憧れのパリ。

実際に体験しなくたっていいこともあるかもしれない。
映画、ファッション、食文化—
コレらを通し、脳内に創られた憧れの街。

パリからルーベの道なり、パヴェの感触。
食べたこともない本場のフランスパン。
アメリが投げる丸くて薄い石。

若くして見たこの幻想を
いつまでも、いつまでも、心の中にしまっておこう。
コニャック片手に、その蓋を、開ける時
私は大人になるのだろう。

知ることの良さと知らない安心。
どちらかで生きていた私の生活は、ふいに終わりを迎え、旅に出る。
片道切符のその旅は、成長なのか
将又、衰退か。

解は、未来の自分が蓋を開けた時。


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