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”社長”のタイプ別とマニュアルのお話

本日もご訪問いただき、誠にありがとうございます。ケロリンです。

私は事務・秘書代行として独立して2023年2月で丸7年、現在8年目に突入しています。

前回のお話で、事務・秘書代行さん、ひとりお留守番事務員さんができるだけストレスをためずに仕事をするためには、というマインドのお話をしました。

一方、これがうまくハマるためには、相手方たる社長様の性質のお話も深くかかわってくるため、本日はそのお話をしようかと思います。


仕事の振り方の特徴で分ける


私は、自らの経験上、仕事の振り方の特徴で社長様の性質を分けて考えています。

  1. 陽丸投げ結果報告のみタイプ

  2. 陰丸投げ全報告タイプ

  3. 思いついた時がやり時チェックタイプ

  4. 二人羽織タイプ

それぞれ簡単に説明していきますね。

1.陽丸投げ結果報告のみタイプ


・徹頭徹尾純粋丸投げタイプ
・求めた結果が出ていれば委細(過程)は全くこだわらないむしろちょこちょこ報告すると「忘れるから結論だけでいい」と言われがち
・上記は仕様(デフォルト・取説レベル)。(言われたことにいちいち繊細に反応しなくてもよい)
・納期よりちょっと余裕をもって報告できるよう仕上げておき、最終報告の前に中間レベルのジャブをかますのがポイント
 
最後まで報告を聞かないかわりに最後に大手術になるリスクがあるから
・奥様と二人三脚でやっていて奥様に丸投げタイプもこのタイプが多い(ということは秘書は普段は奥様との二人三脚が実質)

2.陰丸投げ全報告タイプ


・過程の公開は都度都度必要。しても忘れることが多いためその記録も必要(過去にどんなことをどのタイミングでどう報告したかの記録。共有できるツールがあれば、尋ねられたときにどこのどこどこにありますと答えられるレベル)
・「ちょこ報告」の的が外れなければ、最終結果の的も”近似値”=大幅な手直しは発生しにくい(一応ちゃんと耳に届いている)
・1の陽丸投げタイプか、2の陰丸投げタイプかは、初回打合せ時・初回報告時の見極めが重要

3.思いついた時がやり時チェックタイプ


・普段は経営者の仕事(営業活動)に集中しているため、ほぼほぼ放置
たまに事務所に2~3時間いられるスケジュールの時に打ち上げ花火点火
・ちょこ報告はシールドのためにしていても残念ながら耳に届いてはいない
・貴方が普段抱えるレギュラーワーク(近々に納期ある仕事)との兼ね合いが必須(30分後に納期がくる200人規模の処理があっても、質問したいときが社長の処理どき。スケジュールを見て『来そうだな』というタイミングを予測して先回りしておくことがおすすめ)


4.二人羽織タイプ


・出発点から過程、最終地点まですべて見えていないと不安になるタイプ
・「やっておいて」といわれたら言われたとおりに事を運ぶべし
・「同じ結果が出れば異なるやり方もOK」ではなく、「自分が教える通りに忠実にやってほしい」=「教えた以外のことはしないでほしい」
・責任感の強さから自分に仕事を集中させる傾向があり(自分で管理したいから)、そのため業務過多になり余裕はほとんどないため、質問しづらい雰囲気が常に漂う

サラリーマン時代の私は・・・


お恥ずかしいことながら、サラリーマン時代の私は、今から考えると、
1.陽丸投げ結果報告のみタイプになりたいけどなれない
結果的にかなしい4.二人羽織タイプだったなと思います。

もちろん、誤解をしていただきたくないのですが、
4.二人羽織タイプは、
➀きっちりマニュアルがあり
②そのマニュアルの運用テストも複数回行われており
③大量生産かつ大量品質保証が必要な場面

であれば最強の威力を誇ると思います。

ただ、大半の業務が鉄鋼炉の中のどろどろに溶けた鉄のように定型すらなさず、これからある程度の型枠にはめ、型枠自体もお客様との微調整で変わっていくような開拓途中の業務の場合は、4.の体制は正直非常に難しいと思います。
なぜならば、上記4つのパターンはそれぞれ引き継ぐ業務のベースにマニュアル(手順書、引継ぎ書などともいう)があることをそもそものスタート地点に置いている話だからです。

