ありったけのこれっぽっち
しずかにひとをあやめて
見渡す星空は
砕けた鏡みたいに
星がぜんぶ落ちてきそうな
そんな
あたたかな
光だったか
なみだにうつる
ヘッドライトが
強い眩暈のように
ぐるぐる回転している
僕の
体温は
青い熱だったか
ラベンダーの匂いがする
なんだか懐かしかったんだ
悲しいくらい
優しい匂いで
こじんまりとした駐車場に野良猫
僕はありったけの
これっぽっちしかない優しさで
その野良猫を撫でてやった
最後くらい
優しい日でいよう
最後くらい
優しい人でいよう
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