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“yurigahama”

百合ヶ浜って?

 百合ヶ浜をご存知でしょうか? それは鹿児島県奄美群島の最南端、与論島にある大金久海岸の沖合いにぽっかりと浮かぶ砂浜。常に見られるわけではなく、春から秋にかけて大潮前後の干潮時のみ、海原から忽然と姿をあらわすのです。天国の海(←登録商標だそうです!)として知られるハワイ・オアフ島カネオヘ湾のサンドバーが有名ですが、日本にもそれに負けない天国のような砂浜があるのでした。
「死ぬまでに行きたい! 世界の絶景 日本編」にも選ばれた、海の美しさで名高い与論島のなかでも、いちばんの観光スポットです。

やっぱりすごいよ百合ヶ浜

 さて、毎年制作している yoron blue. calendar は、島人の視点で見た知られざる与論の姿を紹介しようというのがコンセプト。そんなわけで、これまで百合ヶ浜を積極的に取り上げてはきませんでした。あまりに有名過ぎますものね。
 しかし、2020年に島の人気店「くじらカフェ」の店主と協力して百合ヶ浜をイメージしたオリジナルカラーのギョサン、その名も「yurigahama」を制作販売しますと、これが入荷のたび即完売するほど大人気。商品の魅力はもとより、その名前の力は大きかったと思います。

 ちょっとまてよ、と百合ヶ浜の力を見直したきっかけは、このときでした。

 そもそもなぜ春から秋に浜の出現する時期が限られるかといえば、冬場はもっとも潮の引く時間が夜になるため。つまり現れなくなるのではなく、現れる時間がずれているだけなのです。たとえ人が見ていなくても、確かに、ひっそりと、百合ヶ浜は存在している。そのことに気づくと、百合ヶ浜に対する考え方が180度変わりました。

 誰もが知っている百合ヶ浜は、大きな自然の営みの一面に過ぎない。

 観光写真の見本のような姿だけじゃない、誰も知らない百合ヶ浜の姿がきっとあるはず。yoron blue. calendar でフォーカスすべきなのは、まさにここ。2022年カレンダーのテーマは「yurigahama」に決定です。

川上精一さんについて

「誰も知らない百合ヶ浜」をとらえるには写真の腕だけではなく、潮や月齢をはじめとする自然環境の知識を持ち、常に状況を観察できる体制にあることが必要です。

 そこで協力を申し入れたのが、ドローンを駆使して島の風景を記録する映像クリエーターの川上精一さん。島内では主にウェディングやファミリームービーを制作、その確かな操縦技術でTVドラマなどでも活躍しています。百合ヶ浜に通う回数は尋常ではなく、すでに膨大な量のストックをお持ちです。このカレンダーのためならと、写真の使用を快諾くださいました。

 その川上さんをもってしても、これまでに撮影した素材だけでは今回のカレンダーには足りません。普段なら絶対行かない時間帯や天候など、かなり無理を言って追加の撮影を依頼。おかげで島の人たちでも目にしたことのない瞬間を満載した、まったく新しい視点のカレンダーを作ることができました。

 そんな自信作の 2022 yoron blue. calendar。以下で各月を紹介していきます。

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1月
百合ヶ浜が現れるのは春から秋にかけて。冬の間、この近辺は遠浅の海になり、ウィンドサーフィンやカイトボードに最適な風が吹くことで愛好者に知られています。

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2月
冬季は夜の間にもっとも潮が引きます。つまり、百合ヶ浜は誰も知らない夜中にひっそりと出現するということ。そんなレアな姿をとらえました。

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3月
現れたり消えたりするということは、海が浜に変わる瞬間があるはず。これこそ、今まさに誕生しようとする百合ヶ浜。

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4月
船底がガラス張りになったグラスボートに乗るのが百合ヶ浜に渡る一般的な方法。海中を遊覧しながら浜を目指します。

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5月
島とリーフに囲まれたイノーと呼ばれる浅い砂地の端に現れる百合ヶ浜。潮や台風の影響で位置や大きさが変わります。

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6月
最近は百合ヶ浜でブライダルフォトを撮るカップルも増えてきました。出席者が揃って記念写真の風景。

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7月
砂が多く堆積した年には、いくつも百合ヶ浜が現れることもあります。奄美群島の端に、さらに群島が増えたような1枚。

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8月
シーズン真っ盛りには観光客がひしめき合う百合ヶ浜ですが、運が良ければこのように独り占めすることができるかも。

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9月
SUPで百合ヶ浜を目指す。周囲の海は透明度が高過ぎて、まるで宙に浮いているように見えます。

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10月
水面に顔を出す直前の百合ヶ浜を上空から見るとこんな様子。全身に白いベールを纏っているかのようで幻想的です。

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11月
この時期になると昼間、完全に出現することはずいぶん少なくなります。とはいえ、膝下くらい水に浸かっている状態もまた楽しいもの。

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12月
誰もいない夕暮れの百合ヶ浜は、少し寂しげな表情。賑わいを取り戻す来年の春まで、静かな眠りにつきます。

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 ご覧いただいた貴重な瞬間を含むカレンダー。日付部分には百合ヶ浜出現可能性を示すマークや干潮時刻が記載され、観光のスケジュールを立てるのにも最適。
 さらに特殊加工により実現した「百合ヶ浜があらわれる! 消える! 飛び出す3Dポストカード」もおまけについています。

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商品はオンラインストアのほか、現地でも以下の各店舗でご購入いただけます。

・プリシアリゾート(立長358-1/☎︎ 0997-97-5060)
・オーシャンマーケット(茶花34-4/☎︎ 0997-97-4188)
・すみ火焼肉サム(茶花23-2/☎︎ 0997-97-4602)
・くじらカフェ&商店(立長1622-3/https://www.facebook.com/cafekujira )

島へ行かれる方はぜひお手にとってご覧ください。


山の国に住みつつ与論島をテーマに活動中。なぜ? どうして? その顛末は note 本文にて公開中!