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身につまされる「確認」の重要さ


本日もご訪問いただき、誠にありがとうございます。ケロリンです。

私は事務・秘書代行として独立して2023年2月で丸7年、現在8年目に突入しています。前職の社会保険労務士事務所でのサラリーマン時代を合わせると、社長秘書的役回りは気づけば16年目なんですね。ある種とても感慨深いです。

前回は、コミュニケーションがなんとなく【かみ合っていない】と直感的に違和感を感じてしまうのには、単なる”気のせい”ではない、重大な原因がある場合がある、そのためにどういうポイントに着目し、どのように対処していくかの、【ごくごく初期消火の場合】の説明を徒然にいたしました。
(もし、ご興味があれば、またお立ち寄りください。)

さて、本日は、タイトルにある通り、「確認すること」の重要さについてです。

【確認すること】の意義は、ひとりでする仕事とチームでやる仕事とでは意味合いが少々異なる

【➀の場合】あなたがひとりでその仕事を納品まで任されたとします。


その場合、当然あなたの後にも先にもその仕事の内容(品質)、適正性(数量に間違いがないかなど)、納期についてみる人が存在しない仕事になるので、おそらくあなたは血眼になって必死に確認するでしょう。
あなたがさらに慎重な方だったら、過去に同じような仕事をした先輩などに時間の許す限り事前にアドバイスをもらったり、了承を得られればチェックをしてもらったりすることもあるかもしれません。

ただ、どの場合も”責任の所在”は”あなた”になることから、
あまりに慎重すぎるとあなたはその仕事が仮に問題なくできている状態だったとしても「まだ何かあるかもしれない!もっと確認しなければ!」・・・などと、逆にいつまでたっても確認を繰り返し仕事を手放すということができないという状況が発生してしまうかもしれません。

私がサラリーマン時代勤務していた会社は、常に人手が足りておらず、
ダブルチェック体制をしくことができていなかったため、多くの人がそのプレッシャーに負けて去っていった・・・という現実もあります。
(もちろん要因はそれだけではありませんが。)

【②の場合】チームプロジェクトとして複数人で取り組む場合

この場合は、人数的にもダブルチェック体制が望める条件下でもあり、さらにリーダーのチェック機能に信頼を置くことができる場合でもあるので、先の➀の場合とは少し異なります。

ただ、だからといってすべて安心・安泰というわけではないのがこの体制の真に怖いところなのです。

では一体何が”怖い”のでしょうか。
それはそれぞれの地位の違いや、そもそものコミュニケーションの取りやすさ・取りづらさの問題、質問をする時間が十分に与えられているか、そのタイミングと時間配分など、様々な条件下でチェック体制が機能しなくなる状態が容易に発生するからなのです。

❶お互いへの遠慮が先に立ってしまった場合


例えばリーダーがスタッフへ。「もとから一緒に仕事をしたことが何度もあり、性格的にきっちり真面目に丁寧に取り組むことを見てきているから、今回もおそらく大丈夫だろう。そこまで細かく言うと、逆にモチベーションを損なってもよくないし。」

例えばスタッフからリーダーへ。「もう自分の手を最終的に離してリーダーへ上げる時期なんだが、どうにも毎日忙しそうで、声をかけるタイミングをつかむことができない。できれば最終決裁までの間に目を通していただきたいのだが、いつも最終稟議にあげるまでにきっちりとフィードバックをしてくださるリーダーのことだ、今回も特に口に出さなくても見てくださるだろう。」

残念ながら、こういった遠慮の中に、「まさか今回に限って・・・!!」というエラーがお互いに入り込むことが多いのです。過去の経験上。
そして、お互いの中には、あの時やはり少し無理をしてでもきちんと現状に向き合いチェックし合う時間をとっておけば・・・というむなしい後悔の時間が流れてしまうのです。

ミスとは、社内にとどまっている限りはどうとてもできるものだったりしますが、一度社外に出てしまえば対外的な信用問題も含め、人一人の人生を簡単に翻弄する力を持つ魔物となってしまうものなのです。。。

❷どちらもが「思い込み」で踏み込んだ質問をしないまま放置しまった場合

この仕事を長いことしていて、さらに深く後悔することがあったとすれば、
それは、「自分がこれからするべき行動を納得して自分の中に落とし込み、さらに相手方にしっかり確認できていない状態では、決して進むべきではなかった」という後悔です。

これは、私の場合は自分が誰かから指示を経て行動する場合に主に当てはまった事例なのですが、仕事の指示もコミュニケーションの一環ですので、相手方の意図したこちらの指示内容が、相手方の言葉を通じこちら側に到達した時に始まります。

