歯磨きしながら何かを読む、というライフワーク

ながら作業で見ていたものをなんとなく覚えてしまう、ということはないだろうか。家事をしながら聞いてたラジオの内容とか、通学中になんとなく聞き流す好きな音楽の歌詞とか、そういう類のもの。そういう「なんとなく覚える現象」に、私は「歯磨きをしながら見ているものをなんとなく覚える」がある。

私も例にもれずスマホとSNSにどっぷり浸かった現代っ子のカテゴリに入るので、日常のふとした瞬間にスマホを触っている。私のスマホは古いので一日に何時間使ったかを見せてくれる機能はないが、その機能があったら確実に一日六時間は使っているだろう、という程度にはスマホを触る。特に何か重要な用があるわけではないけど、ずっと見ている、ということが多い。得た情報は大体どうでもよくて、ちょっとクスッと笑う程度。楽しいからいいけど、ふと我に返ると虚しくなる時もある。

しかし、その「ながらスマホ」の時間をうまく使うことができるタイミングを発見した。
それが、歯磨きの時間である。

大学受験当時、私は英単語を覚えるためにスマホアプリをダウンロードしていた。単語を読み上げてくれたり、日本語訳が合っているか確認できる簡単なクイズかあるタイプだ。私は英語がかなり苦手なタイプだったので「よし、やるぞ!」と思ってもなかなか続かなかった。英語だけに集中すると「英語は嫌だ」の気持ちが出てきてどうしても逃げたくなる。その結果、単語が覚えられず、毎度の模試でつらい思いをしていた。

とにかく覚えないといけない。背水の陣だった私はとりあえず思いついたらアプリを開くようにした。通学中、夕食までのちょっとした時間、夕食後にちょっとだけ。Twitterを開きたい手をぐっと止めてアプリを立ち上げてみる。そんな日々が続いたある日のことだった。

歯磨きをしながら英単語のクイズをしていた時。意外と覚えられている、というか「英語が嫌だ」と思わずに取り組めている自分に気づいた。今まで真面目にやろうとするとつらかったのが、なんとなくぼーっと歯を磨きながら見ているとそこそこ捗っている。些細だが、当時の私には大発見だった。

歯磨きは、歯を磨くために常に片手が動いている。そのため、無意識に脳味噌がメインから少しだけ離れる。つまり手を動かすことで苦手意識を分散させ、英語と向き合えていたのだ。
覚えようと思ってそれなりに問題を見ているので、自分が勉強できたと思う頃にはかなり長い間歯を磨いていることにもなる。歯は綺麗になるし、物事は覚えられるしwin-winだ。

今では英語を必死になって覚えなくてもいいようになったので、この時間は普段読まない分野のnoteを読んだり、Twitterを眺めたりする時間にしている。これはこれで、のめり込みすぎて寝られない、ということをそこそこ防いでくれているのでは?と勝手に良い解釈にしている。

ただし、寝る前にスマホを触るとブルーライトなどで眠れなくなったり、スマホに集中しすぎて歯磨きが疎かになることもあるので、うまく付き合っていかないといけないのが玉に瑕だと思うけれど。

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