めました!

そして、ただただトラブルに巻き込まれるだけでなく、大変な勤務形態なのにそれでも文推が仕事を続ける理由、彼の中にある信条やそれをものに行動を決定していく様が丁寧に描写される点は、読んでいる人の心を動かす部分だと思います!!

これがあるので、「IT」や「お仕事小説」に興味がない人でも、一種の青春小説のようなノリで読めてしまうのではないかと思います。

そんなわけで「ITの知識がなくても読める、青春お仕事小説」として『ハロー・ワールド』はオススメです✨

是非皆さん読んでみてください!!

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