マニュアルをつくろう


日々、会社の営業(販売促進)の業務を担いつつ、
これまでやってきた会社の基礎を支える(バックオフィス)業務もやってこられていた世の社長様方々。

本当に頭が下がります。
その業務のうち、代替性があり、一番先に社長様が手を離せるのがバックオフィス業務であることは間違いありません。バックオフィス業務はルーティンワークが大半を占めるため、習得しやすいのです。

それをする上で、効率が段違いに変わるのが「マニュアルの有無」です。
なぜならば、マニュアルがあるのとないのとではその業務の再現性が天と地ほど異なるからです。

もちろん、なければないで今後すればいい話ですが、
やるなら早いにこしたことはない、のがマニュアル作成です。

そして、業務を引き継ぐときには必ず一度はその業務を一から十まで振り返り、その流れにそって新しく業務をやる人に伝えますよね。
それであれば、その流れをその時に書き留めておく、それだけで、次にその業務をやるときの再現性は抜群によくなるのは容易に想像できるでしょう。

マニュアル化できていない事情には業務が多忙を極め、社長自らがやらなければならない仕事と社長でなくてもできる仕事のそもそもの振り分けができていないというのが一般的には最も大きな要因かと思われますが・・・

ついつい、一度引受先ができてしまうと安心して、「後回し後回し、だって今ちゃんとやってくれる人がいて特に困っていないから」というこころの声があるのも事実ではないでしょうか。

もちろん、社長様が自ら行っていた業務を引き受けた方のキャパシティに余裕があり、問題なくこなすことができているレベルのうちはいいのですが、その方にどんどん引き継いでいけばいくほど、当たり前にその方のキャパシティの空き容量は少なくなっていきますので、
できれば引き継ぐと同時のタイミングでやっておくのがベストではないかと私は考えています。

その際、完全無欠のものをつくろうとしないことも、マニュアル化の秘訣です。
実際に作業をする際に作業内容を追うことさえできる程度でき上っていれば、はじまりは走り書きのメモを整理する程度で十分と思います。
とにかくそれを形にしておくことの方が重要です。

そして作業はルーティンワークですから、実際に作業を何度も重ねて行ううちに、
ここはこうした方がいいとか、
この流れはこの作業より先にあった方がいいとか、
そんな創意工夫がのっかっていくようにおのずとなるはずですので
枝葉をとっぱらった幹の部分をおおざっぱに設計するくらいに気楽に構えていいと思います。

やること、できることを”有る”状態にしておくことこそが重要といいますか。

「私がマニュアルです」は100%ではない


仕事ができる人ほど仕事が寄ってくるので、じゃんじゃん忙しくなり、仕上げた仕事を振り返る時間すらなくなっていく・・・というのはよくある話で、そこに”仕事の属人化”の落とし穴はひたひたと迫っています。

ちょっとだけ立ち止まって考えてみてください。
その仕事ができる人が元気に100%MAX状態で仕事ができているうちは「私がマニュアルです」「私が生き字引です」も会社のカルチャーとして受け入れられるし、それはそれでとても”いい味”だと思います!

しかし、それはきちんと他の人がやってもある程度できる状態にしてあることとワンセットなんです。

「私は常になんどきでも絶対に会社を休まずMAXパワーを発揮できる状態でいられるだろうか?」

企業内で起こるもっともわかりやすい例が女性社員の出産です。
次世代を生み出すことは本当にすばらしいことで、個人のしあわせのひとつの形でもあるし、手放しでお祝いしたいところなのに・・・

その方がやっておられた仕事が引継ぎできる状態にあるかないかで
その後の流れも全く変わってきますし、その一事だけで、本当にすばらしくおめでたいことが色あせていってしまうのはなんとも残念なことではないでしょうか・・・。

だから。
明るい未来に向けて、いま、備えましょう!


いかがでしたでしょうか。

本日もここまでお読みいただき、誠にありがとうございました!

また次回の記事でお会いできるのを楽しみにしております。

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