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飲食店開業完全ロードマップ⑥

飲食店を開業予定の方必見。飲食店舗開業までのロードマップを無料で完全公開~深掘り会⑥~


1.メニューの原価計算を必ず行おう!

飲食店を経営する上で非常に大切な数値指標があります。それは、以前にも記載しましたが、F/Lコストと呼ばれるモノです。
F=FOODコストという話しもさせて頂きました。このフードコストとは何か?それが原価計算によって算出される、売上に対して仕入コストが何%を占めているか?という数値の事です。
意外にこの計算を適当にやってしまっているお店が多いのが実態です。もしこれから飲食店舗を経営して、生計を立てていこうと思われている方は、この原価計算を必ず行って下さい。
逆説的に言うと、しっかりと原価計算を行っていないお店は、廃業のリスクが高い。と思っていて間違いありません。それほど重要なので抜かりなきようお願いします。

2.基本的な原価計算方法

原価計算はとてもシンプルな計算式で計算する事が可能です。
・購入金額÷購入ロット=1g当り単価
・1g当り単価×1人前の提供(使用)グラム=1人前の原価
これが原価と呼ばれるモノです。
では少し具体的な事例にて記載します。ここではわかりやすいように、焼肉のロース1人前を例にしてみます。
・ロース購入金額4000円÷購入ロット1000g=ロース1g当り4円
・ロース1g当り4円×1人前提供量100g=1人前の原価400円
となります。
もし、ロース1人前の価格を1280円で提供するとするなら、
・400円÷1280円=31.2%の原価率となります。
業態によりけりですが、この原価率を30%前後におさえていきましょうね。という話しです。

3.歩留まり(ぶどまり)という考え方

原価計算をする上で絶対に欠かせないのが、歩留まりという考え方です。例えば、大根を例にしてみた場合、おでんの大根を仕込もうと思うと、まず頭と根っ子を落とします。そして、皮も剥いて調理する人が大半だと思います。この、頭、根っ子、皮をそぎ落とした後の調理部分(実際には出来高分)を歩留まり。といいます。
基本的に、液体や、塩、砂糖といった使い切れるものは、歩留まりを計算しません。計算はこんな感じです。
歩留まりを計算しない場合
・大根1本200円÷大根1本1000g=1g当り0.2円
歩留まりを計算する場合
・大根1本200円÷(大根1本1000g-落とした部分100g)
=0.22円
つまり、歩留まりを計算すると、1g当り単価が高くなり、原価も高くなります。当たり前ですが、大根1本なら、小さな金額です。しかし、お店全体で1ヶ月当りとなると、ものすごく大きな金額になるので、計算していないと痛い目をみる事になります。

4.増える歩留まり(ぶどまり)もある。

3章では食材を切り落とす際の歩留まりについて記載しましたが、モノによっては、調理後重量が増える場合もありますので、こうした場合においても、しっかりと歩留まりを計算しておきましょう。
代表的な食材だと、お米、乾燥切干し大根、乾燥ひじき、乾燥わかめ、春雨、パスタなど。多くは、乾燥していて、戻して使うようなものです。
ここでは実際にお米の場合の歩留まりについて計算していきます。
歩留まりを計算しない場合
・お米1升400円÷お米1升1400g=1g当り0.28円
歩留まりを計算する場合
・お米1升400円÷(お米1升1400g×2.3)=1g当り0.12円
となり、先ほどとは逆に、1g当りの原価が安くなります。
※注釈:無洗米の場合は炊き上がりで大体2.3倍として計算します。
つまり、こうした食材を美味く使っていけば、原価は下げられる。という事です。
それぞれの食材によって、戻り率(調理後の倍数)が異なるので、ネットなどの検索結果を参考に計算していって下さい。

5.唐揚げ定食の原価はこうして計算する

ここまでは話しをわかりやすくするために、一つひとつの食材についての原価を計算してきましたが、実際はこんな単純ではありません。一つのメニューを作るのにも、いくつもの食材や調味料を使います。それら全てにおいて原価を計算し、それらの総和が一つのメニューの原価になるのです。
慣れないうちはかなり面倒に思いますが、データが蓄積されていくと、簡単になるので、それまでは根気よくデータを積み上げていって下さい。
ではここで、唐揚げ定食の原価計算について、概要をお伝えしておきます。
・鶏肉価格÷鶏肉仕入れ量
・たまご価格÷たまご仕入れ量
・しょうが価格÷しょうが仕入れ量(歩留まり計算要、チューブ不要)
・にんにく価格÷にんにく仕入れ量(歩留まり計算要、チューブ不要)
・片栗粉価格÷片栗粉仕入れ量
・しょうゆ価格÷醤油仕入れ量
・塩胡椒価格÷塩胡椒仕入れ量
・備え付けキャベツ価格÷キャベツ仕入れ量(歩留まり計算要)
・備え付けトマト価格÷トマト仕入れ量(歩留まり計算要)
・備え付けきゅうり価格÷きゅうり仕入れ量(歩留まり計算要)
・ドレッシング価格÷ドレッシング仕入れ量(歩留まり計算要)
これらの1g当り価格を割り出し、1人前の分量をかけた総和が唐揚げ定食1人前の原価となります。
気が遠くなるような作業に見えますが、唐揚げ定食も、とんかつ定食も備え付けが同じであれば、一つだけ計算すれば良いですし、醤油や、塩胡椒も、一度計算すれば流用可能です。
なのではじめは大変ですが、エクセルやスプレッドシートにデータを蓄積していけば、だんだん計算も速くなっていきます。

今回は、基本的な原価計算の手法について深掘りしていきましたが、飲食店経営には本当に大事な指標なので、面倒だとは思いますが、丁寧にデータを積み重ねて頂きたいと思います。
もし入力フォームが欲しいなど要望がありましたら御連絡頂いても結構です。もし参考になれば幸いです。

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代表 西村弘文

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