フィクション
白と藍色が溶け合って
街灯がそっと目を覚まして
手を繋いで歩く帰り道
二人の影だけが伸びた道
「昼がおわる」と彼は泣いた
「夜がはじまる」と彼女は笑った
星は巡ってる 風は凪いでいる
前に進んでく 涙を置き去りにして
喉は渇いてる 呼吸をしてる
手のひらの温度だけが
全部だったらよかったのに
十把一絡げの思い出を
けんけんぱのリズムで飛び越えて
遊び疲れたら木陰でひと休み
ひと休み
季節は巡ってる あの子を待っている
夢と分かってる 心とはちがう場所で
星は巡ってる 風は凪いでいる
前に進んでく 涙を置き去りにして
喉は渇いてる 呼吸をしてる
手のひらの温度だけが
全部だったならよかったのに
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