見出し画像

5年半の感情日記

日記をつけるようになって5年7か月が経ちました。
毎日まいにち日記を書き続けてきて、ノートも18冊目に突入したところです。

5年7ヶ月の厚さ
18冊目はRollbahnにしました

書き始めたきっかけはうつ病

今回のnoteは私のメンタルヘルスのお話に関わってきますので、読む上で体調が良くない方はご注意くださいね。

当時、自分の何かがおかしいと思って心療内科を訪問し、結果はうつ病でした。今は双極性障害ll型(昔で言う躁鬱ですね)に診断が変わって、今もなお通院と薬を服用し生活しています。

仕事を辞め、当時通信の大学院1年生もやっていましたが休学し、ワーキングホリデーの準備も断念し、毎日やることがなくなり、というか何も出来なくなりました。
その何もしていない自分が許せなかったのかもしれませんが、早く治したいという一心で日々の記録をつけることにしました。
うつ病になったのはなぜ?そのことばかりが自分の頭の中で渦巻いていました。原因を解明したかったし、とにかく早く解決(治)したかった。そして、この体験をなるべく詳細に記しておく必要があると感じていたのです。

出来事というより、感情

日記といってもベッドの中にいて動けず、摂食障害の問題もあったので食べることもできず、本当に横になる以外できていませんでした。なので自然と日記に書く内容は自分の中で渦巻く感情が主になっていきました。

1日いちにち、行き場のない頭の中のぐるぐるを書き出していくことで徐々に分かってきたことは、私がいかに感情を押さえつけて生きてきたかということ。そしてうつ病と戦いながら唯一できるようになったことが、感情の日記を書くということでした。

やっていたことは3つ。
・喜び、不安、悲しみ、怒り、何でも自由に書き出す。
・自分しか読まないので、誰にも遠慮しない。
・できるだけ感情の零れがないように心がける

決まり事をつくって日記を書いていたわけではありませんが、読み返したり思い返したりすると上記の3つを実行していました。

1冊目の一部。心の叫びすぎる。

なぜ感情を書き出すのか

私は自分の感情を絵や漫画、文章でとにかく書きだしていましたが、それが止まることはありませんでした。そして分かったことは、私自身がいかに自分の感情を抑え込んで生きてきたかということでした。

書き出していった感情は、書き出す前は体の中で「漠然としたなにか」として留まってぐるぐるとしていました。
正体の分からない漠然としたそれらと付き合っていくのは非常に大変です。
はじめはそれは頭の中でこんがらがった大きな糸の塊のようでした。細く大量で解くのに非常に体力気力を使う。なのにすぐには解けません。
感情ひとうひとつを言語化していき、それを一歩引いて読み返し、客観視するということがこの感情日記の作業でした。今思い返すと、それはうつからの回復に非常に大切なことでした。

感情日記を習慣化して得たこと

感情を言語化していって分かったことは、強い怒りや悲しみを抱えていたということ、それを感じないように、そして表に出さないように抑え込んでいたということです。
メンタルクリニックでもテストでも「強い怒りを抱えている」と診断されました。しかし、自分の感情に本当に気づけたのは感情日記を始めてしばらくして、それも少しずつ、少しずつでした。クリニックのテスト結果も「どうやらそうらしい」と受け取ることしかできず、実感はしていませんでした。
感情は抑え込みすぎると麻痺して、分からなくなるようです。こわいですね…
しかし、続けていく中で少しずつ言語化ができるようになり、絡まった自分の感情の糸が徐々に解けていくことで気持ちが少しずつ楽になっていく感覚がありました。それは客観視することで自己洞察ができるようになってきたからです。

これが悲しかった、これが嫌だった、これが嬉しかった…
言語化していくことで気持ちの整理整頓ができるようになり、それを5年7ヶ月続けたことで最近では「ポジティブなこと」を日記のメインにしていこうと変化していきました。以前まではネガティブな気持ちを吐き出していくことがメインでしたが、大きな塊だった感情の糸も約6年でだいぶ解れてきたようで(たっぷり17冊分…!!)、自分はもっと良い方向に変わりたいし変われると思ったからです。
例えネガティブな感情をメインにしたとしても、ポジティブな感情も書き添える、ページを締める、という意識で行おうと思いました。
でもこれは、無理矢理にではなく、「今の私ならできる」と感じることが出来ているからです。

最近の日記に描いたイラスト。穏やかでいいなあと思います。

1日10分だけでも

夜寝る前に、1日の自分を振り返る時間を作る。それを続けてこられてよかったと思います。感情日記のおかげで、自分と対話し向き合う時間を作ることができ、少しずつですが病状も以前より穏やかになってきたように思います。今は寝たきりの状態は滅多にありません。
病気になって記録を始めたころは「ポジティブなことを書こう」という考えが私の中で生まれるなんて思ってもいませんでしたが、「うつ病になった原因を解明したい」「早く治したい」という願いは叶えらえられたように思います。双極性障害も最近は波が穏やかになってきましたし。

日記は、どんな形でもどんな内容でも、自分の記録を残していく、自分と対話をするという時間。それは自分だけができる特別な時間だと思います。
1ページでも1行でも、数年後には宝物になっている、そういうものだと思います。1日をその時は大事にできなくても、その積み重ねがあるから今の自分がある、大切なかけがえのない1日だと意識してみるのも、良いのではないかなと思います。

1年後、5年後、どんなことを書いていて、どんなふうに今を振り返るのかな?そう考えながら今日も日記を書いていきます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?