たしかに、そんなに難しい場合でないときは”わずかな齟齬”は簡単に埋めることができることが多いです。
しかしながら、誰もが経験したことのない新しい事例だったりとか、2~3度説明を聞いても、もしくはこちらがしてもいまいち次の行動が明確に想定できない場合とかなどは、そもそも自分自身がまるっと思い込みしてしまっていた、というのは必ず出てきます。

その”違和感”を放置せず、その場で極端な話、「上司の首根っこを押さえる勢いででも、”こういうことで本当にお間違いないですか?”と確認して行動まで落とし込むことができるかどうか」はその後の死活問題につながることが多いのです。
さらにそれが万一、自分や相手の思い込みであった場合は、双方に疑問どころか違和感自体もわかないので、とんでもなく厄介な事象を容易に引き起こしてしまいます。

私はこう思ってそう伝えた、それで間違いないはず(伝わっているはず)だから大丈夫だろう

これがその後の「みかけの信頼」を進行し、大事に至るまで気づかれないまま惨事に発展しまい、蓋を開けたら・・・。


【確認すること】は互いへのやさしさであり、思いやりである

大なり小なり、皆さまも経験したことがおありなのではないでしょうか。
私は普段から他社の給与計算を代行するということも業として受けておりますから、【万一が世に出てしまった時】というものの恐怖は身に沁みついています。。。

ここまでの期間、しつこいほどチェックしても何も問題がなかったし、
そろそろ独り立ちしてもらおうか、と手を離した瞬間にあり得ない大きなミスが起こり、平謝りで謝罪にいった経験はお恥ずかしながら数しれず。

そして、そのようなときに何が一番自らの身を切るような痛みになるかというと、やってしまったということをわかってはいるものの、なかなか飲み込んで次の一歩を踏み出すことができない本人のなんとも言い表しようのない顔、なんです。
自分が切られる方がはるかにましですし、だからといって私だけが切られたからといって完結する問題ではないのがどうしようもなくつらいところです・・・。

実際に起きて、世の中に出てしまった以上は、
指導する側としては
・どこに原因があったのか
・それを解明するためにそもそもどんな”客観的事実”があったのか
・その事象が起きた時系列はどうか
そういった事情をまんべんなく調査し、ご本人にありとあらゆる方法で伝えることは避けては通ることができません。

しかし、一度それに手を付けてしまうと、
「犯人捜し」「責任の所在の明確化」「非難されるべき人物の特定」
など、どうしても悪い方向に周囲の目が向きやすくなってしまう、というのが一番つらいところです。

帰責性は「事実」に向けられるべきであり、「人」を矢面にあげるためのものではないのです。

もちろん私としてはそんなことにならないよう気を使いながらことを進めはするのですが、どうしても私だけではできないところが「再発防止のためにご本人の何の理解が浅かったか、理解の浅い深いではなく、そもそも理解し切れていなかったのか、を本人とのコミュニケーションから探っていくこと、なのです。

そのためには、ご本人にとって「何を言っても『安心、安全の場』であることをこころから感じ取ってもらい、そのような場をつくることが非常に重要であるし、そのような場であるからこそ【帰責性】を暴き立てる性質のものではないということを全力でわかってもらう必要があるのです。

ここまで考えてくると、何度も何度もこのような体験をしたからこそ言えることがたった一つあるなと、どうしてもそこに行きつきます。

「みかけの信頼」を乗り越えて起こってしまうことは、
残念ながら行きつくところまで行きついてしまったものの方が多い。
ならば、「みかけの信頼」の時点でやはり、と今一度踏みとどまって

「何度も見てもらっているということは十分わかってはいるのだけど、
念のためもう一度最終に上げる前に確認してもらってもいいでしょうか

「自分でも何度も確認していますし、最近リーダーが常にも増して忙しそうなため、チェックしていただくことを言い出せずにいたのですが、これが最終という前に一度お時間とっていただき、今一度確認していただくことは可能でしょうか

と声掛けをしあう。
一見確かに相手の時間をとることでもあるし、「もう大丈夫だろう」という信頼を否定しかねない意味合いはあるかもしれませんが、そこを踏みとどまってあえて相手に依頼できるということが、
お互いへの真のやさしさであり思いやりであると思うのです。

年始早々、さまざまなニュースが飛び交うはじまりとなりましたが
自らのこころの中をあらためて覗き、感じ、
このように強く思いましたので、
非常につたないながらも文章とさせていただきました。

本日もここまでお読みいただきありがとうございました!
なにかのお役に立てましたらうれしいです。

よろしければまた次の記事でもお会いできるのを楽しみにしております!

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