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田宮虎彦『足摺岬』

石礫のように檐をたたきつける烈しい横なぐりの雨脚の音が、やみ間もなく、毎日、熱に浮かされた私の物憂い耳朶を洗い続けていた。…
で始まる田宮虎彦氏の「足摺岬」。
これも今ではあまり読まれない作品ですね。

なんとなく読みたくなって改めて読み返してみました。
以前読んだのは高校生の頃なので、もう40年近く前です。
自殺をしようと足摺岬にきたものの、死にきれなく雨の日に岬まで行ったがために、熱を出し、宿に宿泊中の薬売りやお遍路さんたちに介抱されるうちに、死ぬことを思いとどまった、という話。
そんな話だったのか、とすっかり忘れていました。

地図を見ると足摺岬と室戸岬は高知県の東西に突き出た岬。
太平洋が一望できます。

小説の中の宿「清水屋」は「ホテル足摺園」という老舗旅館だそうで、行く機会があれば泊まってみたいと思っています。

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