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Akatsukiの投資先から学べる3つのこと

①投資先をみて感じたこと

▼研究者自身に投資が集まり、経営者となる事例が増えてくる
投資先から、経営について学び助言をもらえるから。学生に投資する事例は同様のアプローチ。

▼一石二鳥モデルが理想的(一つのプロジェクトから二つのアウトプットを生み出す)
・ALEは、エンタメと基礎科学研究
・Fable Studioは、クリエイティブとキャラクターAI

▼AR/VR/MR表現を、どのような手法で拡張させるかが明確
・Fable Studioは、デジタルキャラクターと本当に会っている感覚で楽しめる手法で、キャラクターと自然にコミュニケーションできるように拡張
・HypeVRは、視点の自由化(特に主観視点)による手法で、映像制作業界に表現のバリエーションを拡張
・Super Media Futureは、間接的なコミュニケーション手法(LINEスタンプなど)で、カスタマイズ性を拡張
・RosieRealityは、アナログとデジタルを融合した手法で、STEM教育のバリエーションを拡張
・ティフォンは、別世界の体験値向上を追求していく手法で、テーマパークのアトラクションメニューを拡張


②投資先の共通点

1.エンターテイメント表現の幅を拡げるもの
2.表現手法としてAR/VR/MRを中心に投資
3.テクノロジードリブン


③公開された6社の事業内容から想定されること

1.ALE (日本):人工流れ星事業ほか宇宙関連エンターテイメント事業、衛星事業

野外ライブ会場で、流れ星の演出は新規性ありますね!花火と同様にアナログでやるからこそ価値があり、ライブと融合することで共体験を生み出します。

しかし偶然性のない流れ星は、最初だけですぐに飽きてしまうことが考えられるので、どれだけバリエーションを出すことができるのか。自由自在に制御できるようになれば、星座を構成することができたり夢が膨らみます!

ちなみに世界初というのは、人口的な流れ星を作り出すアプローチではなく、エンタメと基礎科学研究を双方を同時に進めるプロジェクトであるという点だそうです。


2.Fable Studio(米国):AR・VR上でのAIキャラクターエンジンの開発

Oculusの映像制作部門「Oculus Story Studio」に所属していたメンバーが再結成して設立した新会社です。

パッと見のクリエイティブも、かなりのクオリティです。さらに興味深いのはコアテクノロジーとなるキャラクター特化のAIを開発していること!これにより自社IPを生み出すこと、キャラクターAIを他社IPに提供することの2軸で進めていける。

例えば、USJにある「ハローキティのリボン・コレクション」というアトラクションは、ゲストをキティのスタジオに招待するというコンセプトなので、同様のアプローチはどんなIPでも転用可能なコンテンツになります。


3.HypeVR(米国): 奥行きのある360度画像の撮影・VR化、データ圧縮技術開発

Intelに技術提供している会社で、その内バイアウトされるのかなと思います。(ということは、かなり良いタイミングでの投資ですね!)なぜならこの技術はスポーツ中継、映画撮影に活用される予定で、かなりのコアテクノロジーです。

Intelは2016年にReplay Technologiesを買収して、2017年のCESでは自由視点の3D VRを実現していました。2018年のCESで発表した内容を見ると、こちらの技術をベースにしています。

技術の概要ですが、「Volumetric VR動画撮影」と定義している手法で、ピクセルではなくボクセル(立方体)として処理する。見たいカメラ視点を自由に選択することが可能で、視点位置によってどのボクセルを表示するか判断しているのかなと想定しています。

詳しくはこちらを→"実際に動き回れる”次世代の360度動画撮影技術"


4.Super Media Future(米国): リアルタイムモーションキャプチャ技術を使用し、AR上でアバターを表示されるアプリを開発

技術的にはとても注目している全身トラッキングで、姿勢検知を可能にするテクノロジー。Facebookも同様のことをやっていたりします。("Facebookの全身トラッキングの研究からはAR/VRへの大きな意欲が感じられる"

最近はバーチャルユーチューバーが人気ですが、それを一般化するものになるのかなと思います。ゲームプレイする際にアバターを使うことがありますが、それを自ら操作したりするようになったり、またLINEスタンプの音声とアニメーションのカスタマイズを自ら演じてやるという感じですね!

アプリを試すことができるのでぜひ→AppStore「OCTI」


5.RosieReality(スイス): 子ども向けロボティクス学習ARアプリ開発

日本の小学校では、2020年プログラミング授業が必修化となることで、最近多くの会社が取り組んでいる領域。現在こちらの会社はプロトタイプを作り終えて、子ども向けの講習を繰り返しながら改善しているというフェーズですね!

以下はFounderのツイートです。ご参考までに!


6.ティフォン(日本) : ロケーションベースのMRアトラクションの開発・運営

2014年のディズニーアクセラレータに参加して、「Show Your Disney Side」という顔認識で色々なキャラクターへ変身できるARアプリを2015年3月にリリースしている。(ちなみにSNOWは2015年11月が、本リリースなのでそれより早い)その後はゾンビ版で「ZombieBooth」という、ARアプリをAppStoreGooglePlayStoreで提供している。

ARからVR/MRの領域に移行してマネタイズの活路が見出せそうな、ロケーションベースによる提供を開始。しかしながら思い切った方向転換ではあるので、もしかしたらディズニーのアトラクションの一つとしての可能性にもかけている気もします。

体験してきましたが、かなり世界観が作り込まれており、テーマパークのアトラクションになるレベルだと感じましたが、課題はオペレーションですね。


参考記事:アカツキが「エンタメ×テック」ファンドの投資先公開、人工流れ星やMRお化け屋敷など国内外8社

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